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2018年2月5日
株式会社日立製作所
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
設計・開発プロセスが機能安全規格最高レベルSIL 4*1に適合
安全保護系コントローラ「νCOSS S-zero(ニューコス エスゼロ)」
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)と日立GEニュークリア・エナジー株式会社(取締役社長:久米 正/以下、日立GE)は、共同開発した英国向け改良型沸騰水型原子炉(以下、UK ABWR*2)用安全保護系コントローラ「νCOSS S-zero(以下、ニューコス エスゼロ)」について、ドイツの国際的な第三者認証機関TÜV Rheinland Industrie Service GmbH(以下、テュフ ラインランド)から、安全保護システムに関する機能安全の国際規格「IEC 61508シリーズ(SIL 3*1)」の認証を取得しました。同時に認証証書では、「ニューコス エスゼロ」の設計・開発プロセスが機能安全に関する最高水準であるSIL 4*1の要求事項に適合していることも明記されました。これにより、SIL 4*1に対応したシステム設計を行うことで、従来のプログラミング可能な安全保護系コントローラでは困難であった、SIL 4*1が要求されるシステムにも使用することができます。また、テュフ ラインランドのセット認証サービスを利用して、サイバーセキュリティの国際規格「IEC 62443-4シリーズ(SL 1*3)」の認証も取得しました。
なお、2017年12月に完了したUK ABWRの包括的設計審査(GDA*4)においても、「ニューコス エスゼロ」の基本的な設計・開発のアプローチが英国の規制当局が期待する水準を満たしていると認定されています。
IEC 61508シリーズは、国際電気標準会議(IEC*5)により、コンピュータ技術による安全確保を実現するために制定された機能安全の国際規格です。工場やプラントなどの機械や設備が異常な状態に陥ったときに、それを検知して安全な状態を維持するための、電気的、電子的あるいはプログラミング可能な電子的安全保護システムに対する要求事項を定めたもので、リスクを許容できる目標に軽減するという考え方に基づく規格です。
「ニューコス エスゼロ」は、プラントの運転監視制御機能とは独立して、異常時にプラントを安全な状態に移行させるための安全保護機能を作動させる制御装置です。一般的に制御装置に必要なファームウェア、OS、ミドルウェアなどのソフトウェアは一切搭載せず、システム固有の制御論理をハードウェアである演算器で構築することにより、サイバー攻撃を受けにくい高い安全性と信頼性を実現しています。また、制御論理には、浮動小数点演算*6を使用可能なことに加え、演算器を自社開発したことにより、SIL 4*1の要求事項を満たす安全性評価を実施することができました。
日立GEでは、ホライズン・ニュークリア・パワー社が開発を進めている英国の新規原子力発電所向けの原子力機器に用いる安全保護系コントローラについて、「ニューコス エスゼロ」を採用することとし、英国の安全基準に対応していきます。また、今後日立では、設計・開発プロセスにおいてSIL 4*1の要求事項に適合していると明記されたプログラミング可能な安全保護系コントローラは世界的にも例が少ないことから、高い安全性と信頼性が求められる化学プラントや火力タービンなどの分野へも「ニューコス エスゼロ」の適用をめざしていきます。
認証証書
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以上