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企業情報ニュースリリース

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2017年8月29日

サイバー攻撃対応のための総合訓練・検証施設を開設し、
重要インフラ事業者向けのサイバー防衛訓練サービスを提供開始

[画像]施設 内観
施設 内観

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、重要インフラに対するサイバー攻撃に対応するための総合訓練・検証施設を日立の大みか事業所内に開設し、日立がこれまで培ってきた制御システムと情報システムの技術・ノウハウを組み合わせた、重要インフラ事業者向けのサイバー防衛訓練サービスを8月30日より提供開始します。
  まず第一弾として、電力事業者を対象に、お客さまの実システムを模したシステム環境を施設内に構築し、システム監視や指揮命令を行う関連部門の組織訓練を目的としたプログラムと、サイバー攻撃に備えた運用手順の検証やセキュリティ製品の評価ができるサービスを提供します。

  なお、これに先立ち、日立は5月末にイスラエルのサイバーセキュリティ大手CyberGym社(本社:イスラエル・ハデラ市、共同創設者兼CEO:Ofir Hason(オフィール ハソン)/以下、サイバージム)との間で、サイバージムのサイバー防衛演習関連サービス、ソフトウェアの日本国内における独占販売契約を締結しました。本契約に基づき、日立は今回提供開始するサービスを今後さらに強化し、2018年を目途にサイバージムの訓練ノウハウを具備したサービスを提供する予定です。

  近年、IoTの普及により、社会を支える重要インフラのデジタル化が急速に進むなか、インフラシステムへのサイバー攻撃のリスクが高まるとともに、その攻撃手法も高度化・執拗化を増しています。重要インフラに対するサイバー攻撃は、人々の生活に多大な影響を与えかねず、業界全体でその対策の強化が急務となっています。一方、重要インフラのセキュリティ対策は制御システムと情報システムの両面で考慮する必要があるため、その複雑性から、最新のセキュリティ製品導入などによる技術的な対策だけでなく、組織そのものや、システムを維持するための運用の強化も求められています。

  こうした背景を受け、日立は、長年にわたって重要インフラの制御システムを手がけてきた経験やノウハウと、先進のICTを活用し、実際のインフラシステムに近い環境を実装した訓練・検証施設を開設するとともに、サイバー攻撃に対するBCP*策定のためのノウハウを整備しました。本施設とノウハウを利用し、重要インフラ事業者向けにサイバー防衛訓練サービスを提供開始します。具体的には、分野ごとに個別構築する模擬システムを使って、サイバー攻撃に対する組織としての対応・判断力を訓練するプログラムを提供するとともに、運用手順やセキュリティ製品の防御有効性の検証・評価を行います。本サービスはヒトや組織の強化に着目した実践的な訓練・検証サービスで、重要インフラ事業者におけるセキュリティインシデントへの対応スキル向上と、システムや運用の改善を図り、日進月歩のサイバー攻撃に対して迅速に対処できる組織づくりに貢献します。

*
Business Continuity Plan:事業継続計画。災害や事故など不慮の事態を想定し、事業継続の対策をまとめたもの。

  今回、まず第一弾として情報系システムのほか、発電所の制御システムを模した環境を構築しました。今後は、他の重要インフラ分野への対応拡大も視野に入れながらサービス強化を図るとともに、サイバージムをはじめとしたグローバルの先進企業とのオープンな協創関係を深めながら、安全・安心な社会の実現に向けて、IoT時代のサイバーセキュリティ強化に業界一体となって取り組んでいきます。

CyberGym CEO Ofir Hason氏からのコメント

サイバージムは、日立がサイバー防衛訓練サービスを提供開始することを心より歓迎いたします。この新サービスは、日本における重要インフラのサイバーセキュリティ強化に貢献するものと確信しています。サイバージムが提供する訓練プログラムは、世界各国の先進事例を基にした訓練ノウハウが反映されており、グローバルで数多くの導入実績を誇っています。今後、サイバージムのノウハウを日立に提供することにより、日本の重要インフラにおけるサイバーセキュリティがより一層強化されることを期待しています。

本サービスの概要

1. ヒト・組織の強化に着目した、実践的な訓練プログラム

  重要インフラ事業者の中でも、実際にプラントや情報システムを監視する部門や、緊急時の対応を指揮命令する部門の担当者や責任者、および経営幹部が受講対象です。制御システムと情報システムに関する日立の技術・ノウハウを基にしたプログラムで、基本知識や最新事例を学習する講義、防御スキルを身に付ける技術訓練、最新の攻撃シナリオにも対応した実践演習から構成されています。
  実践演習では、受講者が社内体制と同等の組織を編成し、普段利用するシステムに模された環境のもとで、別室にいる攻撃役から受けるさまざまな攻撃に対処します。実際の現場に限りなく近い環境下で、受講者の冷静な判断力と適切かつ迅速な対応力を強化するのが目的です。受講者のレベルや環境に合わせて演習を行うため、重要インフラ事業者は具体的な課題や弱点を抽出することができ、組織の強化を図ることが可能です。

2. 模擬プラントを活用した、システムや運用手順、セキュリティ製品に関する検証・評価サービス

  サイバー攻撃に備えたシステムや運用手順の技術検証を支援します。具体的には、普段利用するシステムや運用マニュアルが、最新の攻撃手法に有効かを検証・評価し、改善策を提案するコンサルティングサービスです。このほか、本施設ではセキュリティ製品の稼働検証・効果測定を行うことができるため、導入検討中のセキュリティ製品の評価・比較に利用することが可能です。

価格と提供開始時期

名称 価格 提供開始時期
サイバー防衛訓練・検証サービス 個別見積 2017年8月30日

CyberGym社について

  サイバーセキュリティ分野の先進国であるイスラエルにおいて、イスラエル電力公社の出資会社として、サイバーセキュリティに優れた豊富な人材、プログラム・ノウハウにより、電力、鉄道、政府、金融などの重要インフラ関連企業・組織へグローバルで多数の導入実績を有するサイバー防衛ソリューションのリーディングカンパニーです。http://www.cybergym.co.il/

お問い合わせ先

株式会社日立製作所

セキュリティ事業統括本部 マネジメント本部 事業管理部 [担当:寺田]

以上

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