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2017年8月14日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
株式会社日立製作所
株式会社日立システムズ
伊藤忠商事株式会社
―安定した電力供給と有効性の実証―
NEDOは、日印共同のデリー・ムンバイ間産業大動脈構想のもと、(株)日立製作所、(株)日立システムズ、伊藤忠商事(株)とともに、インドのデリー・ムンバイ産業大動脈開発公社(DMICDC)と共同で、同国ラジャスタン州ニムラナ工業団地のユーザー企業に対し、太陽光発電を活用した安定電力供給を実現するマイクログリッドシステムの実証を開始しました。
本実証事業では、太陽光発電システムと複数のディーゼル発電機とを連携したマイクログリッドシステムを構築し、ディーゼル燃料の消費量を抑制しつつ、安定電力を同工業団地内にあるMIKUNI INDIA PRIVATE LIMITEDに供給するシステムの実証を2年間実施します。
本実証事業を通じて、日本のマイクログリッド技術の有効性を実証し、同国での普及をめざします。
図1 実証開始した太陽光発電を活用したマイクログリッドシステム
インドでは経済発展に伴い、電力需要が年平均4.9%のペースで拡大し、2025年までにインドはEUを上回り、中国と米国に次ぐ電力消費大国になると見込まれています。しかしながら、慢性的な供給電力の不足により電力供給は不安定な状況であり、インドに生産設備を有する企業は安定した操業に必要な電力の安定供給を強く求めています。また、インド政府は再生可能エネルギーの導入促進計画として、2022年までに175GW(太陽光・熱発電100GW、風力60GW、バイオマス10GW、小水力5GW)の導入目標が掲げられています。
このような背景のもと、NEDOは、日印共同のデリー・ムンバイ間産業大動脈構想*のもと、株式会社日立製作所、株式会社日立システムズ、伊藤忠商事株式会社とともに、インドのデリー・ムンバイ産業大動脈開発公社(DMICDC)と共同で、同国ラジャスタン州ニムラナ工業団地において太陽光発電システムを活用して、太陽光発電システムと複数のディーゼル発電機とを連携したマイクログリッドシステムを構築し、ディーゼル燃料の消費量を抑制しつつ、安定した電力を供給するマイクログリッドシステムの実証を開始しました。
このマイクログリッドシステムは、1MW規模の太陽光発電システムとディーゼル発電機を組み合わせて制御することにより安定的な電力供給を可能とするものであり、これまでに本システムの試運転を完了し、今回、実証事業の開始に至ったものです。本実証事業では、同工業団地内にあるMIKUNI INDIA PRIVATE LIMITEDに安定した電力を供給するシステム実証を2年間実施し、日本のマイクログリッド技術の有効性を実証し、同国での普及をめざします。
また、インドの厳しい日射環境下において、日本の薄膜太陽電池パネルが設計通りの性能を発揮し、安定した電力を供給できることを確認するため、同工業団地内に5MW規模の薄膜太陽電池の太陽光発電設備を設け、その発電性能等の実証試験を2015年7月から行っています。
期間(予定):2017年度〜2019年度
予算規模:約39億円(うちNEDO委託分:34億円)
委託先:(株)日立製作所、(株)日立システムズ、伊藤忠商事(株)
実証内容:(1)マイクログリッド制御技術による電力安定供給技術の実用性と省エネルギー性
(2)日本の薄膜太陽電池パネルの有効性
図2 ラジャスタン州ニムラナ工業団地における実証事業のシステム構成
実証運転の開始にあたり、8月11日に実証開始式を現地で執り行いました。式典には、日本側からはNEDO古川理事長、平松駐インド大使、(株)日立製作所、(株)日立システムズ、伊藤忠商事(株)関係者ら、インド側からは商工省アビシェク次官、新・再生可能エネルギー省クマール次官ほか、多数の関係者が参加しました。
【用語解説】
* デリー・ムンバイ間産業大動脈構想
デリーとムンバイの間に、貨物専用鉄道(円借款4500億円)を敷設。周辺に、工業団地、物流基地、発電所、道路、港湾、住居、商業施設などのインフラを民間投資主体で整備する日印共同の地域開発構想。
(出典元:経済産業省アジア大洋州課「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」)
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
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国際部 担当:大嶋 TEL : 044-520-5190
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以上