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2017年3月27日
100項目以上の特徴の組み合わせで人物を発見し、広範囲の映像から足取りを把握可能に
本技術を活用した広域人物追跡システム
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO: 東原 敏昭/以下、日立)は、AI(人工知能)を活用して、性別や服の色、所持品など100項目以上の人物の特徴をリアルタイムに判別することで、探したい人物を即座に発見し、追跡可能な技術を開発しました。本技術により、不審者や迷子などに関する目撃情報を手掛かりに、大規模施設や街区などの防犯カメラ映像から、特徴に合致する人物を発見することが可能です。さらに、発見した人物の全身画像を解析することで、顔の映らない後ろ姿や遠方の映像からでも、広範囲に人物の足取りを把握できます。今後日立は、本技術を公共空間など広域での警備や防犯システムに活用することで*1、社会の安心・安全に貢献します。
空港、駅などの大規模施設や街区などの公共空間では、安全確保のために防犯カメラによる監視や警備が行われていますが、事件の早期発見と解決には、施設利用者などの目撃情報をもとに不審者や迷子の映像を即座に絞り込み、該当する人物がどこにいるのかを、広域の防犯カメラ網からリアルタイムに把握する必要があります。限られた人員で全ての映像を確認することは困難なため、これまで、服装の色や、入口などで事前に撮影した顔の画像を手掛かりに、人物を発見・追跡する技術が開発されてきました。しかし、似た色の服を着用している場合や、手掛かりとなる目撃情報が限られている場合、また、体の向きや照明の影響で防犯カメラに顔が正確に映らない場合には、人物の発見・追跡が困難でした。
そこでこのたび、日立は、AIによって性別や年齢層、服装など多数の特徴情報をリアルタイムに判別することで該当する人物を見つけ出し、さらに、その人物がどのような足取りを取ったのかを、リアルタイムに広域の防犯カメラ映像の中から抽出する技術を開発しました。本技術の特長は以下の通りです。
カメラに映った人物の性別、年齢層、髪型、服装の種類、色、所持品など、12種類100項目以上の外見に関する特徴と、歩く、走る、しゃがむなど、10項目の動作に関する特徴をリアルタイムかつ同時に判別するAIを開発しました。特徴を判別する際、従来は項目ごとに異なる演算が必要でしたが、今回複数の項目を同時に判別可能な演算方法を用いることで、必要な計算量を約40分の1*2に削減しました。AIによりリアルタイムに判別した人物の特徴情報をもとに、条件を指定することで高速に人物を発見可能になりました。
カメラに映った人物の全身画像をリアルタイムに画像解析、数値化することで、体の向きや明るさが異なる映像でも同一人物だと把握可能なAIを開発しました。AIによる画像解析結果を日立独自の高速ベクトル検索データベース*3に記録することで、数万人の人物画像が記録された映像の中から1秒以内で同一人物の映像を抽出可能です。また、今回開発したAIを用いた場合、顔画像を解析した場合と比較して同一人物の発見精度を3倍以上*2に改善しました。
今回、開発したこれらの技術を組み合わせることで、リアルタイムな人物発見・追跡が可能になりました。今後、日立は、本技術を公共空間での警備、防犯などに活用していくことで、社会の安心・安全に貢献します。
株式会社日立製作所研究開発グループ 技術統括センタ [担当: 阿部、藤原]
〒244-0817 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地
電話 : 050-3135-3409 (直通)
以上