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企業情報ニュースリリース

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2016年9月12日

優れた操作性・省エネ化を実現するマルチスライスCT装置
「Supria / Supria Grande V2.21」を販売開始

販売開始から約3年でシリーズ累計販売台数1,000台達成

[画像左]マルチスライスCT装置「Supria / Supria Grande」
マルチスライスCT装置「Supria / Supria Grande」

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、9月13日からマルチスライスCT装置「Supria / Supria Grande*1」に最新のソフトウェアを搭載した「Supria / Supria Grande V2.21」を販売開始します。
  本製品では、医師の読影支援やワークフローを改善するとともに、従来装置に比べ、大幅に消費電力を低減しており、快適な操作環境の提供とランニングコストの削減を実現することで、高度な診断と病院経営に貢献します。

  日立は、2013年9月にオープン&コンパクトのコンセプトで開発した16列CT装置「Supria」の出荷を開始しました。発売当時、16列CT装置としてはクラス最大*2の開口径(75cm)のガントリ*3、寝台、操作卓の3ユニット構成でコンパクトな設置を実現し、設置スペースの条件が厳しい中小規模の病院やクリニックにおいても、体格の大きな被検者などに対応できることから、広く受け入れられました。また2015年1月に同じサイズで高速・広範囲の撮影を可能とする64列検出器を搭載したCT装置「Supria Grande」を販売開始しました。それまで、大病院でのみ行なっていた仮想大腸内視鏡検査などの検査が中小規模の病院やクリニックでも可能となるなど、「Supria / Supria Grande」は中小規模の病院やクリニックのニーズに合い、2016年8月、販売開始から3年弱で国内外の累計販売台数1,000台を突破しました。
  「Supria / Supria Grande V2.21」は、オープン&コンパクトのコンセプトはそのままに、操作性のさらなる向上と省エネ化を図り、技師の負担軽減や病院経営の効率化を実現します。

  今回の新製品の主な特徴は以下の通りです。

1. 位置ずれの少ない良好なサブトラクション画像*4の作成を支える「軌道同期スキャン機能」

  経過観察や血管観察の際に有用とされ、二つの画像の差分の比較時に用いるサブトラクション画像は、従来、スキャン開始位置の違いにより、一回目と二回目のらせん軌道がずれ、差分処理に影響がありました。今回、同一のらせん軌道でスキャンが行えるようCT装置を制御する軌道同期スキャン機能を搭載しました。撮影時のらせん軌道をほぼ一致させることにより、位置ずれによる誤差が低減し、サブトラクション画像の精度が向上します。読影を困難とさせる組織の石灰化*5や止血クリップ*6などを高精度で除去した血管造影像の提供が可能となり、特に頭部の診断などに活用できます。

2. 椎体MPRの読影をサポートする「SPINEモード機能」

  人体の水平な横断画像から任意角度の断面画像を作成するMPR*7処理において、整形外科領域で必要な頚椎や腰椎のMPR表示を簡単に行えるSPINEモード機能を搭載しました。椎体や椎間板に合わせて任意角度の断面を連続的に複数設定でき、設定した画像の作成および保存が可能となります。従来、手作業で行っていたMPR処理が簡便に行えることにより、高度な診断を支援します。

3. 最大55%消費電力を低減する「Eco mode」

  医療機関にはCTやMRIなど電力を大量に必要とする機器が数多くあり、消費電力の削減は病院経営の重要な要素の一つです。本バージョンに搭載するEco modeには省エネ化を実現する二つの機能があります。On-time Standby機能は、ガントリに内蔵する冷却ファンなど機器の動きを適切に制御することで、消費電力を抑制します。また、Off-time mode機能は、特性安定化を目的に、装置を使用していない時にもX管検出器に通電している時間を短縮することで、待機時消費電力を、より抑制する機能です。「Supria Grande」の場合、Eco modeにより、従来装置と比較し、消費電力を最大で55%低減し、ランニングコストを抑えることができます。

4. 画像演算速度を50%高速化する「Intelli IP RAPID」

  少ないX線量で検査した場合に発生する画像ノイズを低減する画像再構成機能のアルゴリズムを改良し、画像演算速度を高速化したIntelli IP RAPIDを搭載しました。従来の「Supria / Supria Grande」と同画質の画像を約2分の1の時間で得ることが可能です。CTスキャン後、すぐに画像作成が可能なことから、ワークフローの改善に寄与します。

  今後も日立は、現場のニーズにあった画像診断機器と快適な操作環境の提供を通じて、医療の質の向上を実現し、さらなる医療の発展に貢献していきます。

*1
Supria GrandeはSupria の64列検出器搭載モデルの呼称です。
*2
日立調べ。
*3
ガントリ:CTを構成する大きな輪の架台。X線管球と検出器が組み込まれている。
*4
サブトラクション画像:差分画像の意味であり、例えば2つの異なる条件で撮影した画像を用い、引き算することで目的とする部分を強調する画像間演算。
*5
石灰化:カルシウムの沈着。
*6
止血クリップ:体内の止血の際に用いられるクリップ。
*7
MPR(Multi-Planar Reconstruction):CTの任意断面画像のこと。

販売名

  全身用X線CT診断装置 Supria
  (医療機器認証番号:225ABBZX127000)

販売価格

製品名定価(税別)*
Supria Grande1,000,000,000円〜
Supria 700,000,000円〜
*
システム構成により価格は異なります。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット マーケティング本部
[担当:中澤]
〒110-1105 東京都台東区東上野二丁目16番1号 上野イーストタワー
電話050-3188-3100 (直通)

以上

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