このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。
2016年3月15日
メイヨー・クリニック(アリゾナ州フェニックス)
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、米国で著名な大手総合病院メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)のアリゾナ州フェニックスの病院に陽子線がん治療システム「PROBEAT-V」を納入し、3月14日から治療を開始しました。
「PROBEAT-V」は、複数の治療室全てに日立のスポットスキャニング照射技術を適用した陽子線がん治療システムで、治療室の開放性を高める190度回転ガントリや、照射精度を向上させる最小のスポットサイズ*1などの特徴を持った最新のシステムです。日立は、同病院のロチェスターキャンパス(ミネソタ州ロチェスター)においても今回と同じシステムを納入しており、2015年6月に治療を開始しています。これにより、米国内で稼働する日立のシステムは4つとなり、現在は1施設が新たに建設中です。
メイヨー・クリニックは、米国大手の総合病院であり、全米50州、世界143か国から患者を受け入れており、年間130万人以上の患者を治療しています。診療と医療に加えて、教育・研究も総合的に行う米国でもトップクラスの医療体制を整えた医療機関であり、アメリカの歴代大統領や国内外の要人が治療を受けたことで知られています。「全米の優れた病院」ランキング*2では、長年にわたり全米で最も優れた病院のひとつとして高く評価されています。
近年、副作用の少ないがん治療法の一つとして、世界中の病院や治療センターで陽子線がん治療に対する関心がますます高まっています。日立は、今後もヘルスケアビジネスの主力事業の一つである陽子線がん治療システムのグローバル展開を通じて、世界のがん治療に貢献していきます。
陽子線がん治療は、放射線によるがん治療法のひとつであり、水素の原子核である陽子を加速器で光の70%のスピードに加速させ、がん細胞に集中して照射することでがんを治療するものです。治療に伴う痛みがほとんどなく、身体の機能と形態を損なわないため、治療と社会生活の両立が可能であり、クオリティオブライフを維持しつつ、がんを治療できる最先端の治療法の一つとして注目されています。
スポットスキャニング照射技術とは、がんに照射する陽子線のビームを従来の二重散乱体方式*3のように拡散させるのではなく、細い状態のまま用い、照射と一時停止を高速で繰り返しながら順次位置を変えて陽子線を照射する技術です。複雑な形状をしたがんでも、その形状に合わせて、高い精度で陽子線を照射することができ、正常部位への影響を最小限に抑えることが可能です。さらに、患者ごとに準備が必要であった装置(コリメーター*4、ボーラス*5)が不要、また、陽子ビームの利用効率が高く不要な放射線の発生が少ないなど、患者に優しく、病院スタッフの負担を軽減でき、さらに、廃棄物の発生量の低減が可能であるという特長を備えています。
株式会社日立製作所 ヘルスケア社粒子線治療事業部 粒子線治療ソリューション部
[担当 : 伊丹、藤崎]
〒101-8010 東京都千代田区外神田四丁目14番1号
電話 : 03-4564-3565 (直通)
以上