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2016年2月29日
慶應義塾大学
株式会社日立製作所
慶應義塾大学(塾長:清家 篤)と株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、サイバーセキュリティやIoT(Internet of Things)などの技術を基盤とした「超スマート社会」*の実現に貢献するため、共同研究を開始します。今後、慶應義塾大学と日立は、高度化・大規模化するサイバー攻撃に対するセキュリティ運用管理や個人情報の安全性に関連する技術の開発などに共同で取り組んでいきます。
慶應義塾大学は、従来からさまざまな研究教育活動を学部、大学院、学内の多くの研究所の重要課題として捉え、取り組んできました。こうした中で、わが国のみならずグローバル情報社会の最重要課題であるサイバーセキュリティ分野の社会課題に学問分野を越えて取り組むために、先導研究センター内にサイバーセキュリティ研究センターを設置しました。
慶應義塾大学は、インターネットやIoT技術の進展に25年以上にわたり大きく貢献してきました。サイバーセキュリティ、IoT、ビッグデータ、AIなどの技術を基盤としたこれからの超スマート社会では、あらゆる分野を巻き込んだイノベーションが誕生します。このような社会の実現に向けては、高度な分析や評価を通じ、最先端のセキュリティ技術を確立する必要があります。
また、学部間の連携を可能とする研究拠点形成を目的とした先導研究センターとして、このテーマに取り組む体制を整備したことにより、理工学部、総合政策学部、環境情報学部、政策・メディア研究科、メディアデザイン研究科を中核として学内で進行中の研究教育活動を連携、発展させています。同時に、健康、医療、都市、交通、建築、環境、農業などあらゆる分野に拡がるサイバーセキュリティの課題の解決、セキュリティ教育、政策の提言など、新しい成果をめざす拠点としての展開を期待しています。
一方、日立は長年培ってきたインフラ技術と高度なITを組み合わせた社会イノベーション事業を通じて、世界各地のお客さまや地域が抱える課題を解決するソリューションを提供しています。
日立は、セキュリティ分野において迅速にマルウェアを検知、解析してシステムやネットワーク環境を保護する技術や、生体情報を暗号化し利用する新しい認証技術などの研究開発を行ない、国際標準化などを通じて実用化を進めてきました。これらの技術は、電子政府をはじめとする数多くの社会の基幹システムに適用されています。また、日立のサイバーセキュリティ対策活動を支援する組織HIRT(Hitachi Incident Response Team)を立ち上げ、セキュリティインシデントの発生予防と事後対処の迅速な対応により、お客様や社内のシステムの安定稼働につとめるとともに、この分野の国際的な組織にわが国から初めて加盟するなど、国内のセキュリティ向上にも貢献してきました。
これまで以上に多種多様なシステムが相互につながる「超スマート社会」の実現に向けては、セキュリティに対するニーズが高度化、複雑化します。これに応えるためには、工学的な観点だけではなく、人文科学的、さらには法制度の観点など多面的な研究が必要となることから、このたび、慶應義塾大学と日立は共同研究を行うこととしました。今後、それぞれの持つ実績や強みを生かすことで、サイバー攻撃が社会に重大な影響を及ぼす脅威となり、セキュリティが社会を支える必要不可欠な要素となった現代において求められる、世界最高水準のセキュリティ技術の実現をめざします。また、本共同研究を通じて、これら技術を運用するためのセキュリティ教育や、技術利用に関わる法整備を含む制度の提言などに寄与できると考えており、同分野におけるさまざまなテーマで連携を強化していきます。
広報室 [担当:中島、山崎]
〒108-8345 東京都港区三田2-15-45
電話 : 03-5427-1541
研究開発グループ 技術統括センタ 情報企画部 [担当:湯本]
〒244-0817 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地
電話 : 050-3135-3409(直通)
以上