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社会

社会貢献活動

社会貢献活動の考え方

考え方・方針

日立は、日立グループ・アイデンティティのもと、社会貢献活動を、社会価値と環境価値の創出に貢献し社会と事業の持続的な発展に寄与する重要な活動と位置づけており、事業拠点のある地域を中心に積極的に推進しています。社会課題を解決するためのイノベーションを創出し、社会的インパクトおよびSocial Goodをもたらすのは人そのものに他ならない、という考えから「人を育み、未来へ繋ぐ」を社会貢献ステートメントに掲げ、「STEAM(Science, Technology, Engineering, Arts and Mathematics)」「環境」「地域貢献」の3分野でさまざまな活動を行っています。これらの分野における活動は、2024中期経営計画で掲げている、デジタル、グリーン、イノベーションの成長ドライバーの一翼を担っています。また、2022年度に策定したマテリアリティでは、次世代人財育成に関するKPIを定めて活動を推進しています。

社会貢献活動方針

社会貢献関連費用および参加人数

活動・実績

日立グループおよび公益財団法人日立財団は、若い世代を育成する取り組みや、義援金寄付を含む被災地支援などを行っており、2023年度は社会貢献関連費用として24億4,146万円を支出しました。また、日立グループの28,398人(総従業員の10.6%に相当)の従業員が社会貢献活動に参加しました。

2023年度 社会貢献関連費用内訳

グラフ:2023年度 社会貢献関連費用内訳

*1 日本:日立製作所およびグループ会社85社、計86社、日立財団
海外:166社
支出額には、金銭・現物寄付、自主プログラム、従業員の参加・派遣および従業員募金を含む。
ただし、従業員の参加・派遣にかかわる人件費は集計対象外

従業員の社会貢献活動の支援

活動・実績

日立は、従業員一人一人が社会課題を自分ごととして捉えて社会貢献活動に積極的に取り組むことが組織全体の成長につながると考えており、従業員が社会貢献活動に参画しやすい仕組みづくりを推進しています。

従業員と会社が一体となって経済的支援(寄付/融資)を行う社会貢献スキーム

日立は、従業員による経済的支援(寄付/融資)と同額を会社が支援する社会貢献スキームを導入しています。これにより、従業員の積極的な社会貢献活動によるエンゲージメントの向上のみならず、従業員による経済的支援をよりインパクトあるものにしています。

マッチングファンド

日立は、災害・事故・疫病などのさまざまな社会問題が発生した際に、従業員による非営利団体への寄付を実現するマッチングファンドを活用しています。このマッチングファンドは、カナダのBenevity社により提供されるサービスを利用するもので、直面する社会課題に応じた寄付先をタイムリーに選定することができます。これまで従業員と会社により累計で9,100万円の寄付を実施しており、2023年度は約140万円の寄付を実施しました。

マイクロファイナンス

日立は、途上国の人々の自立に向けた支援として、社会課題の解決に寄与する7分野(農業、教育、建設、ヘルスケア、住宅、製造、交通)の事業主に対し、マイクロファイナンスを活用した従業員による融資を実施しています。このマイクロファイナンスは、米国のNPO団体Kiva Microfundsにより提供されるクラウドファンディングプラットフォームを利用するもので、インターネットを介し、世界各国のマイクロファイナンス機関と提携し、融資する側と融資される側を個々に結び付けることができます。これまで累計63カ国8.8万人の融資先に対して、従業員と会社による総額3.9百万米ドルの融資を実施しており、2023年度は75万米ドルの融資を実施しました。日立は、マイクロファイナンスを途上国の貧困連鎖を断ち切る方法と捉え、今後も継続的に取り組んでいきます。

ライフサポート休暇制度の導入

日立製作所は、ライフステージごとの休暇取得へのニーズを踏まえ、仕事と家庭・キャリア開発・社会貢献の両立と、自律的な働き方を促進するための多目的有給休暇制度、ライフサポート休暇を導入しています。本制度は年5日まで取得が可能で、業務外のボランティア活動のほか、骨髄・臓器採取などのドナーとしての対応も事由の対象となっています。2023年度は3,083人が本制度で休暇を取得し、うち68人(190回)がボランティア目的で活用しています。

Giving week キャンペーン

日立デジタル、日立デジタルサービスと日立ヴァンタラは、従業員のボランティア活動を支援する「Giving week」を毎年グローバルで実施しています。取り組み内容は各国の社会課題を考慮し、マングローブの植樹、海岸・川岸の清掃、女性のリーダーシップスキル向上のためのトレーニング、食料・衣料・衛生用品などの必需品へのアクセスが十分でないコミュニティへの支援など多岐にわたります。2023年度は、657人が世界各地でこれらの活動に参加しました。

社会貢献活動事例

活動・実績

日立は、社会課題の解決に向けて、グローバルから地域社会まで幅広く社会貢献活動を行っています。具体的な社会貢献活動は、SNSにて#HitachiSocialGoodのハッシュタグを付けて公開しています。

次世代人財の育成とエンパワーメント

マテリアリティ

日立ヤングリーダーズ・イニシアティブを通じたアジアの次世代リーダー育成

日立製作所と日立アジアは、アジアの次世代を担う若手リーダー育成を目的に「日立ヤングリーダーズ・イニシアティブ」を1996年より開催しています。ASEAN7カ国と日本の大学生・大学院生を対象に、フォーラム・ワークショップ・フィールドワークからなる4日間のプログラムを実施し、学生たちはASEANが直面する社会課題について議論や意見交換を行い、社会課題解決のための提言を発表します。2024年7月末時点で累計437人に上る卒業生たちが、国際機関や行政、企業、NPOなどさまざまな分野で活躍しています。

日立ヤングリーダーズ・イニシアティブ(英語のみ)

理工系人財育成支援

日立は、次世代理科系人財の育成をめざし、若い世代が科学技術に触れられる機会を提供しています。
日立ハイテクでは、自社製品である卓上型電子顕微鏡を用いて、1990年代から理科教育支援活動を継続しています。現在までに31の国・地域にて、出前授業や卓上型電子顕微鏡の貸し出しを実施しており、2023年度には、約6万人に学びの機会を提供しています。今後もより多くの国や地域に対し、科学技術に関する興味関心の喚起と研究活動支援に寄与することで、科学・医療技術等の発展につながる人財育成への貢献をめざします。

日立ハイテクの理科教育支援活動

GlobalLogicインドにおける社会貢献活動

GlobalLogicは、社会的責任を果たすことを重視しており、その想いはモットーである「Grow to Give」にも表れています。企業の成長とともに、従業員がコミュニティを支援し、社会に貢献していくことが重要だと考え、活動を推進しています。主要な施策の一つに「Educate to Empower」プログラムがあります。本プログラムでは、質の高い教育をインド全土の約6,000人の子どもたちへ提供しています。特に女子への支援に力を入れており、すべての子どもたちが公平な学習機会を得られるよう、生徒の半数以上を女子とすることを原則としています。もう一つ注力している施策が「STEMイノベーション・ラボ」です。公立小学校に「STEM&ロボティクス・ラボ」を設置することで、理工系分野の学習を支援する環境の構築をめざしています。また、女子生徒に対しても、ロボット工学など、21世紀型スキルを楽しく学習できる機会を提供しています。これらの施策を通じて、GlobalLogicは、誰もが公平に学べる機会を提供し、未来を担う優秀なイノベーターの育成を支援していきます。

国内外の災害・紛争被災地への人道支援

能登半島地震に対する支援

日立は、2024年1月に日本の北陸地方を襲った能登半島地震に際し、被災された方々の救援および生活再建に役立てていただくため、日本赤十字社などに対して合計6,280万円を寄付しました。さらに、避難所や医療機関へ食品・飲料や自社製品などの物資を提供したほか、グループ会社による従業員募金の実施、柏レイソルの試合・イベント会場における募金活動などの取り組みも実施しました。

「令和6年能登半島地震」による被害に対する支援について

米国ハワイ州マウイ島の火災に対する支援

日立は、2023年8月に米国ハワイ州マウイ島で発生した山火事によって避難を余儀なくされた方々の救援や被災地の復興支援を目的として、日本赤十字社および米国の非営利組織である「Aloha United Way」が立ち上げたマウイ島救援基金「Maui Fire Relief Fund」に対して、合計10万米ドル(約1,450万円)を寄付しました。

米国ハワイ州マウイ島の火災による被害に対する支援について

ウクライナに対する人道支援に向けた寄付

日立製作所は、ウクライナで被害にあわれた方々や周辺地域に避難された方々への継続的な人道支援を行っています。2023年度は、国際移住機関および非営利団体Dobrodaryを通じて合計1,730万円相当の衣料品や防寒用品を届けました。さらに、日立は、マッチングファンドを通じて、赤十字、ユニセフ、ワールド・セントラル・キッチンへの寄付も行っています(2023年度実績:約76万円)。

公益財団法人 日立財団を通じた社会貢献活動

日立財団は、創業者小平浪平の「企業活動を通じて社会に奉仕する」という思いを継承しつつ、現在の社会課題を踏まえ、「学術・科学技術の振興」「人づくり」「多文化共生社会の構築」の3分野を中核領域に据えた公益に資する活動を展開しています。
2023年度は、「学術・科学技術の振興」の分野において、「日立感染症関連研究支援基金」の助成対象研究プロジェクト5件の第2回中間報告会を開催しました。また、第55回「倉田奨励金」、第4回「日立財団アジアイノベーションアワード」の募集、選考、採択を実施し、受領者および受賞者の研究を公開しました。「人づくり」の分野では、小学校における「日立みらいイノベータープログラム」を実施しました。このほか、「多文化共生社会の構築」の分野では、学術分野の有識者が意見交換・発展的な交流を行う場の一つとして、新たな電子ジャーナル「日立財団グローバル ソサエティ レビュー」を創刊しました。

日立財団の活動事例

分野 項目 概要
学術・科学技術の振興 倉田奨励金 社会課題解決に資する自然科学・工学研究および高度科学技術社会に通底する人文・社会科学研究を助成する事業
[2023年度末までの累計助成件数:1,613件]
日立財団科学技術セミナー 市民の皆さまに科学の面白さを伝えることを目的に、最先端の科学技術トピックスに触れる機会を提供する啓発事業
[2023年度は「睡眠の謎に挑む~基礎研究から睡眠ウェルネスへ~」を開催]
第19回 日立財団科学技術セミナー
日立財団アジアイノベーションアワード ASEAN地域の社会課題解決に資する科学技術イノベーションの研究および研究開発の成果に対する表彰事業
[2023年度末までの累計表彰件数:55件]
日立感染症関連研究支援基金 COVID-19で顕在化した課題をデータやエビデンスに基づいて学術的に調査、分析、考察し、その知見や研究成果を広く国際的に共有することを目的とした研究助成事業[採択件数:5件]
第2回中間報告会開催報告
人づくり 日立みらいイノベータープログラム 理想の学校づくりをめざし、児童たちが自ら校内の問題を発見し、課題を解決する力を育てる探究的な学習プログラムで、日立グループ社員が講師として児童たちのアイデアに対し、アドバイスしながら学びをサポートしていく学習支援事業
[2023年度末までの累計実施校数・受講児童数:23校・1,674人]
理工系女子応援プロジェクト 日本の女子中高生の理工系分野への興味・関心を喚起する理工系女子育成支援事業
[2023年度は、理工系女性ロールモデルとの対談とワークショップを実施]
パイオニアトーク
多文化共生社会の構築 多文化共生社会の構築 多様な立場や価値観を認め合える「多文化共生社会」の実現を目的に、市民の皆さまの意識改革を促す啓発事業
[2023年度は、多文化共生社会の構築に関連する学術分野の有識者が相互に専門性を活かして意見交換・発展的な交流を行うことで有機的な結合を促し、多文化共生社会研究を深めるためのプラットフォームの一つとして、効果的に活用できる電子ジャーナル「日立財団グローバル ソサエティ レビュー」を創刊、新たな研究やネットワークづくりの場となることをめざす。]
日立財団グローバル ソサエティ レビュー

日立財団