ガバナンス
考え方・方針
活動・実績
社会インフラに深くかかわる日立は、リスクの発生によって事業が中断し、社会に甚大な影響を及ぼすことのないよう、BCPの充実に取り組んでいます。「日立グループBCP策定のためのガイドライン」を「導入編」と「部門別のBCP策定編」に分けて作成し、日本語、英語、中国語でグループ各社に提供しており、グループ全体で大規模災害などのリスクに備えています。
感染症についても3カ国語で「新型インフルエンザ対策ガイドライン」をグループ会社に提供し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に活用しました。
また、主要海外拠点にもリスク対策担当責任者を配置し、日立グループの各社がBCPの策定に取り組み、大規模災害や感染症、政変・騒乱・テロといった事業リスクへの対応力を強化しています。
日立製作所および国内グループ各社では、大規模地震、風水害および新型インフルエンザなどに備え、事業ごとにBCPを策定しています。各事業部門が定期的にBCPを見直し、随時改定しています。2023年度は、特に超大型地震へのBCP強化を進めました。
海外グループ会社においては、各所在地のリスクを鑑みてBCPを策定しています。
活動・実績
日立製作所は、大規模地震を想定した地震対策シミュレーションの訓練を毎年実施し、自然災害への対策を強化しています。
地震対策シミュレーションの訓練実績
2020年度 |
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2021年度 |
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2022年度 |
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2023年度 |
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活動・実績
日立は、インシデント*1の発生によって事業が中断し、社会に甚大な影響を及ぼすことのないよう、グループ全体で調達BCPの充実に取り組んでいます。
各ビジネスユニット(BU)および主要グループ会社の調達部門では、災害発生時のインパクトを最小限にとどめるため、(1)徹底した標準化と汎用部品の使用による調達保全リスクの極小化、(2)マルチサプライヤー化の推進、(3)製造拠点の複数分散化、(4)戦略在庫の予算化、(5)代替品の検討などを策定・推進しています。2023年度も、各地の風水害や能登半島地震など自然災害が頻発していることから、サプライチェーンの強靭化がより一層重要となっており、上記の施策を今後も継続していきます。
*1 インシデント:大地震等の自然災害など、事業を中断させる事象
日立は、災害発生時の情報共有を日立グループ間で効率的に行う目的で、日本の調達パートナーを対象に調達BCP管理システムを導入しています。
2023年度は、中国にてインシデント検知および調達パートナーの影響調査をサポートするシステムを導入し、特にサプライチェーンにおける影響が大きい中国のBCP強化を実施しました。今後も、各地域で最適なBCP管理基盤の導入拡大を推進していきます。
活動・実績
日立は、紛争やテロなどのリスクが高い地域に従業員を派遣する場合は、派遣する従業員の安全確保に万全を期することを徹底し、必要に応じて事前に社内外の専門家による現地調査を実施しています。また、グローバルに活動を展開する従業員の安全確保のため、日立製作所が契約している通信社の情報を社内イントラネットに掲載するなど、迅速な情報提供に努めているほか、外部専門業者に委託し、日立グループ従業員に対する海外医療アシスタンスサービスを提供しています。
さらに、日立製作所は、外務省主催の海外安全官民協力会議に参加し、官民の連携を深め、日本企業の海外安全対策に寄与しています。
GlobalLogicは、すべての事業拠点において事業継続計画(BCP)を実行しています。ウクライナでは、従業員の安全を最優先し、BCPに基づき、事業を継続しています。
安全性および生産性の観点から、複数の地域での人員配置は重要です。ウクライナの従業員のうち、14%はウクライナ国外で生活・勤務しており、78%は比較的安全なウクライナ中西部にいます。さらにGlobalLogicでは、ウクライナ内外の安全な場所へ、従業員が一時的・恒久的に移転することを奨励するプログラムを実施しています。
2022年度には、安全性および事業継続性の改善に向けて、ウクライナ全土に11のサテライトオフィスを開設し、すべてのオフィスに、複数の衛星インターネット接続やモバイルパワーバンクなど、冗長電源と通信インフラを完備し、十分な緊急備蓄品を備えました。
上記に加え、2023年度から長期的なウクライナ・リスク軽減計画を発動しています。
Note:日立では、調達先(いわゆるサプライヤー、ベンダー、プロバイダー等)を「対等な立場で一緒にビジネスをつくり上げるパートナー」に位置づけており、「調達パートナー」と表現しています。