日立は、障害物を避け自律走行しながら物品を運搬する物流支援ロボットを開発しました。
このロボットは、物流現場や生産現場のレイアウト変更や、物量などの変化にも柔軟に対応できる次世代物流支援ロボットとして期待されます。
人間共生型ロボット「EMIEW」、「EMIEW2」で開発した「自律走行機能」と「障害物回避機能*1」を搭載しました。 現在使われている自律搬送車の多くは搬送経路を誘導するためのガイドラインが必要でした。 これに対し、このロボットでは、レーザー距離センサを用いた高精度な位置検出技術により、走行ガイド無しでの自律走行が可能になりました。 これにより、搬送経路やレイアウトの変更にも柔軟に対応します。また、搬送経路に荷物が置かれたり、歩行者が横切ったりする場合でも停止することなくスムーズに回避できるため、搬送作業の効率化が図れます。
*1障害物回避機能には、筑波大学-株式会社日立製作所連携事業実施協定の一環として推進している、坪内教授、油田教授らの研究グループとの共同研究の成果を活用しています。
4個の車輪の向きをそれぞれ独立して制御する「四輪独立操舵機構」を採用しました。 その場回転、真横移動など、さまざまな走行形態が可能なため、本ロボットの特徴である障害物の回避や、複数ロボットの連携作業をスムーズに行うことが可能になりました。 また、狭い通路への侵入や、切り返し動作なしでの方向転換も可能です。
複数のロボットが互いに通信し、連携する機能を搭載しました。 これにより、複数ロボットを1台の機器のように連動させ物品を搬送することができるため、現場で必要とされる運搬量の変動に柔軟に対応できます。 また1台1台を独立に制御し、例えば作業スペースに順にアクセスさせるような連携作業も可能で、作業の目的に合わせた柔軟で効率のよい運用が可能になります。
項目 | 内容 |
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開発名称 | 物流支援ロボット |
寸法 | 幅60 cm、奥行き60 cm、高さ85 cm (荷台までの高さ60 cm) |
重量 | 60 kg(電池込み) |
搬送重量 | 20 kg |
移動速度 | 3.6 km/h(1 m/s) |
移動機構 | 全方位移動機構 |
電源 | リチウムイオン電池 |