鉄道会社では、電車の運行ダイヤが乱れた際に駅が混雑し、利用者がスムーズに駅を利用できないといった課題がありました。そこで、NEXPERIENCEを活用したエスノグラフィ調査を行うなかで、ダイヤが乱れた際に利用者にとって最も重要なのは「混雑状況の把握」であるということに気づきました。
それをテクノロジーとデザインの両面から解決案として創生したのが「駅視-vision」 (エキシビジョン)です。
カメラ画像からの人流分析により、混雑状況をスマートフォンで簡単に把握できるようにするとともに、利用者のプライバシーを守るユーザインタフェースをデザインしました。
東急電鉄株式会社からは、「技術に加えて、現場の課題を深く理解し、一緒に伴走できたのが良かった」というコメントをいただきました。
空港における重要な経営課題のひとつに、「ターミナル閉鎖につながるインシデント」をいかに未然に防止するか、ということがあります。そこで、NEXPERIENCEを活用した顧客とのワークショップを通じて顧客の業務フローを整理・可視化し、インシデントの中でも特に対応に時間が掛かっている業務の特定を試みました。その結果、放置荷物の所有者が見つからないというインシデントが発生すると、空港利用者を避難させて安全を確認する等、セキュリティオペレーションや乗客への影響が大きいことが分かりました。
この課題を解決するソリューションとして、日立が既に開発済みの人物追跡ソリューションのプロトタイプを空港セキュリティ担当者に紹介したところ、「技術としてはすごいが、これを実業務でどう使えばよいのかが分からない」というコメントを頂きました。そこで、セキュリティオペレータにこのプロトタイプを実際の現場で使用してもらい、顧客業務を深く理解・共感しながらエスノグラフィ調査を行うことで、オペレータがどのような情報を活用して業務判断を下しているのかといったオペレーションナレッジを抽出しました。
こうして抽出したオペレーションナレッジをプロトタイプに取り込んで改良することで、短期間で放置荷物の所有者特定ソリューションを開発しました。さらに、開発したソリューションを用いて実際の現場でPoC (Proof of Concept) を実施し、実業務に耐え得ることを検証することができました。
※本ソリューションは、高速人物発見・追跡ソリューションとして製品化済み
※画像はウィーン国際空港とは異なる場所で実験した際のものです。