人の集まる公共空間における感染を抑止しつつ、自粛疲れの軽減を促す
2020年9月23日
株式会社日立製作所
日立は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止ソリューションとして、施設利用者が自分の歩行に合わせて足元に投影される映像を楽しむことで、フィジカル・ディスタンシング*1(身体的距離の確保)に繋がる行動を自然に誘発する新たな体感型映像システムを開発しました。本システムはリアルタイムに人の位置を計測できるLiDAR*2やToFカメラ*3などの高精度なセンサーを用いて、個人を特定することなく人同士の距離を検知しており、適切な距離を保たないと映像が見えなくなるなど、フィジカル・ディスタンシングと連動するように動作します。これにより、駅や空港、大型商業施設、アミューズメントパークなどの人の集まる公共空間におけるウィルスの感染拡大を抑止することでサービス業の事業継続性を改善しつつ、足元に投影される映像から自ずと楽しさや気づきを得ることで施設に訪れる人々の自粛疲れを軽減する効果も期待できます。今後、日立はウィズコロナ、アフターコロナの時代を見据え、人流計測・解析結果の人へのフィードバック手法の最適化に取り組み、行動誘発ソリューション事業を拡大していきます。
本デモンストレーションでは、歩行者の足元に魚の映像を投影します。その魚の映像はその人の移動に合わせて追随して動き、歩行者の楽しさを誘います。しかし、他の人との距離が近くなるなど感染リスクが高まると、魚の表示がなくなるなど、感染リスクの低い状況に比べて面白みのない状態となります。このようにして、歩行者が楽しめるようにすることと、他の人との距離を安全に保つ行動とが、自然とつながります。なお、このデモンストレーションでは水族館を想定していますが、投影する映像を用途に応じて差し替えたり種類を増やすことができます。
「Physical Distancing水族館」のような、高精度でプライバシー問題のないLiDARやToFカメラなどのセンサーによる人流計測を用いた、プロジェクションマッピング等の歩行者向けのフィードバック動作を容易に実装できるように、IoT分野の標準仕様を活用した拡張性の高いシステムを開発しました。これにより、施設のデザインコンセプトやイベント企画等に応じて高い頻度でコンテンツが更新が可能となり、利用者が飽きない工夫をすることで慣れによる感染対策の弛みを防ぐ運用が可能となります。