Ising Model
磁石などの磁性体の性質を表す統計力学上のモデル(模型)のこと。イジングモデルは、上向きまたは下向きの二つの状態をとるスピン(格子点)から構成される。隣接するスピンは、相互作用および外部から与えられた磁場の力によってその状態が更新される。最終的に、イジングモデルのエネルギーが最小の状態でスピンは収束(安定)する。
近年、こうしたイジングモデルの特性を利用した新しいコンピューティング技術に注目が集まっている。例えば2011年、D-Wave Systems Inc.は組合せ最適化問題をイジングモデルへと変換し、量子アニーリングを用いて問題を解く量子コンピュータを発表している。日立では2015年、CMOSアニーリングという技術によって半導体上でイジングモデルの振る舞いを擬似的に再現し、組合せ最適化問題を効率良く解くことに成功している。