2015年8月3日
法政大学多摩キャンパスの食堂で活用される指静脈認証システム
株式会社日立製作所(以下、日立)は、法政大学スポーツ健康学部へ指静脈認証システム(以下、本システム)を導入し、4月から稼働を開始しました。本システムは、法政大学スポーツ健康学部に所属する学生約650名が、学部棟内の食堂で食堂職員から食事を受け取る際に必要となる本人確認手段として利用されます。具体的には、学生は食事が提供される各レーンに設置された指静脈認証装置に指をかざすだけで本人確認ができ、食事を受け取ることが可能となります。本システムにより法政大学スポーツ健康学部は、学生一人ひとりの確実な本人確認と、学生の利便性向上を実現しました。
法政大学スポーツ健康学部では学費と大学からの補助金によって学生への食事を1日1回提供しています。これまで学生は食堂専用ICカードを食券発行機にかざして食券を入手し、各レーンで食券と引き換えに食事を受け取っていました。一方、学生が食堂専用ICカードを忘れた場合は、学生は申請書を食堂へ提出し、食事代を自己負担することが必要でした。このため法政大学スポーツ健康学部は、学生の本人確認が確実に行えることにより、学生に負担を掛けずに食事を提供できるシステムを検討していました。
なお、本システムの稼働前に実施した学生の指静脈データの登録作業の際は、指静脈認証装置に指をかざすなどの簡単な操作でデータが登録可能なため、一人あたり約1分という短時間で完了することができました。さらに、個人情報保護の観点から指静脈データは暗号化され、インターネットから隔離した環境下で管理・運用されています。 また、本システムはさまざまな用途に活用できるため、今後は法政大学スポーツ健康学部における各教室やフィットネスジムの入退室管理、ロッカーの施錠、授業の出欠管理などへの応用が検討されています。
指静脈認証技術は、日立が開発した生体認証技術で、指の静脈パターンで個人を認証するものです。近赤外線を指に透過させて得られる指の静脈パターンの画像から静脈の存在する部分を構造パターンとして検出し、あらかじめ登録した静脈の構造パターンと照合させて個人認証を行う技術です。指静脈は体内にある情報であるため、偽造や成りすましが極めて困難であり高いセキュリティレベルを実現します。日立では、2002年に指静脈認証装置を製品化して以来、ATMの本人認証やPCログイン、入退室管理など、さまざまな分野での適用を広げてきました。
株式会社日立製作所 情報・通信システム社 公共システム営業統括本部
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