利用頻度の高いデータを自動的に高性能ストレージに配置
Hitachi Dynamic Tieringと新機能のactive flashは、それぞれどのような特長があるのでしょうか?
- 長江
- Hitachi Dynamic Tiering からご説明しましょう。この技術が生まれた背景には、超高速なフラッシュドライブや、中速のSASディスク、大容量低ビットコストのNL-SASディスクなど、多様なストレージが使われるようになったことがあります。
- 国府津
- 利用頻度の高いデータを高性能なドライブに配置できればいいのですが、データの配置設計が難しいんですよね…
- 長江
- Hitachi Dynamic Tieringは、データのアクセス頻度をモニタリングすることで、アクセス頻度に応じて自動的に最適なドライブへデータを配置します。
- 国府津
- この機能があれば、オールフラッシュアレイを導入しなくても、既存のHDDを活用しながらI/Oの増加に対応できそうですね。
- 長江
- そうですね。ただし、Hitachi Dynamic Tieringは、データのアクセス頻度を最少30分〜数時間モニタリングした上で、データの再配置を実施します。つまり、モニタリング中に突発的なI/Oの増加が発生した場合には、データの再配置が間に合わないことがあります。
- 国府津
- 今回、弊社で発生した問題は突発的なI/Oの増加によるサービス性能の低下だったので、何とか対応できないものでしょうか?
- 長江
- 例えば、ストレージ階層をTier1(フラッシュドライブ)、Tier2(SASディスク)、Tier3(NL-SASディスク)に分けて管理しているとします。9:30〜10:00の間に、Tier2のデータに突発的なI/Oの増加が発生した場合を考えてみましょう。
■Hitachi Dynamic Tieringの場合
I/Oの増加が発生している9:30〜10:00の間はモニタリング中で、データの移動は実施しない。Tier2のままデータを処理することになり、応答時間を短縮できない。
■active flashの場合
リアルタイムにI/Oを監視しているため、I/Oがしきい値を超えると即座にデータをTier1に移動。応答時間が速くなり、サービス性能を維持できる。
- 長江
- Hitachi Dynamic Tiering単体ではサービス性能を維持できない場合がありますが、active flashを利用すると常にサービス性能を維持できるようになります。
- 国府津
- Tier1で利用するフラッシュドライブは、どの程度台数を導入する必要があるのでしょうか。
- 長江
- 扱うデータの種別にもよりますが、1台のストレージシステムの中で、フラッシュドライブの容量が一般的に20%〜25%であれば、オールフラッシュアレイ並みの高速な処理が可能です。