新基盤の大きな特長となるのが、レベル別のサーバ/ストレージ基盤の提供です。「ANAのITガイドラインではシステム重要度が高い順に"AAA/AA/A"という3段階のサービスレベルを規定しています。新基盤もこれに合わせ、仮想サーバと仮想ストレージをそれぞれ"High/Mid/Low"に分け、SLA(サービス品質保証)に合わせた環境を容易に選べるように工夫しました。既存システムではどうしてもスペックが高止まり傾向にありましたが、新環境へ移行する際にユーザー側と改めて検討を重ねることで、適切なスペックとコストで運用できるようにしています」と語るのは、運用基盤設計を担当したANAシステムズ ITサービスセンター ITソリューション部 移行推進チーム リーダーの宗像 浩一氏です。
また日立は、IT基盤設計・実装の納期短縮を図るため、ANAの設計標準に基づいた「標準テンプレート」を提供するとともに、JP1によるプロビジョニングの自動化も実現しました。これに対し、基盤構築を担当したANAシステムズ ITサービスセンター ITソリューション部移行推進チームチーフエキスパートの角田 昌紀氏は、「標準テンプレートによって、ある程度パターン化した基盤の選択肢を与えることで、ユーザー要件を満足させつつ、統一感とコストメリットをあわせ持つ基盤提供が可能となりました。リードタイムも短くなり、非常に満足しています」と評価します。