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コンセプト

「Delphix」は米国Delphix Incが提供する、データの仮想化、およびデータマスキングを実現するテストデータ管理プラットフォームです。
近年、目まぐるしく変わるエンドユーザーのニーズに応えるため、企業にはアプリケーションの開発期間短縮が求められています。業務アプリケーションの開発期間短縮の手段としてDevOps*1などの手法が広がっていますが、「Delphix」を活用することでデータのプライバシーとセキュリティを確保しながらテストデータを管理し、さらなる開発期間の短縮が可能です。

*1
開発(Development)と運用(Operations)を合わせた造語であり、開発と運用を一体化して推進するソフトウェア開発手法。開発と運用を一体化することにより、市場ニーズにあわせたアプリケーションの開発、検証、運用を非常に速いサイクルで実現することが可能となります。

概要

「Delphix」はテストデータ管理のためにデザインされたプラットフォームです。
本番データをマスキングして作成した本番マスクデータ*2を、テストデータとして開発環境に展開する一連の流れを自動化して提供します。
社会環境や顧客ニーズの予測不可能な変化に対応し、ビジネスチャンスに結びつけるために、企業にはアプリケーションの開発サイクルの短縮が求められています。品質の高いアプリケーションを短期間でリリースするためには、本番データと同等のテストデータを活用することが不可欠ですが、本番データをアプリケーションの開発に活用するためには、機密性に配慮したデータの加工(マスキング)が必要です。一般にこのデータの加工(マスキング)には多くの時間と労力を要します。また、開発生産性を高めるためには、それぞれの開発者が自由に使える開発用データベース環境を用意することが理想ですが、コストの面から準備できないなどの課題がありました。
機密性に配慮したデータの加工を「Delphix」の高度なマスキング機能によって自動化し、同時に、ストレージ容量消費を極限まで抑えた「Delphix」のテスト用データベース仮想化技術を取り入れることで、少ないコストでテスト用データベースの多面化を実現することができます。

*2
業務データには個人情報や機密情報等の敏感な情報が含まれます。プライバシー保護やデータセキュリティの観点から、開発等での利用においては非表示/秘匿化する必要があります。該当情報をマスク処理したデータをマスクデータと呼びます。

「Delphix」の概要(拡大)

特長

データ取り込みとマスキングの自動化・データ複製時間の大幅短縮
「Delphix」は、マスキングを自動化し、仮想コピーによって本番データ複製の所要時間を数分以内に短縮するため、テストデータ作成の手間が省けます。開発者はそれぞれが好きなタイミングで、テスト用データベースへのデータの登録や更新ができるため、鮮度の高いテストデータを活用することが可能です。また、再テストの際のデータ初期化(巻き戻し)についても数分で行うことが可能です。
ストレージの容量の削減
「Delphix」のデータ複製は、仮想コピー(差分管理)が採用されています。
データ複製において、物理コピーと比較すると、必要なストレージ容量を大幅に削減できます。
データセキュリティの確保
「Delphix」で提供しているマスキングアルゴリズムは約60種類あり、レコード内容に応じてマスキングアルゴリズムを選択することが可能です。テーブル間のデータ整合性に加えて、アルゴリズムキーを共有することで、複数業務・製品間でも一貫性のあるデータマスキングを実現できます。
多様なインターフェースの提供
開発者主導でテストデータの運用を行うことが可能となるポータルData Control Tower(DCT)を提供しており、テストデータ管理運用からインフラ担当・Database Administrator(DBA)を解放することが可能です。また、Continuous Integration(CI)/Continuous Delivery(CD) や DevOps 関連のツールと連携するためのApplication Programming Interface(API)を備えているため、自動化も容易に実現できます。

「Delphix」の特長(拡大)

サービスイメージ

日立では、テストデータ管理プラットフォームのデータ仮想化環境の設計、構築からデータマスキングのコンサルティング、稼働後の保守まで一連の作業をサポートします。

「Delphix」のサービスイメージ(拡大)