「公害問題」って聞いたことがあると思うけど、具体的に何のことかみんな知っているかな?公害問題と環境問題はよく似ている言葉だけど、その内容はちょっと違うよ。
昔、日本ではよごれた水をそのまま川や海に流したり、健康に害のある物質を含んだけむりをそのままにしていたことがあるんだ。その結果、水や土、空気などをよごしてしまって、多くの人たちが、川や海からの悪臭に悩まされたり、よごれた水を飲んでしまったために、病気に苦しめられたりしてしまったんだ。それを「公害」というよ。
そのころの日本は、高度経済成長期とよばれる、工業が大きく発展した時期だったんだ。
みんな、ものをつくることに一生懸命で、河川や大気などの身の回りの環境や、人々の健康を守ることまで配慮できなかったんだ。
そのために、工業がさかんな地域を中心に、各地で公害が起きてしまったんだよ。
公害で苦しむ人を増やさないためには、過去に起きてしまったできごとを次の世代に伝えるとともに、環境や暮らしを守る努力をすることが大切だよ。最近の工場では、使った水をきれいにしてから川に流したり、けむりは空気をよごさないように有害物質を取り除いてから、工場の外に出すなど、周囲の環境をこわさないようにしているよ。みんなが公害を起こさないように努力や工夫をしたり、公害を防ぐためにいろいろな決まりごとを作ったことで、日本の公害は少なくなってきているんだ。
でも、世界をみわたすと、まだまだ公害が起きている国や地域があるんだ。日本は公害のこわさをみんなに伝えることや、経験を活かした技術を提供することなどで、日本だけでなく世界の環境にも貢献しなければいけないね。
日立は、工場のけむりから有害な成分を取り除く「脱硫装置」や、よごれた水をきれいにする「排水処理装置」などを作って、公害を起こさない工場づくりのお手伝いをしているんだ。みんなも身の回りの環境を大切にして、二度と公害を起こさないようにしよう。