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統合監視とは、企業や組織に点在する複数のシステムを、一元的に監視する仕組みです。
企業のシステムは、採用する製品やサービス、導入時期によって対応するベンダーが異なるマルチベンダー構成で、システムごとに異なる環境が混在しているのが現状です。さらに、「クラウド・ファースト」、「クラウド・バイ・デフォルト」の指針や、柔軟性と効率性、セキュリティなどの観点でのクラウド選択の増加などにより、複数のパブリッククラウドを利用するマルチクラウドおよび、クラウドとオンプレミスシステムとを併用するハイブリッド型など、その構成は年々、複雑さを増しています。
一方、システムやサービスがストップすることによる社会影響は大きく、ビジネスにも深刻な影響をおよぼすため、システムやサービスの安定稼働を維持し続けることは最重要事項であり、異変があればすぐに気づいて対策できる監視が欠かせません。
しかし、こうした複雑化するシステムを複数の組織でシステムごと、サービスごとに監視すると、相互の影響範囲が把握できず、原因の特定も困難です。また、連携の複雑さが仇となり、障害発生時の復旧までにかかる時間が大きく遅延してしまうことにもつながりかねません。
こうした事態を回避するため、ITインフラ全体を効率よく適切に監視することはもちろん、個別に実施されている監視業務を標準化して人員配置の最適化を行えるようにするための仕組みが、統合監視です。
組織やシステムごとに監視ツールを複数利用しておりシステム全体の把握が難しい、専門知識のある担当者だけしか対応できない業務が多く人手が不足、人的リソースを最適化したいといった課題を抱えている場合は、統合監視の実現を検討するタイミングです。
多くの企業で、ビジネスニーズへの迅速な対応や業務効率の向上を目的として、マルチクラウドの利用が進んでいます。マルチクラウドとは、 Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud などに代表される、複数のクラウドプロバイダーのサービスを適材適所で利用することです。
また、クラウドシフトやクラウドリフトが進む現在ですが、企業には自社でサーバーやソフトウェアなどを保有・設置・運用するオンプレミス型のシステムも、数多く存在しています。このため、目的に応じてパブリッククラウドとプライベートクラウドやオンプレミスを使い分けるハイブリッド型を利用するケースも多くみられます。
このようにインフラ部分だけでも複雑化する企業のシステムですが、さらにその上にミドルウェア、そして部署ごとに活用が増える業務アプリケーションと、監視対象は数多く存在。それぞれに独自の管理ツールやプロセスが存在し、複雑化しています。
こうした状況下でのシステム監視では、以下のような課題が浮き彫りになります。
このようにシステム監視のサイロ化・属人化や連携部分の監視の弱さ、人材不足は情報システム部などのIT部門内だけの問題に留まらず、ビジネス全体に大きな影響を与えるリスクとなります。そのため、これらのリスクを回避する策として、統合監視への注目が高まっているのです。
統合監視では、一般的に以下のような機能を有しています。
統合監視では、複数の異なる監視ツールの情報をまとめて見られるようにするというだけではなく、サービスやシステムの依存関係を可視化し、複数のシステム全体を対象としたオブザーバビリティ(可観測性)を高めることで、お客さまに提供するサービスやビジネスへの影響を見える化し、問題発生時に迅速な対応を実現できます。
従来のシステムごとの監視に比べて統合監視は、安定稼働の維持、障害への迅速対処に加え、サービスへの影響を可能な限り低減するといった、監視本来の目的を達成しやすくなります。
統合監視によるメリットは、以下の通りです。
統合監視ツールを選定する際、複数サービスの比較検討を行う上で検討すべきポイントは、以下の通りです。
最初のポイントは、監視ツールが対応する範囲と深さです。ほとんどの統合監視ツールは、主要な機器やサービス、基本的な監視項目については網羅されていますが、当然例外もあります。自社が利用する機器やソフトウェアが一般的なものでない場合や、監視したい対象や取得データに特殊性が高い場合は、念入りに確認しましょう。
統合監視ツールには、大きくエージェント型とエージェントレス型があります。エージェント型の場合、データ収集に必要なアプリケーションを監視対象ごとにインストールする必要があり、導入および運用のための工数やコストが高くなる可能性がありますが、取得できる情報が豊富で信頼性が高くなります。エージェントレス型は、個別にインストールする必要がなく、導入・運用のコストを抑えられますが、収集できる情報に制限がある場合があります。自社の状況に合ったものを選択しましょう。
統合監視ツールは従来のものから完全にリプレイスできることは稀で、既存の監視ツールと連携して利用されることがほとんどです。そのため、統合監視ツールと他のツールやサービスとの連携性の高さは、非常に重要なカギとなります。すでに自社が利用中の監視ツールとの連携性を確認することに加えて、将来を見越して連携の拡張性についても確認しておきましょう。
統合監視ツールは文字通り監視に特化したツールも存在し、オペレーションの自動化の機能には差があります。監視作業の負荷軽減のためには、自動化できる業務項目が豊富なツールを選定する方が賢明です。一方、単純に自動化できない監視作業も少なくないため自動化の幅と深さに加えて、例外への対応力もチェックしましょう。
最後は、ツール提供元ベンダーのサポートについて。導入前のアセスメント、導入時の連携・構築支援はもちろん、運用開始後の定着化支援、技術的サポートの提供内容によって、継続的に安定した統合監視を実現できるかどうかが決まります。支援、サポートの提供方法や体制は、メールや電話などによる問い合わせ対応、定例ミーティングの場を設けての支援など、ベンダーによって大きく異なります。無償と有償の範囲も含めて、自社のリソースやITリテラシーに合わせた最適な支援、サポートが提供してもらえるか、しっかり確認しておきましょう。
ここからは、日立のオープンミドルウェアで統合監視を実現するJP1、JP1 Cloud Serviceについて、主な特長と機能をご紹介します。
JP1:JP1/Integrated Management 3
JP1 Cloud Service:システム管理 JP1 Cloud Service/System Management
JP1は、サービスやシステムを監視・関連性を統合管理することでオブザーバビリティを実現し、システム・ビジネスの健全性の把握など、利用者に応じた情報の提供・活用を支援します。
JP1でクラウド環境、オンプレミス環境やコンテナ環境を統合的に管理する場合のシステム構成は、次のようになります。
※ 生成AIアシスタント(生成AI連携機能)は、JP1/Integrated Management 3では提供していません。システム管理 JP1 Cloud Service/System Managementをご利用ください。
1監視対象の範囲
2エージェントの有無
3他の監視ツールとの連携性の高さ
4運用自動化のレベル
5導入および定着化支援・サポートの充実
クラウド、オンプレミス、コンテナなどが混在し複雑化する環境で、統合監視を実現するJP1は、金融(銀行・保険・証券)、公共(官公庁・省庁)、通信、サービス、運輸・交通、エネルギー、製造、流通、医療など、数多くの業種のお客さまへの豊富な導入実績があります。
ぜひこの機会に、導入をご検討ください。
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