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ITシステムの運用管理における取り組みとして、オブザーバビリティという概念への注目が高まっています。
そこで本記事では、オブザーバビリティの概念とメリットを、モニタリングとの違いを交えて解説。その上で、統合システム運用管理 JP1とJP1 Cloud Serviceで実現する、オブザーバビリティについてご紹介します。
言葉の成り立ちで言えば「オブザーバビリティ:Observability」とは、「Observe:観察する」と「Ability:能力」を組み合わせた造語。日本語では、「可観測性」や「観察する能力」などと訳されます。
IT運用管理におけるオブザーバビリティとは、「取得したデータをもとに、システムの状態を推測・把握する能力、取り組み、それを実現する手法」という意味合いで用いられています。
近頃このオブザーバビリティという概念が注目されている理由は、クラウドやコンテナなどあらかじめ設定しづらい、複雑で動的にスケールするようなサービスを監視するには、モニタリングだけでは対応が難しくなってきたためです。
オブザーバビリティによるメリットはさまざまありますが、シンプルにまとめると下記の2点です。
そのため、オブザーバビリティはモニタリングの上位概念であるように誤解されがちですが、それは正しくありません。
モニタリングは、サーバーのCPUやメモリを基準としたメトリクスの異常・Webアクセスの失敗・ログに出力されるエラーなど、「既知の領域で何かが起きた時に異常を検知する」観点でこれからも必要です。
一方、オブザーバビリティは、サービス利用者のUX(ユーザ体験)を意識して未知の領域も含めたサービス全体を可視化することにより「早期に異変に気づき、UX(ユーザ体験)を損ねる事態が生じる前に対処する」という観点で必要になってきているのです。
モニタリングとオブザーバビリティによって、ログやメトリクスなど、あらゆるデータからアラートを収集できても、アラートの内容からデータの関連を読み解き、ビジネスへの影響を把握することは難しく、属人的なナレッジやドキュメントに頼るといった、人が介在する運用が残ってしまうのが実情です。そして、そのことにより、迅速な対応につながっていかないという課題が残されています。
そこでJP1では、クラウドネイティブに対応した監視に加え、システムの構成や関係性を統合管理し、収集したデータからシステムの健全性を把握することで、企業のビジネスやシステムにどのような影響を与えるのかまでを観測可能にすることが重要であると考え、Version 13とJP1 Cloud Serviceで機能を強化。企業や組織における運用面まで配慮した、実行可能なオブザーバビリティを提供します。
以下、その主なポイントをご紹介します。
いかがでしょうか。この記事では、ITシステム管理においてオブザーバビリティが注目されている理由とそのメリット、そして実行手段として、JP1の機能強化によって提供するオブザーバビリティについて解説しました。まとめると、以下のようになります。
システムの状態を把握する指標、取り組み、それを実現する手法
クラウドネイティブな環境に対応し、「早期に異変に気づき、UX(ユーザ体験)を損ねる事態が生じる前に対処する」という観点で必要になってきているため
得られた結果からビジネスやその他サービスへの影響と対処方法を判断することは難しく、人の介在が必要になるなど、運用に落とし込むのが容易ではない
クラウドネイティブからオンプレミスまで、システムの構成や関係性を統合管理し、収集したデータからシステムの健全性を把握・分析することで、企業のビジネスやシステムにどのような影響を与えるのかまでを観測可能にし、AIを活用した対処の迅速化*までトータルで実現
JP1のオブザーバビリティについてもっと詳しくお知りになりたい方は、ぜひお気軽に、下記お問い合わせフォームにてご相談ください。