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ITシステムの運用管理における取り組みとして、オブザーバビリティという概念への注目が高まっています。

そこで本記事では、オブザーバビリティの概念とメリットを、モニタリングとの違いを交えて解説。その上で、統合システム運用管理 JP1とJP1 Cloud Serviceで実現する、オブザーバビリティについてご紹介します。

オブザーバビリティとは? 情報システム部門からの注目が高まる理由

言葉の成り立ちで言えば「オブザーバビリティ:Observability」とは、「Observe:観察する」と「Ability:能力」を組み合わせた造語。日本語では、「可観測性」や「観察する能力」などと訳されます。

IT運用管理におけるオブザーバビリティとは、「取得したデータをもとに、システムの状態を推測・把握する能力、取り組み、それを実現する手法」という意味合いで用いられています。

SAP S/4HANAや他の業務システムのジョブも一元管理

近頃このオブザーバビリティという概念が注目されている理由は、クラウドやコンテナなどあらかじめ設定しづらい、複雑で動的にスケールするようなサービスを監視するには、モニタリングだけでは対応が難しくなってきたためです。

オブザーバビリティのメリット

オブザーバビリティによるメリットはさまざまありますが、シンプルにまとめると下記の2点です。

  • システム状態のリアルタイム把握による、問題への迅速な初動対応
  • ユーザーに対するサービスレベルの維持を容易にする

そのため、オブザーバビリティはモニタリングの上位概念であるように誤解されがちですが、それは正しくありません。

モニタリングは、サーバーのCPUやメモリを基準としたメトリクスの異常・Webアクセスの失敗・ログに出力されるエラーなど、「既知の領域で何かが起きた時に異常を検知する」観点でこれからも必要です。

一方、オブザーバビリティは、サービス利用者のUX(ユーザ体験)を意識して未知の領域も含めたサービス全体を可視化することにより「早期に異変に気づき、UX(ユーザ体験)を損ねる事態が生じる前に対処する」という観点で必要になってきているのです。

モニタリングとオブザーバビリティ

オブザーバビリティの課題

モニタリングとオブザーバビリティによって、ログやメトリクスなど、あらゆるデータからアラートを収集できても、アラートの内容からデータの関連を読み解き、ビジネスへの影響を把握することは難しく、属人的なナレッジやドキュメントに頼るといった、人が介在する運用が残ってしまうのが実情です。そして、そのことにより、迅速な対応につながっていかないという課題が残されています。

オブザーバビリティの課題

JP1で実現するオブザーバビリティ JP1 Version 13とJP1 Cloud Serviceが提供する、
オンプレミスとクラウドネイティブ混在環境におけるオブザーバビリティ

そこでJP1では、クラウドネイティブに対応した監視に加え、システムの構成や関係性を統合管理し、収集したデータからシステムの健全性を把握することで、企業のビジネスやシステムにどのような影響を与えるのかまでを観測可能にすることが重要であると考え、Version 13とJP1 Cloud Serviceで機能を強化。企業や組織における運用面まで配慮した、実行可能なオブザーバビリティを提供します。

以下、その主なポイントをご紹介します。

システムの健全性の把握とオブザーバビリティの確保

  • ITシステムの各種リソースのメトリックを任意のグラフで表示。Web UIで複数のダッシュボードを定義可能。
  • 複数のグラフを並べて、発生した事象の原因分析にも利用できます。

重要イベントの見逃し防止と問題への迅速な対処

  • システムで発生した様々な事象をJP1イベントとして一元管理し、障害発生時に状況に応じた迅速な対処を実現します。

ITシステムのアジリティとレジリエンスを高めるJP1のオブザーバビリティ

傾向分析による障害の予兆検知

  • 管理対象の性能情報の過去データを基に将来のリソース状況・性能情報を予測し、障害の予兆を検知します。

統合オペレーションビュアーとしてのJP1ダッシュボード

ハイブリッドクラウド環境の監視運用効率化(障害発生時の迅速な対処)

  • オンプレミスや Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud など複数のシステムを一元的に監視し、異常検知から通報、障害対処の迅速化までをトータルで実現します。

統合オペレーションビュアーとしてのJP1ダッシュボード

まとめ

いかがでしょうか。この記事では、ITシステム管理においてオブザーバビリティが注目されている理由とそのメリット、そして実行手段として、JP1の機能強化によって提供するオブザーバビリティについて解説しました。まとめると、以下のようになります。

オブザーバビリティとは

システムの状態を把握する指標、取り組み、それを実現する手法

注目される理由

クラウドネイティブな環境に対応し、「早期に異変に気づき、UX(ユーザ体験)を損ねる事態が生じる前に対処する」という観点で必要になってきているため

オブザーバビリティの課題

得られた結果からビジネスやその他サービスへの影響と対処方法を判断することは難しく、人の介在が必要になるなど、運用に落とし込むのが容易ではない

JP1のオブザーバビリティ

クラウドネイティブからオンプレミスまで、システムの構成や関係性を統合管理し、収集したデータからシステムの健全性を把握・分析することで、企業のビジネスやシステムにどのような影響を与えるのかまでを観測可能にし、AIを活用した対処の迅速化*までトータルで実現

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AIを活用した対処の迅速化は、JP1 Cloud Serviceで提供する機能です。
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Google Cloud および関連するサービスは、Google LLC の商標です。
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その他記載の会社名、商品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

お問い合わせ

JP1のオブザーバビリティについてもっと詳しくお知りになりたい方は、ぜひお気軽に、下記お問い合わせフォームにてご相談ください。

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