2002年に制定された、第4次国際規格COBOLのことです。
COBOL2002規格は、第3次国際規格COBOL(COBOL85規格)から17年ぶりに大改訂が実施されたCOBOL規格です。COBOL2002規格では、COBOL85規格との高い互換性を保持しながら、オブジェクト指向をはじめとした近年のプログラミング言語の進歩を吸収し、開発生産性の向上に役立つ新機能を導入しています。
確かにCOBOLは50年以上の使用実績があり、FORTRANと並んで、古くから使用されているプログラミング言語です。
しかし、独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA)出典の「ソフトウェア開発データ白書2018-2019」、「ソフトウェア開発分析データ集2022」によれば、COBOLは、Javaに続く最もよく使用されているプログラム言語であり、現在でも、多くの金融機関システムや公共システムの開発で使われています。また、COBOLおよびCOBOL関連技術は、旧来のシステムでの運用だけにとどまらず、ITの急激な発展に適応進化しながら、その活躍の場を広げています。例えば、日立COBOL2002では、Webシステム環境でのCOBOL資産活用に向けてJavaやXMLとの連携機能やクラウド環境にも対応しています。
COBOLは、長年にわたって公的機関による拡張・標準化の努力が続けられ、現在でも、時代のニーズにあった仕様を取り入れた国際規格を制定しており、将来も安心してお使いいただけるプログラミング言語です。
一概にどちらが適しているとは言えません。業務形態や既存資産の有無により、選択の条件が異なります。
業務形態として、メインフレームまたはワークステーションで稼働するシステムを分散開発する場合は、システム間で互換性の高い言語仕様をサポートしている日立COBOL2002が適しているといえます。また、既存のCOBOL資産を活用したい場合は、やはりCOBOLの方が適しているといえます。しかし、パーソナルコンピュータ上で稼働し、既存資産を使用しない、またはまったく新しいシステムを開発する場合については、構築するシステム形態に依存します。
実際のビジネスアプリケーション開発では、COBOLとJavaなどの新しいプログラミング言語が、適材適所で役割分担しながら併用されています。このようなケースでは、主にビジネスロジックの中核部分が、COBOLで開発されています。これは、COBOLの持つ誤差のない10進演算や、多彩な数値文字列操作などの機能が、ビジネスロジックを記述するのに適しているためです。
また、COBOLを使用すると、誰にでも読みやすいプログラムとなるため、保守性の高いプログラムが作成できるというメリットもあります。