「uCosminexus Navigation Platform」で
コールセンター業務の現場力向上と業務改革を推進
電気自動車向け急速充電器の生産規模で業界トップの株式会社 高岳製作所(以下、高岳製作所)。
そのグループ企業として急速充電器の保守サポートを担う
株式会社 ミントウェーブ(以下、ミントウェーブ)は、コールセンター業務の標準化を図るため、
日立の「uCosminexus Navigation Platform」を導入。
さまざまな業務手順の見える化と、Javaプラグイン開発による周辺システムとの柔軟な連携を実現し、
業務効率とサービス品質の向上を推進しています。
株式会社
ミントウェーブ
営業部 副部長
川瀬 伸一 氏
株式会社
ミントウェーブ
ビジネスシステム
事業部
ERP推進チーム
チームリーダー
青木 浩 氏
シンクライアントシステムのパイオニアとして知られるミントウェー ブは、高岳製作所の100%出資子会社として、同社が展開する 電力監視制御システムの設計・保守や、電気自動車(EV)向け 急速充電器の保守サポートなど幅広い事業を手がけています。 EVの本格的な普及に向けて高岳製作所の急速充電器は全 国のサービスエリアや道の駅、ショッピングモールなどに約300台 もの設置が進んでいます。このため保守サポートを担うミント ウェーブは、一般利用者向けのサポートセンターを2011年に立ち 上げ、全国からの問い合わせに対応する体制を整備。しかし、フ ロントラインのオペレーターと二次対応を行う保守担当者との情 報伝達をより強化しなければならない課題に直面し、その解決 策として注目したのが、日立の「uCosminexus Navigation Platform」(以下、Navigation Platform)でした。
「コールセンターでは当初、お客さまからの問い合わせに紙の マニュアルで対応していましたが、問い合わせ履歴が十分に残 らないため、同じインシデントへの対応スピードや品質にばらつき が出てきました。また、日々機能がブラッシュアップされる急速充 電器の対応マニュアルを改編のたび紙で配布していては運用 が重くなってしまいます。さらに、複雑な案件に関してはオペレー ターが情報をExcel®に入力し、メールで保守担当者にエスカ レーションする方法をとっていましたが、バックエンドの案件管理 システムに手作業で転記する手間がかかるだけでなく、オペレー ターの入力方法も標準化されていなかったため、必要な情報が 十分に蓄積・共有できず、サービスへのフィードバックが思うよう に進まないという課題も出てきました。そこに日立さんからタイミン グよく提案していただいたのがNavigation Platformでした」と 営業部 副部長の川瀬 伸一氏はその経緯を振り返ります。
問い合わせ対応から案件入力までを容易に標準化でき、コン テンツも一斉更新できるシステムを"いち早く低コストに導入した い"という条件に「Navigation Platformはまさにピッタリのソ リューションでした」と川瀬氏は笑顔で語ります。
株式会社
ミントウェーブ
ビジネスシステム
事業部
ERP推進チーム
中島 健 氏
株式会社
ミントウェーブ
電力システム
事業部
PCS東日本グループ
荒井 俊成 氏
日立が提供するNavigation Platformは、業務の流れを視覚 的にフローチャート化し、操作手順をガイダンスでナビゲートする ことで「何をどの順番で行えばいいのか」を見える化するソリュー ションです。使いやすいGUI(Graphical User Interface)操作 で作成できる画面エディタを活用し、専用のパレットから部品を 選択してキャンパス上に貼り付けるだけで、容易にフローチャート 画面を作成できます。ノンプログラミングで画面を作成・編集でき るので、業務システム稼働後も業務要件をすばやく、効率よく取り 込めます。また、Javaプログラムを開発することで、既存のツール やシステムと連携することも可能です。
Navigation Platformへの手順移行を担当した電力システ ム事業部 PCS東日本グループの荒井 俊成氏は、「最初は紙 ベースの手順書をそのまま移行しようと考えていました。しかし、 これまでのフローをさらに細分化すれば、お客さまからのイレ ギュラーな問い合わせやエスカレーション用の案件入力にも、よ りきめ細かな対応や指示が行えるのではないかと気づきました。 そこで手順のフローを表示させるとともに、これ までのコール対応結果を容易に参照できるよ うな仕組みをつくることで、より効果的に情報を 活用することができるようなりました」と語りま す。
システム連携を担当したビジネスシステム事 業部 ERP推進チームの中島 健氏は「これま でメールで入手し、案件管理システムに再入 力していたインシデント情報を、オペレーターが そのまま画面上からデータベース経由で入力・ 蓄積できるよう、コールセンターの対応内容を 蓄積するデータベースと連携するプラグインを 開発しました。入力手順をナビゲートしていく際、過去に受け付 けた情報を忘れずに入力できるよう、画面が遷移しても受け付 けた情報が常に並行表示できるように工夫しています。使い慣 れたJavaで他の業務とも容易に連携できるのは、開発側にとっ ても非常にうれしい機能です」と、Navigation Platformの柔軟 性と開発容易性を高く評価します。
現在稼働中のフェーズ1では、エンドユーザーが電話をかけな がら見ている急速充電器の操作パネルイメージをオペレーター 側にも表示することで、直感的な状況理解と問題解決の迅速化 を図る画面設計が行われています。今後はさらにオペレーター教 育にも役立つよう、操作パネルのより詳細な表示理解に役立つコ ンテンツも作成しているとのこと。このように、稼働させながらさま ざまな業務の流れや連携できるコンテンツを継続的に拡張・改善 できるのもNavigation Platformの大きな特長の1つです。
コールセンター業務の支援画面例
「Navigation Platformを利用した開発過程でわかってきた のが、これはユーザーに対するシステム開発のアプローチをガラ リと変える可能性を持っているのではないかということでした」と 語るのは、今回の開発とりまとめ役のビジネスシステム事業部 ERP推進チーム チームリーダー 青木 浩氏です。「これまでのシ ステムは、1つの業務が完了するまでの手順を実装していないた め、どうしても操作する際には横にマニュアルを置き、それを見な がらでないと使いこなせないケースがほとんどでした。しかし Navigation Platformをさまざまなシステムに適用すれば、関連 システムとの連携も含め、誰でもベテランと同じように業務をス ムーズにこなせるようになる。ある意味これは業務改革の基盤に もなり得ます。そこでわれわれは今回開発したコールセンター向 けシステムの効果を社内で検証しながら、他のシステムへの展 開も検討していきたいと考えています」と青木氏は続けます。
Navigation Platformの導入により、すでに現場では着実に効 果が現れていると荒井氏は評価します。「紙のマニュアルでは対 応できなかった高度なオペレーションや回答が、エスカレーションす ることなく容易に行えるようになったとオペレーターからの評価は 上々です。インシデントの入力もバックエンドでの再入力がなくなる ため、業務負担が大幅に軽減でき、本来の情報分析や管理業務 に専念できるのではないかと期待しています」と荒井氏は語ります。
今回のシステムを構築したことで、ミントウェーブには同様の コールセンター業務を請け負っている企業からもエンドユーザー からの問い合わせに対応できるコールセンター業務のオファーが 来ていると川瀬氏は語ります。
「実際にお受けするかどうかは今後の検討課題ですが、 Navigation Platformの先行的な活用と開発ノウハウを蓄積で きたことで、新たなビジネスチャンスが生まれそうな気配であるこ とは確かです。今後も日立さんからの支援をいただきながら、現 場力の底上げや新事業の創出などにつなげていきたいですね」 と川瀬氏は抱負を語ります。
エンドユーザーには使いやすく、技術者には開発しやすいイン タフェースを提供することで、幅広いビジネスの全体最適化に大き く貢献するNavigation Platform。日立はこれからも、ミントウェーブ の競争力向上とイノベーションの促進を、Navigation Platformの 継続的な機能強化によって力強くサポートしていきます。
USER PROFILE
株式会社ミントウェーブ
[本社] 東京都千代田区神田神保町1-50 浦野ビル7F
[創立] 2002年10月
[資本金] 50,000,000円(2009年4月現在)
[従業員数] 149名(2012年1月現在)
[事業内容]
コンピュータシステムのコンサルティング、システムインテグレーション、
構築、運用、保守、情報通信機器ならびに関連機材の企画、開発、製
造、販売、賃貸および中古品の販売など