「安心・安全・安定」したサービスを提供するために、
「JP1認定資格制度」を積極的に活用。
ITIL®ベースの運用サービスと新事業を強化
ITがビジネスと直結している昨今、システム安定稼働は最重要課題であり、安定稼働にはミドルウェアの活用が重要なポイントとなる。
ミドルウェア活用技術の習得の近道として、「日立オープンミドルウェア認定資格制度」を、自社独自の人材育成プログラムに組み込む企業が増えている。
特に、統合システム運用管理「JP1」については、2008年9月、資格取得者が1万名を突破。独立系システムインテグレータのアイエックス・ナレッジ株式会社(以下、アイエックス・ナレッジ)でも、ITIL®ベースの運用サービス強化と新事業を盛り立てていく目的で、「JP1認定資格制度」を積極的に活用。
テクニカルスキルと社員のモチベーションの向上に大きな成果をあげている。
アイエックス・ナレッジ株式会社
取締役
ITサービス・品質ソリューション事業部担当
宮南 研氏
アイエックス・ナレッジ株式会社
ITサービス事業部長
渡邊 秀樹氏
アイエックス・ナレッジ株式会社
ITサービス事業部
システムサービスユニット
システム設計・構築グループ
マネージャー
萩原 利文氏
アイエックス・ナレッジ株式会社
ITサービス事業部
システムサービスユニット
サーバー運用・保守グループ
米野 直氏
アイエックス・ナレッジ株式会社
第一営業部
マネージャー
松井 健悟氏
コンサルティングから、システム構築、運用まで、一貫したサービスを提供できるのが、アイエックス・ナレッジの強みである。
「設計・構築したシステムの運用・保守により蓄積したノウハウを、次システムのコンサルティングと提案に結びつけていくことで、統合的かつ高品質なサービスをお客さまに提供できるのです」と宮南氏は語る。
金融・証券システムの開発、システム検証サービス、ヘルプデスクサービスなど、広範囲に提供している同社のサービスの中でも、システム運用サービスを担っているのがITサービス事業部である。
「『安心・安全・安定』の3つをお客さまに提供することは、メインフレーム時代から一貫してきたシステム運用サービスの使命であり、この要求に応えるために多くの技術とノウハウを駆使してきました」と渡邊氏は言う。
60〜70名もの技術者がITIL®の認定資格を取得し、ITIL®準拠の運用を現場でしっかり回していく原動力となっているのは、その取り組みのひとつである。近年、同社が運用を担当している企業では、サーバの入れ替えや統合、あるいは災害対策などのために、ネットワークや運用基盤を再構築するケースが増えてきた。そこで、ITサービス事業部は、これまで積み重ねてきたノウハウを体系化して、基盤構築サービス事業の強化に取り組んでいる。
もうひとつ力を入れている新事業が、サポートセンターでの遠隔監視などのヘルプデスクサービスである。2008年4月にはこの目的で、「SMSビジネス推進チーム」を発足させた。
「これまでもハウジングなどのアウトソーシングサービスを提供してきましたが、最近では、遠隔監視サービスを利用して運用コストを削減したいというニーズも高まっています。今後は、現場に張り付いて運用するオンサイトサービスだけでなく、オフサイトでのサービスも充実していきたい」と松井氏は語る。
社内の人材育成について同社では、個人の能力と市場のニーズの両面から判断し、年間計画を立てて実施している。
「全社員について、個人のスキルマップを作成し、各人が持っている技術にプラスアルファする形で、教育計画を立てています。同時に、担当顧客ごと、チームごとに、ネットワークやOS、データベースなど、強化する技術を選定していますが、最近特にニーズが高まっているのが、ミドルウェアに関するスキルです」と萩原氏は説明する。
今後、ITIL®ベースの着実な運用を推し進め、基盤構築サービスやサポートセンターでのヘルプデスクサービスを着実に実行するためには、ミドルウェアの活用が不可欠である。たとえば、システム基盤構築において同社は、OSインストールとネットワーク構築というインフラ層を中心に担当してきたが、最近では、ミドルウェア層の構築まで一貫して担当することが求められるようになっている。遠隔監視などのヘルプデスクサービスを効率的に行うためにも、ミドルウェアを的確に使いこなすスキルを身につけておくことが大切だ。
「中でも一番注目しているのが、日立の統合システム運用管理『JP1』です。ITIL®ベースの運用を実現して、より高度な『安心・安全・安定』を実現するのに適しているからです」と萩原氏は言う。
同社は、JP1を使ったシステム構築と運用に豊富な経験を積んできた。その技術やノウハウをさらに深め強固にするために活用しているのが、「JP1認定資格制度」である。
最初に資格取得にチャレンジしたのは、JP1を使った運用システムを豊富に経験してきた5名の技術者だった。自分の技術力のレベルを試したいという思いで、JP1認定資格試験を受験して、みごと全員が資格を取得したのである。
その後、テクニカルパートナー制度(*)ができてパートナー企業が受験しやすくなったため、一気にJP1認定資格者が増えた。現在では、約30名がJP1認定資格を持っている。
「若手社員には、『JP1認定エンジニア』、ベテラン社員には、豊富な経験を活かしての『JP1認定プロフェッショナル』の取得を勧めているところです」(萩原氏)。
米野氏の場合は、2007年9月に「JP1認定プロフェッショナル」を取得した。
「JP1の統合管理機能は沢山使ってきましたが、今後、グリーンITなども含めたIT資産の有効活用の点でもパフォーマンス管理は必須であると考え、お客さまに的確な提案ができるくらいのスキルを身につける目的で受験しました」と米野氏は語る。
資格取得のための勉強では、2日間の認定資格講座を上手に活用した。
「マニュアルや関連書籍を読んだだけではわからないところがありましたが、実践的な内容の講座を受け、疑問点を解決することができました。また、講座でもらったテキストは、情報を体系立ててうまく整理しているため、これを3〜4回繰り返して自習することで、着実なスキルアップをすることができました」(米野氏)。
「認定資格は技術力を測るモノサシの1つであり、資格取得は技術者の自信にもなります。さらに、資格取得者に対してはお客さまの期待が加わって、本人の意欲との相乗効果によって技術力がさらに高まっていきます」(宮南氏)。
JP1認定資格者を多数擁していることは、同社の事業強化にも確実に貢献している。
「『JP1認定資格者がいること』が入札の条件として明記されることがあります。また、JP1認定資格者が沢山いるということは、客観的なスキルの証明にもなります」と松井氏は語る。
ITサービス事業部では、今後、SMSビジネス推進チームの中に、JP1の専門構築チームを作ることも計画中である。
「『安心・安全・安定』したサービスの提供をより強化するには、人間力の強化が必要であり、JP1認定資格制度もそのためのひとつの手段。今後も、資格者を増やすように力を入れていきます」と宮南氏は語った。
PARTNER PROFILE
アイエックス・ナレッジ株式会社
[本社] 東京都港区海岸3-22-23 MSCセンタービル
[設立] 1979年6月22日
[資本金] 11億8,089万7千円
[従業員数] 1,287名(2008年4月1日現在)
日本ナレッジインダストリ株式会社と株式会社 アイエックスが1999年に合併して誕生。コンサルティングからシステム・インテグレーション、システム運用、リサーチ&マーケティングといった一連のサービスをニーズに合わせ提供。インターネット統合サービス「andi(アンドアイ)」など新たなサービスも展開。