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「JP1認定資格制度」を教育制度に組み込み真の顧客満足を獲得するための
技術職・営業職の応用力・実践力向上に成果

株式会社 日立情報システムズ(以下、日立情報システムズ)は、情報サービス会社として技術力を高めるためにも、社員を大切にするためにも、大切な経営課題のひとつとして人材育成に取り組んできた。日立が統合システム運用管理「JP1」のセールススキルとテクニカルスキルを認定する制度として運用している「JP1認定資格制度」も、人材育成策の一環として組み込んでいる。 JP1認定資格の取得は、実際の案件の前提条件として客先から指定されることも増えている。また、認定試験に合格するために勉強する過程で得られる知識は、技術者の応用力や営業職の実践力を強化するうえで大いに役立っている。

「Professional Skill Company」を目指し人材育成に取り組む

星野 道雄 氏
株式会社 日立情報システムズ
営業統括本部
営業業務部
担当部長
星野 道雄 氏

佐川 差千代 氏
株式会社 日立情報システムズ
プロジェクト統括本部
生産技術教育センタ
主任技師
佐川 差千代 氏

アウトソーシングおよびネットワークサービスなどのシステム運用と、SI・ソフトウェア開発などのシステム構築を事業の2本柱とする日立情報システムズ。同社は、「国内屈指のITプロフェッショナル集団企業実現」を経営目標のひとつに掲げて、教育・研修制度の充実に早くから取り組んできた。

社員教育には大きく分けて3系統ある。

第1は、技術者を対象にした600コースにおよぶカリキュラムで構成される技術教育。第2は、営業担当者を対象にした、営業マインドの醸成を主体とする営業教育。そして第3は、社員全員を対象に、新入社員や管理者などのキャリア・階層別に展開する基礎教育である。

3つの教育系統は3つの教育部会が年度計画を立てて実施している。しかし最近、システムが高度化・複雑化し、ミッションクリティカル性も高まっていることから、人材教育に求められる要素にも変化が生じている。

たとえば技術教育は、これまで、高度な専門知識の獲得に力を入れてきた。つまり、システム開発者に対しては開発言語やミドルウェアに関する知識、運用管理者に対してはネットワークやOSに関する教育を充実させてきたのである。しかし、複数のシステムが連携し合っている現在のシステム構築や運用には、より幅広い知識の獲得やプロジェクト管理などの実践力も不可欠だ。

そこで現在の技術教育は、これまで培ってきた専門知識の他、さらに幅広い基本スキルを身につけ、設計力強化や職場のやり方を疑似体験するトレーニングなどを加えた充実した3階層のカリキュラム構造となっている。

「専門知識だけでなく、トラブル対応やチューニングなどができる応用力を育てたい。ミッションクリティカルなシステムの構築や運用には、専門以外のところでもブラックボックスがあってはなりませんし、自分で考えて行動できるバックグラウンドとしての知識の幅が必要です」と佐川氏は語る。

一方、営業教育では、約300にのぼる豊富な同社のソリューションから、ターゲット商品を絞って、深い知識を得ることを大切にしてきた。さらに最近では、提案力・プレゼンテーション力を高めるため、現実の問題を取り上げた実践教育と、コンプライアンスなどに関する教育を強化している。

「これからは、内部統制、Web2.0、RFIDをはじめ、IT業界の世界動向など、より広い視点で全体を見渡す力を持った営業職の育成にも力を入れていきたい」と星野氏は語る。

「JP1認定資格制度」を人事制度に組み込みスキルアップをキャリアアップに反映

同社は、教育・研修の中で、「ベンダー系の資格を取得することで得たスキルは、顧客業務への提案や課題解決などに直接適用できる」という認識で力を入れている。

そのひとつ、日立の「JP1認定資格制度」には、2000年頃から取り組んできた。アウトソーシングサービスやネットワークサービスの運用管理部門の社員はもちろんのこと、JP1で稼働するシステム基盤上で動くアプリケーションを開発する技術者、JP1が稼働している企業や官公庁へ次の提案をしたい営業担当者など、幅広い社員がさまざまなレベルのJP1認定資格を取得している。

「弊社には、部長・課長といった役職とは別に、営業職や技術職の技術レベルを等級で示す専門職位という制度があります。JP1認定資格は、たとえば5級から4級へ職位を昇格するときの要件のひとつでもあります」と星野氏は説明する。

つまり、JP1認定資格制度は、スキルアップのカテゴリとして人事制度にまで組み込まれているのである。

もちろん、実際の案件でも、JP1認定資格取得者がプロジェクトに加わることが入札の条件として指定されることもある。

「『このシステムの運用管理は、JP1認定エンジニアを最低3名、JP1認定プロフェッショナルを最低1名そろえて取り組んでください』と人数を指定されることもあります。どの程度の陣容で取り組むべき案件なのかを正確に把握するうえでも、認定資格は役に立ちます」と星野氏は言う。

応用力・実践力・提案力を高める機会ともなる「JP1認定資格講座」

JP1認定資格試験に先立って受講する「JP1認定資格講座」は、体系的な知識を効率よく学び、さらに、実践的な経験を積み上げる絶好の機会としても好評を博している。

「受講者の中には、『JP1は知識として知っていたが、JP1認定資格講座で初めて実際に使った。そうしたら、いままで漠然と抱いていた疑問が氷解した』と言う人がいます。また、かなりJP1の実践を積んだ人でも、『JP1認定資格講座は、実機でいろいろ試せるのが魅力。どういう設定をやってはいけないかなどが、身を持って体験できる』と喜んでいます」と佐川氏は説明する。

昨今のシステム環境で求められる応用力のある技術者、知識だけではなく実践力のある技術者を育成するうえでも、JP1認定資格講座は役立っているのだ。

一方、営業教育では、提案力を向上させるうえでJP1認定資格講座が貢献している。

JP1認定資格講座は、JP1の一般知識だけでなく、「こういう場面でこういう使い方をするとこういう問題の解決に役立つ」といった実際のケースに沿った説明を行う。したがって営業担当者は、自分が担当している顧客のためのポイントを深く理解したり、最新バージョンの知識を得たりするためにも、JP1認定資格講座を活用しているのである。

人材データベースでもJP1のノウハウを共有

同社は、JP1について高度なノウハウやテクニックを持った技術者が豊富にいる。実際の案件でJP1の使い方に迷ったときでも、日立のサポートサービスに頼らず、自社内で問題解決するケースが年々増えている。

また、2007年5月からは、スキル・インベントリ制度を開始。JP1に関するスキルをはじめ、社員が持っているさまざまなノウハウをデータベースに登録して、プロジェクトチームの編成などに活かしている。

「システム会社として技術力を高めることと、技術者一人ひとりが自分の力を再認識してステップアップへ意欲的に取り組むこと。この両輪をさらに力強く回していくために、これからもJP1認定資格制度を積極的に活用していきたい」と佐川氏は力強く語った。

日立情報システムズの主なJP1連携商品

日立情報システムズの主なJP1連携商品
JP1ネットワーク/サーバ監視スタータパッケージ 中・小規模ユーザー向けの監視要件に合わせ,商品群をパッケージ化。導入作業,導入費用の低減化を実現。
License Guard ソフトウェアライセンス管理システム。JP1と連携してのインベントリ自動収集により、最新の状態でのライセンス管理を実現。
Netspect JP1が収集したサーバやネットワーク機器の稼働情報を取り込み、WEBブラウザでビジュアルに表示するソフト。
HULFT ファイル転送ツール「HULFT」(開発元:株式会社セゾン情報システムズ)とJP1を組み合わせ、データ集配信と他業務処理の一体化による、運用レベルでの完全自動化を実現。
e-CYDEEN 公共事業のライフサイクルに対応した建設情報化をトータルにサポートするソリューション。JP1と連携した一元的なシステム運用が可能。
ヘルパーフェクト ネットワーク運用管理ソリューション。JP1と連携して、その資産情報、障害情報等を取り込んでDB化し問題管理することによりお客さまのシステム運用管理、および障害解決をサポート。
@Managehome® Enterprise各種サービス お客さまのITシステムのマネジメント最適化を支援するワンストップMSPサービスの製品群。JP1をサービス基盤として採用。

PARTNER PROFILE

株式会社 日立情報システムズのロゴ

株式会社 日立情報システムズ

[本社] 東京都品川区大崎1-2-1
[創立] 1959年6月15日
[資本金] 131億6,200万円(2007年3月31日現在)
[従業員数] 4,988名(2007年3月31日現在)

“お客さまのご満足を約束する”高品質なサービスを提供するために、常にプロフェッショナルとして、さまざまな分野に挑戦を続ける大手情報サービス会社。「中期経営計画2007-2010」のもと、コンサルティング力強化やグローバル化推進を中核に据えた事業拡大路線を展開中。

特記事項

  • この記事は、「ITproサイト(2007年9月19日〜)」に掲載されたものです。
  • 日立オープンミドルウェア認定資格制度の詳細については,ホームページをご覧ください。
  • RFID:Radio Frequency Identification
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。