JP1を適用した高品質・高信頼な
システム監視・運用サービスを提供
ITシステムの稼働状況やサービスレベルが、ビジネスに大きな影響を与える時代となっています。このような中で、一段と高度化・複雑化するシステムの運用管理における品質向上は重要な課題となっています。そこで、ITシステムの統合サポートサービスを手がける日立電子サービス株式会社(以下、DENSA)では、日立の統合システム運用管理「JP1」を適用したITマネジメントサービスを提供。お客さまのミッションクリティカルなシステムの障害監視と迅速な復旧支援により、お客さまビジネスの価値向上を支援しています。
日立統合管制センタ。大規模地震に耐える耐震設備、非常用発電設備、強固な入退室管理など
業界最高水準のファシリティを備えたシステムプラザ磯子に設置されています。
マネジメントサービス事業部
システムマネジメントサービス部
担当部長
中間 光久 氏
ソリューションサービスオペレーションセンタ
センタ長
青井 研一 氏
近年の企業情報システムは、マルチベンダーのサーバやクライアント、ネットワークが混在し、ますます高度化・複雑化しています。こうしたITシステムの運用管理が企業の大きな負担となる中で、それらの運用管理業務をアウトソーシングし、稼働率とサービス品質の向上、TCO(Total Cost of Ownership)削減を実現するITマネジメントサービスが注目されています。このITマネジメントサービスを体系化し、高品質で高信頼な監視・運用サービスを「JP1」の活用によって実現しているのがDENSAです。
「高度な技術力と45年にもおよぶ運用・保守サービスの実績をベースに、お客さまシステムの安定稼働とダウンタイム低減のため、より付加価値の高いサービスを提供していくのがDENSAのミッションです。そのため私たちはITIL®(IT Infrastructure Library)という言葉が注目される以前から、ITサービスの可視化と品質向上に取り組み、2001年から日立との共同開発で、ITIL®のプロセスや機能を組み込んだITマネジメントサービスの提供を開始しました」と語るのは、マネジメントサービス事業部システムマネジメントサービス部担当部長の中間光久氏。
同サービスとその実行に携わるDENSAは、2005年3月に英国認定機関であるitSMFから、ITサービスベンダーとしては国内初となるBS15000(現ISO20000)の認証を取得。ITIL®適用ノウハウを活かした運用プロセスによる障害発生時の強力な統制管理や復旧支援は、すでに多くの顧客企業から高い評価を得ています。
マネジメントサービス事業部
システムマネジメントサービス部
マネジメントサービス開発グループ
主任技師
志田 勝義 氏
「ITマネジメントサービスが提供する監視・運用サービスには、大きく2つの形態があります。1つは、幅広い業種のお客さまシステムを対象に、当社がパッケージ化したメニューを中心に、24時間365日リモート&オンサイトで監視・運用を提供するサービス。もう1つが、より大規模でミッションクリティカルなシステムを対象に、お客さまの業態やニーズに合わせた監視・運用メニューをオーダーメイドで設計・構築するサービスです。特に後者は、JP1を適用した柔軟で高品質な監視・運用サービスとして提供しています」と、マネジメントサービス事業部システムマネジメントサービス部マネジメントサービス開発グループ主任技師の志田勝義氏は説明します。
例えば、銀行や証券などの金融系では、厳しいセキュリティポリシーにより、監視システムとの間にネットワークを介在させるのが困難になってきています。そこで、顧客のセキュリティポリシーに合わせた柔軟な監視・運用ソリューションを設計・構築できるITマネジメントサービスへの需要が高まっているのです。
同ソリューションを、国内最高レベルのファシリティを誇る横浜・磯子のiDC(システムプラザ磯子)内で集中管理しているのが、日立アウトソーシングサービスの一翼を担う「日立統合管制センタ」です。同センタがオペレーションするITマネジメントサービスの特長を、ソリューションサービスオペレーションセンタセンタ長の青井研一氏は、次のように語ります。
「一言で言えば、お客さまのネットワーク内にJP1監視サーバを個別に設置し、その障害検知のビュワーを統合管制センタに開設していただくイメージです。お客さまのJP1監視サーバをiDC内に設置するハウジングサービスも承りますが、双方とも監視部分では他のお客さまとの共通インフラを使わず、1社ごとに独立しており、当社センタとの通信もプロトコル変換によってセキュアに保たれているため、データクラッキングのおそれやウィルス感染の心配がない点などが大きな特長となっています」
統合管理製品(統合コンソール)JP1/Integrated Manager (JP1/IM)や、ネットワーク管理基盤JP1/Cm2/Network Node Manager(JP1/Cm2/NNM)といったJP1コンポーネントを適用した監視対象は、金融、公共のお客さまを中心に、現在全国で34ユーザー、総ノード数約6,000にものぼります。万一それらのシステムでトラブルが発生した場合には、JP1からの通報コマンドが統合管制センタへ即時に送られ、アラーム、パトランプの点滅とともに大型モニターへ自動表示。その後は経験豊かなDENSAのスタッフが、お客さまのJP1監視サーバを操作し、障害の確認・切り分けを実施。さらに、担当SEや全国320か所に広がるDENSAの保守サービス拠点、各ベンダーや通信キャリアなどへのエスカレーションを、あらかじめ決められたプロセスに従って迅速、確実に実行していきます(図)。
これによりお客さまは、システム管理の負担を軽減し、本来のコアビジネスに専念しながら、システムのダウンタイムを最小化できる運用環境を適正コストで構築することができるのです。
監視システム構成(ノード、プロセス、リソース監視例)
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ソリューションサービスオペレーションセンタ
技師
小山 聡 氏
JP1には、さまざまな監視要件を満たす幅広い機能コンポーネントが用意されています。
例えば、JP1/Cm2/NNMをはじめとするネットワーク管理製品群では、監視対象サーバやネットワーク機器のノード、リソース、プロセスの状態を定期的に監視。定型業務の自動化を実現するジョブ管理製品JP1/AutomaticJob Management System 2(JP1/AJS2)で実行されるジョブの状態をも監視することが可能です。それらをシームレスに連携しながら、各コンポーネントから得られる情報を集中管理できるため、サービス品質を安定的に保ちながら、運用管理者の負担を大幅に軽減することが可能です。お客さま企業の監視システム設計からセンタ・オペレーションまでを取りまとめるソリューションサービスオペレーションセンタ技師の小山 聡氏も、「JP1は、お客さまのさまざまな要件に見合った監視システムを、柔軟かつスケーラブルに設計できるのが大きなメリットです。また、JP1の機能や実績に対する信頼性の高さも、ソリューションの提案時には大きな訴求力となっています」と高く評価します。
国内有数のJP1ユーザーであるとともに、グループ企業として日立との密接な連携が図れるDENSAでは、常にJP1開発チームへの情報フィードバックや機能提案を行いながら、お客さまに対するサービス品質向上と、次なるソリューション開発に向けた活動に力を注いでいます。
JP1という強力なツールと、DENSAの持つ運用・保守の高度なノウハウ、実行力が高い次元で融合したITマネジメントサービス。その信頼と安心を、お客さまのビジネスの継続的な発展へとつなげるため、これからもJP1はさらなる進化を続けていきます。
USER PROFILE
日立電子サービス株式会社
[本社] 横浜市戸塚区品濃町504-2
[代表取締役] 社長執行役員:百瀬次生
[資本金] 50億円
[従業員数] 5,444名(2006年4月1日現在)
ITシステムのライフサイクル全体をカバーする統合サポートサービスで、24時間365日、お客さまに最適なソリューションを提供。運用面のサービスとして、顧客システムのセキュリティレベルの維持に貢献するセキュリティマネジメントサービス、顧客システムの運用品質の向上やTCO低減を実現するITマネジメントサービスなど、システムの安定稼働に貢献する多様なマネジメントソリューションを展開中。