事例紹介：株式会社ディーエスイーネットコンサルティング／
株式会社勝英自動車学校

• 株式会社ディーエスイーネットコンサルティング／株式会社勝英自動車学校 (PDF形式、417KB)

教習所業務の効率向上と、法令遵守を支援する「MINERVA」。
日立のミドルウェア製品「HiRDB」、「EUR」を採用して、
高信頼・高性能で、保守性の高いシステムを実現

自動車教習所における効率的な教習運営はシステム化が不可欠

人口の約7割が運転免許を取得している日本。そして、約7,500万名もの人が自動車教習所での教習を経験している。

「教習所は、免許取得後に数十年も続いていくカーライフにおいてゆりかごにあたるところです。ドライバーとしての第一歩を踏み出そう とするユーザーが最適な教習所を探せるよう情報を提供し、教習所を通じて安全運転・運転技能向上のカリキュラムを厳正公平に効率的に受けられるようシステム面からフォローすることがDSENETのミッションのひとつです。 教習所の在校生ならびに卒業生は、多くの企業にとってセグメントされた潜在顧客でもあります。これらのユーザーと企業との架け橋となること、これがDSENETの目指すビジネスです」と吉村社長は力説する。

DSENETは、教習所ビジネスの可能性を広げていくことを目的に設立されたシステムコンサルティング会社なのである。

同社の自動車教習所支援事業の柱は2つある。ひとつは、教習所および運転免許の総合情報ポータルサイト「運転免許＆教習所ガ イド」の運営であり、もうひとつは、自動車教習所システムの開発だ。販売と生産の両面から教習所ビジネスをサポートしているのだ。

「教習を実施する際の守るべき規定は複雑です。法令やお客さまへのサービス面に関するプランの内容が細かく規定されていて、しか もそれらは事故数の低減・プラン強化のため随時変更されています。こういった規定を守りながら、さらに稼働率を高めることは手作業 では困難です。そこで、我々はITを活用して生産面を支援することを決めました」と中尾氏は指摘する。

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法令遵守と稼働率向上を両立させる自動車教習所システム「MINERVA」

2007年、同社は、自動車教習所システム 「MINERVA」の開発に着手。

MINERVAは、入校申込み管理、教習管理、検定管理、宿泊管理、教習料金管理、そして、各種申請書・証明書・報告書・統計 情報の印刷機能を備えて、教習所の業務を網羅したシステムだ。

すべての機能が連携し、データが一元管理されているため、免許取得に関する法令を遵守しながら正しい教習予約を行うことができる。教習所の業務処理負荷を軽減しつつ、指導員・教習車・コースの稼働面を定員設定機能や検索機能を活用して最大限に高めることができるのだ。

また、作業効率を高めるため、複数の予約や生徒を一括して処理できる自動化支援機能も盛り込んでいる。

パッケージの組み込みデータベースとしては、日立のノンストップデータベース「HiRDB」を採用した。

「MINERVAは、情報システムの専任者がいない教習所に納めるシステムであるだけに、サポート、信頼性、実績などを重視してHiRDB を選びました。また、日立ならミドルウェアとハードウェアの窓口を一本化できるので、万一障害が起きたときにも、原因の切り分け に時間をかけることなく、スピーディに復旧できると考えたからです」と吉村社長は語る。

HiRDBは、日立の国内自社開発データベースであるため、アプリケーション開発支援がきめ細かいのも魅力だった。

「開発中に思うようなレスポンスを得られない等の問題が発生しました。しかし、日立に相談すると、HiRDBの担当技術者から、的確な回答をレスポンス良く得る事ができました。このような、積極的な技術支援のおかげで、パッケージへの組み込みをスムーズに行うことができたのです」とシステム構築を担当した株式会社ニッセイコム（以下、ニッセイコム）の石井氏は言う。

システム開発中に道路交通法が改正されたが、改正に伴う仕様変更にはニッセイコムの技術力でスムーズに対応した。今後の法改定 にも迅速に対応できるよう、設計には工夫を加えてある。

「さらに、パッケージを教習所に納入した後に発生した修正要求には、DSENETが迅速に対応していく計画です。HiRDBはGUIツールが整備されていて使いやすく、わたしも短期間で設計内容を理解することができました」と情報システム部の吉村氏は付け加えた。

自動車教習所システム　MINERVA

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パソコンや携帯電話でのリアルタイムな教習予約を実現

「MINERVAが最も画期的なのは、情報を一元管理しリアルタイムに連動していること。お客さまは、自宅のパソコンや携帯電話から、専用ウェブサイトにアクセスして教習を予約できます。しかも、法令に沿った正しい時間予約を誰でも容易にできるのです」と横山氏は強調する。

道路交通法では、教習の合計時間や教習を受ける順番などが細かく定められており、受講者にこれを意識させないで予約してもらうことは難しい。さらに、技能教習は人により受講時間数も変わってくる。

こうした個別の変化にも即応してカリキュラムを変更し、リアルタイムに反映させる必要があるのである。

法令を遵守しながら、簡単に予約処理ができることのメリットは、教習所内でも発揮される。道路交通法の専門知識を持っていない事務担当者でも容易に予約処理ができるようになったのである。

また、教習所が公安委員会向けに提出する公的書類や、受講者に発行する卒業証明書、仮免申請書などの帳票開発・印刷には、 日立の帳票システム構築支援ソフトウェア「EUR」が採用されている。

EURは帳票の開発生産性が高いため、都道府県ごとに異なる多種類の報告書の書式を効率よく作成できた。特に、既存の紙の帳票をスキャナで取り込んでその画像を下敷きとして利用する機能や、印字位置をミリ単位でそろえられる印刷機能は有効だった。

個人情報保護への配慮も行き届いている。HiRDBの監査証跡機能を使って、データへのアクセス履歴を記録しているのだ。

「16校のグループ全体の稼働状況を本社で見られるのもMINERVAの大きな導入効果です。本社に居ながらにして、各教習所に対して的確なアドバイスを送ることができるのです」と横山氏は語る。

MINERVAは、M＆Aやグループの統廃合が盛んに行われている自動車教習所業界において、複数の教習所を効率よく運営するシステムとしても活躍が期待されているのである。

自動車教習所システム「MINERVA」システム概要

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特記事項

• この記事は、「日経SYSTEMS　2008年3月号」に掲載されたものです。
• EUR、HiRDB、JP1の詳細については，ホームページをご覧ください。
• 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

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