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日立、英国北部の鉄道路線で新型バッテリーを搭載したインターシティ車両の試験走行を開始

[画像]日立、英国北部の鉄道路線で新型バッテリーを搭載したインターシティ車両の試験走行を開始

  株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レール社は、英国のTransPennine Express(以下、トランスペナイン・エクスプレス)、Angel Trains(以下、エンジェル・トレインズ)と共同で、今週初めに、先駆的なバッテリーを搭載したインターシティ車両の試験走行を英国鉄道網で開始しました。この重要なマイルストーンでは、今後8週間にわたってヨーク〜マンチェスター空港間、リーズ〜リバプール・ライム・ストリート間の路線でバッテリー技術の試験走行が行われます。
  この車両は、トランスペナイン・エクスプレス、エンジェル・トレインズ、日立レールの協力を象徴する新しいカラーリングが施されており、容易に他の車両との見分けがつきます。
  勾配での性能向上、回生ブレーキによる充電、燃料と排気ガスの削減、駅での排出量ゼロのバッテリーモードなどの実現を目ざし、さまざまな重要な試験が行われます。
  日立レールのニュートン・エイクリフ鉄道車両製造工場の試験線で低速試験走行に成功した後、実際の鉄道網における試験が行われています。これらの試験中、列車は完全にバッテリーで走行し、排気管からのガスを発生させませんでした。
  これは、インターシティ車両でディーゼルエンジンをバッテリーに置き換える英国初の試験です。このバッテリーは、トランスペナイン・エクスプレスの「Nova 1」(5両編成のインターシティ車両クラス802)のひとつに搭載することに成功しました。
  最大出力700kWを超えるこのバッテリーは、日立のインターシティ車両で排出ガスと燃料コストを最大30%削減できると予測されています。また、トンネル区間や複雑な分岐点上の架線を減らすことで、バッテリー技術がインフラコストを削減できることも実証します。
  この試験は、英国のバッテリー産業とグリーン成長を支援することも目的としており、日立レールはサンダーランドのターンタイド・テクノロジーズと共同でこの先駆的な技術を開発するために1,500万ポンド以上を投資しています。

トランスペナイン・エクスプレス Engineering, Safety and Sustainability Director, Paul Staples(ポール・ステープルズ)氏のコメント

「この試験は、英国の鉄道業界、そして世界中の鉄道業界がCO2排出量を削減するための大きな一歩であり、私たちはその一員になることに興奮しています。トランスペナイン・エクスプレスは、CO2排出量を削減し、気候変動に対する回復力を生み出し、地域の大気環境を改善することで、私たちの移動をよりグリーンにするよう取り組んでいます。」

エンジェル・トレインズ Asset Management Director, Matthew Prosser(マシュー・プロッサー)氏のコメント

「クラス802車両がニュートン・エイクリフ工場で完全にバッテリーモードで走行することに成功した後、この技術が英国鉄道網でどのような成果を上げるかを見ることに興奮しています。このプロジェクトは、エンジェル・トレインズと日立レールが、最新車両のひとつに数百万ポンドを共同で投資したものです。日立レールのニュートン・エイクリフ工場の熟練した仕事と専門知識を支援し活用することで、バッテリー改良技術が鉄道の脱炭素化にどのように役立つかを実証することができます。」

日立レール社 Head of Green Technologies Programme, Paul Newlove(ポール・ニューラブ)のコメント

「ニュートン・エイクリフ工場で完全にバッテリーモードで走行する列車を見た後、今後この技術がどのように排気ガスと燃料コストを削減し、トランスペナインの路線で大気環境を改善するかを見るのが待ちきれません。これは、乗客、鉄道事業者、政策立案者にとって、このグリーン技術のメリットを証明するための試験の一部であり、本当にエキサイティングなものになるでしょう。日本、イタリア、英国の仲間たちが何年も協力して、この重要な段階に到達したのです。」

  この重要なプロジェクトは、世界初の旅客用バッテリー列車を日本で、また2022年には欧州初のバッテリーハイブリッド列車Masaccioをイタリアで展開するなど、日立のグローバルな専門知識を活用しています。日立は最近、新しいインターシティ電車を発表し、2026年からドイツを含む他の欧州市場でこのEuroMasaccioを導入することを目標としており、技術の進化は急速に進んでいます。
  このバッテリーの開発は、国内外の鉄道産業にとって重要な一歩です。日立は、このバッテリーを世界中の列車に搭載し、英国からの輸出やエネルギー効率の向上を目ざしています。
  世界中で何千もの列車がディーゼルエンジンで走っていますが、ネットゼロの目標を達成するためには脱炭素化を進める必要があります。イタリアのMasaccioは、導入と同時にそれまでのディーゼル列車と比較してCO2排出量を50%削減しました。ディーゼルエンジンを強力なバッテリーに置き換え、より安価な部分電化を実現できれば、世界中の鉄道を低コストで脱炭素化する道筋を作ることができます。

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。

トランスペナイン・エクスプレスについて

  トランスペナイン・エクスプレスは、「Take the North Further(英国北部をさらに発展させる)」というビジョンを持つ都市間鉄道事業会社です。新しいNova車両の導入を含む5億ポンド以上の投資に続いて、高いレベルのパフォーマンス、駅への投資、アクセス性の向上、持続可能性の向上、さらなる投資を通じて、鉄道サービスの変革を続けています。
  当社は、英国運輸省の公共部門所有グループ「DOHL」の子会社であるTransPennine Trains Ltd(トランスペナイン・トレインズ)によって所有されています。DOHLは、北部のNorthern Trains Ltd(ノーザン・トレインズ、LNER、南東部のSoutheastern(サウスイースタン)の3社の鉄道会社を管轄しています。

エンジェル・トレインズについて

  エンジェル・トレインズは英国最大の鉄道車両を保有する会社です。過去10年間で、鉄道車両とイノベーションプロジェクトに15億ポンド以上を投資してきました。
  英国の鉄道の近代化と改善を支援し、今日の乗客のニーズを満たしています。志を同じくする企業と協力して、列車をより利用しやすく、快適で、繋がれたものにしています。また、乗客が目的地と同じくらい旅程を楽しめる環境を作っています。
  バッテリーや水素発電システムから、3Dプリント部品や高精細カメラまで、新技術のイノベーションを推進する中小企業に投資しています。長期的な展望は、全国の海岸から海岸まで、部門を越えて熟練した仕事を支援することです。
  引き続き投資を再考し、業界の優れた人々と協力して、より明るく、環境に優しく、費用対効果の高い英国鉄道の未来を設計します。

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