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(本件は、英国において7月15日07:00
(日本時間7月15日15:00)に発表しました。)

日立、英国イースト・コースト本線における鉄道車両で
次世代のデジタル技術による前方監視試験を開始

[画像]日立、英国イースト・コースト本線における鉄道車両で次世代のデジタル技術による前方監視試験を開始

  株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レールは、英国のNetwork Rail(以下、ネットワーク・レール)、London North Eastern Railway(以下、LNER)、CrossTech(以下、クロステック)と共同で、線路沿いの植物や地盤など、自然環境や線路の異常を監視する最新のデジタル技術による前方監視試験を開始しました。
  リアルタイムで鉄道車両の走行エリアを監視することで安全性がさらに向上し、線路へ張り出した樹木、線路上の落ち葉、地盤沈下など、設備や車両への損傷や遅延を引き起こす可能性のある潜在的な危険を検出します。ネットワーク・レールは以前、英国南部地域だけで年間300万ポンド(6億1500万円*1)もの植物関連の事故費用がかかると推定しました
  新しいFFCCTV(Front Facing CCTV、前方監視カメラ)は、今年5月から12ヶ月間の試験のため、LNERの"AZUMA"車両の運転室に設置されました。運行中のAZUMA車両は現在、イースト・コースト本線のインフラ監視と保守のデジタル化に重要な役割を果たしています。このソリューションは、最新の人工知能(AI)カメラセンサーテクノロジーを使用しています。
  潜在的な危険の検出を自動化し、メンテナンスが必要な場所を特定することで、インフラのメンテナンスにおいて先を見越したアプローチが可能になります。同様にこの試験では、イースト・コースト本線でメンテナンスが必要な時期と場所を最適化するための知見やガイダンスを得ることができます。
  日立レールは、デジタルサプライヤーのクロステックと協力して、パイロットプロジェクトを進めています。クロステックは、ネットワーク・レールのAIテクノロジーの成功を支えている英国のスタートアップ企業であり、コンピュータビジョン技術を使用し、前方に設置されたビデオカメラから直接データを取得し、線路と周辺環境をリアルタイムで監視します。

  FFCCTV監視ソリューションは、クロステックのテクノロジーと、システムインテグレーション、運用、顧客インターフェイスを支援する日立レールのデジタル専門知識を組み合わせて開発されました。これは、英国の中小企業によるイノベーションを育成し、サポートするグローバルな鉄道ビジネスの優れた事例です。
  新しく開発されたFFCCTVは、線路架線列車自体をリアルタイムで監視できる日立の幅広いデジタルアセットモニタリングソリューションを提供します。これらのデジタルソリューションは、単独で、または組み合わせて動作し、自動化されたより正確な監視を可能にし、鉄道の近代化を支えています。

*1
1ポンド=205円で計算

ネットワーク・レール Route Engineer, Johanna Priestley(ジョアンナ・プリーストリー)氏のコメント

「線路沿いの植物は鉄道網において唯一の生きている資産であり、列車に対する潜在的なリスクは常に変化していることを理解する必要があります。車両前方の映像を使用することで、運転士の視点から「見る」ことができます。この技術を使用すると、運行中の鉄道路線のどこに植物が侵入していて、列車や架線などのインフラに接触する危険性があるかを把握できます。また、信号機や踏切への接近時に、長く伸びた植物によって運転士の視界が損なわれている場所を特定することもできます。この取り組みにより、お客様の列車移動の信頼性を高め、運行遅延のリスクを最小限に抑えることができます。」

LNER Engineering Director, Linda Wain(リンダ・ウェイン)氏のコメント

「LNERでは、お客様に当社のサービスをご利用いただく際に、お客様により良いサービスを提供するため、どのようにパフォーマンスを向上させ、革新していくかを常に検討しています。私たちは、このデジタル試験で業界のパートナーと協力できることを嬉しく思います。電車の運転台に搭載されたテクノロジーは、インフラに関するリアルタイム情報や最新情報を提供し、潜在的な問題を明らかにしていきます。」

日立レール Senior Director, Sales UK & Ireland, Nick Hughes(ニック・ヒューズ)のコメント

「私たちは、このデジタルモニタリングソリューションがお客様の混乱を減らし、より便利な移動を支えられることを誇りに思っています。この試験は、日立レールが英国のスタートアップ企業と協力し、デジタルイノベーションを支え、価値を提供する信頼できるパートナーであることを示しています。FFCCTVは新しく開発されたデジタルアセットモニタリングソリューションを提供するものであり、英国を走行する列車のリアルタイムのデータ収集と可視化に変革をもたらす可能性を秘めています。」

クロステック Haydon Bartlett-Tasker(ヘイドン・バートレット-タスカー)氏のコメント

「クロステックのチームは、パートナーと協力して、市場をリードするコンピュータビジョンインフラの検査分析をイースト・コースト本線に提供できることを嬉しく思います。このプロジェクトは、ネットワーク・レールとの英国東部および南部地域での長年にわたる協力関係の証です。より安全で高性能な鉄道輸送の実現に向けて、ネットワーク・レールがFFCCTVコンピュータビジョン技術を採用し、その利点を最前線のチームが引き続き乗客や貨物のお客様へ提供できる重要な進歩です。」

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。

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