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ステークホルダーとの対話

ステークホルダーとの対話を通じた経営課題の把握

社会イノベーション事業を推進する日立は、それぞれの国・地域のさまざまな社会課題を的確に察知し、お客さまをはじめ、政府・自治体、学術団体・研究機関など多様なステークホルダーとの協創による課題解決に取り組んでいます。

昨今のESG投資の高まりを受け、株主・投資家と財務・非財務情報の両面での対話を積極的に行うとともに、非財務情報の開示改善に向けた協創にも注力しています。今後も日立はステークホルダーとの積極的な対話を進め、そこでの学びを経営へ生かしていくことによりサステナブル経営を実現していきます。

ステークホルダー 主な課題 エンゲージメント手段(2023年度実績)
お客さま より良い製品・サービスの創出、 苦情への対応、適切な製品・サー ビス情報の開示
  • 顧客満足向上に向けた活動
  • 営業活動
  • Webサイト
  • CM
  • 「グローバルプランドキャンペーン」 (14カ国)
  • 「Hitachi Social Innovation Forum」(来場者約6,700人)
株主/投資家 適時適正な情報開示と資本市場からの適切な評価・支持の獲得、経営への株主・投資家の視点の反映
  • 決算説明会 (4回)
  • 株主総会 (1回)
  • 事業戦略説明会「Hitachi Investor Day」(1回)
  • 機関投資家・アナリストとの個別ミーティング(約780件)
  • IRツール (統合報告書・事業報告など)
  • 株主・投資家向け情報Webサイトでの情報開示
調達パートナー 公正な取引関係づくり、より良いパートナーシップに向けた円滑な情報共有
  • 調達活動
  • サステナビリティ評価(3,227社)
  • サステナビリティ監査(150社)
  • サステナブル調達説明会(269社)
従業員 適正な処遇、労働安全衛生の推進、従業員エンゲージメントの向上
  • イントラネット/社内報
  • 研修
  • 経営層と従業員のタウンホールミーティング
  • 従業員サーベイ (1回)
  • アイデアコンテスト「Make a Difference!」
政府/自治体/業界団体 国内外の法令・規制への対応、政策への提言、産官学連携プロジェクトへの参画
  • 国際機関、各国政府への政策提言、ロビー活動
  • 財界・業界団体への参加
  • 政策審議会への参加(日本)
地域コミュニティ 企業市民としての責任遂行、地域コミュニティへの参画
  • 事業を通じた地域コミュニティへの貢献
  • ボランティア活動への参加
学術団体/研究機関 学術団体/研究機関 技術革新の推進、産官学連携プロジェクトへの参画
  • オープンイノベーション (共同研究)
NGO/NPO 幅広い社会の声の取り入れ、ステークホルダー重視経営の推進、非営利活動を通じた社会への貢献
  • 協働による対話
地球環境 脱炭素・高度循環・自然共生社会の実現
  • COP28への参画

注釈:日立では、調達先(いわゆるサプライヤー、ベンダー、プロバイダー等)を「対等な立場で一緒にビジネスをつくり上げるパートナー」に位置づけており、「調達パートナー」と表現しています。

ESG情報開示研究会

グローバルで激変するESG情報開示動向にどう向き合うかは、日本の多くの事業会社、機関投資家にとって大きな課題です。日立製作所は、この課題にステークホルダーとの協創を通じて対応しています。グローバル動向も睨みつつ長期的な企業価値向上に資するESG情報開示の在り方を探るべく、日立が主導して、2020年6月に一般社団法人ESG情報開示研究会を設立しました。当初19社でスタートした本研究会は、2024年6月末現在では、100を超える事業会社、機関投資家、監査法人、公的機関が参画しています。
活動はテーマごとにフェーズに分けて行われ、2024年6月には活動成果をまとめた「ESG情報開示研究会 活動報告書2024 〜世界をリードする高質な開示と対話をめざして〜」を発行しました。この中で、事業会社・機関投資家・開示基準設定機関に向けたESG情報開示に係る提言をまとめ、国内外の関係機関へ発信しています。日立製作所は本研究会で共同代表理事を務め、本活動をリードしています。

京大日立共同プロジェクト

サステナビリティ経営進化のための重要な取り組みの一つは、事業活動が創出する環境価値・社会価値といった非財務価値や人財施策等の無形資産施策がどのような財務インパクトをもたらすか、非財務と財務の関係性を明らかにすること、また、将来のサステナビリティ経営のあり方を探索することが重要です。
日立製作所は2021年より京都大学経営管理大学院との協創による実証研究を通じて、この課題に取り組んでいます。学術的な様々なアプローチにより、過去から現在までの日立製作所の環境や人財への取り組みが、財務指標(ROIC/WACC)や収益等に正のインパクトを与えている可能性があることを定量的に確認しました。また、京都大学と日立で共同開発したAIを活用し、現在の日立の財務・非財務の様々なデータ、市場動向データをもとに、2035年の日立のサステナブル経営の姿をシミュレーションし、11通りのシナリオとここへ至る分岐点と打つべき施策について明らかにしました。このように過去〜現在〜未来にわたるESGへの取り組みを学術的アプローチやAIを活用して分析することで、経営進化につなげていきます。

[画像]高度化に向けて