県内の農地情報を集約した広域農地GIS
広域農地GISでは、県内全域の農地台帳、水田台帳、耕作放棄地情報を筆界ごとに航空写真や国土地理院が発行する基盤地図上に表示することができます。合計約150万の農業用地を「農地」「水田」「耕作放棄地」といった区分で表示でき、さらに各用地に関連づけられた情報(面積、所有者、栽培品目など)を筆界ごとに80件のデータを俯瞰できる仕組みとなっています。
現在、県庁ネットワーク内の端末から各課が参照できる広域農地GISでは、これまで可視化できなかった各種情報を地図と関連づけながら見渡せることで、市町村間の枠を超えた広域的なシミュレーションや施策展開を支援する基盤となります。各種施策の進捗管理や効果検証も可能となり、業務処理の効率化に貢献しています。
「いま熊本県では、多様な農業の展開と耕作放棄地の有効活用を進めるため、六次産業化(*)や農業への企業参入支援などに取り組んでいます。現在その施策計画では市町村ごとの個別版GISから地図や情報を切り出し、手作業で集計しながら資料を作成しているため手間と時間がかかっています。しかし広域農地GISでは県内全域で業務要件に合致する情報の検索や色替えができるため、作業の効率化が期待できます」と藤本氏は語ります。
熊本県に導入した広域農地GISの概要