生産計画調整システム SCPLAN/PAL
市場環境が急速に変化する中、製造業では多品種少量生産や短納期化などへの対応が、勝ち残りをかけた急務の課題となっています。
しかしその現場では、日程変更や特急注文が多発する一方、部品の遅延や設備故障など、さまざまな不測事態が起こるため、不正確な納期回答や製品・部品在庫の過不足などが慢性化し、機会ロスにつながるケースが多発しています。
そこで日立は、実績あるSCP(*1)パッケージ「SCPLANシリーズ」の新モジュールとして、優先度・部材納期・生産能力などを考慮して受注順に迅速・正確な納期回答を実現する「生産計画調整システム SCPLAN/PAL(*2)」を開発。
納期順守率の向上、在庫の適正化などにより、お客さまの競争力向上を強力に支援していきます。
製造業におけるさまざまな問題点
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SCPLAN/PALは、オーダーの優先度や生産能力、部材手配の状況などをトータルに考慮しながら、フォワード方式による「日」単位での納期回答を迅速・正確に提供するという、これまでにないユニークな機能を具現化した日立ならではの生産計画調整システムです。研究・開発からシステム構築までをワンストップでご提供することで、充実したサポートと、さまざまなタイプの基幹システムと連携できる柔軟性を持ち、お客さま企業の競争力強化とお客さま満足度の向上を強力に支援いたします。
販売・物流・生産の各部門を統合したSCM(*3)実現をお考えのお客さまは、ぜひ日立のSCPLANシリーズとSCMソリューションをご活用ください。
厳しい市場環境の中、お客さま満足の維持・向上と受注率アップをめざすには、迅速・正確な納期回答が欠かせません。たとえ注文時に欠品状態だったとしても、受注の優先順位に基づいた正確な納期をスピーディに回答し、その納期を順守するというサイクルを継続的に回していけば、得意先からの評価と満足度は確実に向上していきます。
そこで日立は、注文の優先度や工場の生産能力、部材手配の状況などをトータルに考慮しながら、迅速・確実な納期回答を実現する「生産計画調整システム SCPLAN/PAL」を開発しました。SCPLAN/PALは、日立の生産技術研究所が社内事業所での豊富な適用実績をベースに開発した日本発の製造業向けSCPパケージ「SCPLANシリーズ」の新モジュールとして提供されます。
従来から日立は「SCPLAN/PPS(*4)生産計画・調達計画モジュール」において、お客さまからの要求を製品在庫や生産計画に引き当て、出荷可能であるかどうかを算出する納期回答機能を提供してきました。同機能が主に「納期順」での回答に特化し、後工程から前工程にさかのぼって計算するバックワード方式のみであるのに対し、SCPLAN/PALは納期変更や特急オーダーの割り込みにも対応できる「受注順」にも算出可能で、最短納期を算出できるフォワード方式を採用しているのが大きな特長です。
また、SCPLAN/PALは部品調達日数を日単位で考慮する独自のアルゴリズムで、実現可能な納期をスピーディに算出できるという特性も持っています。SCPLAN/PALを導入いただくことで、これまで遅れがちだった納期回答のスピードが大幅に速まるだけでなく、生産能力や部材不足を考慮したリアルな納期が算出できるため、特急オーダーが入っても、営業担当者や生産現場に混乱を招くような事態を最小化できます。お客さまからの信頼と受注を維持する戦略的な納期回答ツールとして、SCPLAN/PALをお役立てください。
SCPLANシリーズは、メモリー展開による高速なMRP(*5)計算とネットチェンジ(部分再計算)もしくはリジェネレーション(一括全部計算)機能によって、計画変更時のシミュレーションと実行可能な調達・生産計画をスピーディに立案できる「高速MRPエンジン」を備えています。SCPLAN/PALの納期回答にも、この高速MRPエンジンが適用されており、所要量の算出とフォワード計算による実行可能日程への調整を大幅にスピードアップすることが可能です。
生産計画調整システム SCPLAN/PAL
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例えば、実際にSCPLAN/PALを導入されているお客さま例で示しますと、計画対象期間6か月の間で計画数が15,000、対象品目点数が28,000点程度の場合、その計算はバッチ処理で約30秒で終了します。納期回答に特化した機能のため、処理が非常に高速で、基幹システムのマスターを活用した正確な納期を算出できます。
また必要に応じて調整を行い、オーダーごとの遅延状況も確認できるため、お客さまからの要求納期を満足できない場合でも、出荷可能な納期を迅速に求め、事前に余裕をもって納期調整を行うことが可能となります。これにより、社員のノウハウや習熟度に左右される状況も改善でき、業務の標準化や人財の適正配置に寄与します。
SCPLAN/PALでは基本的に、「優先度」を最優先キーとして納期回答をフォワードで積み直していく仕組みを採用しています。この「優先度」に受注日を設定することで、機能を実現できます。具体的には、まず受注情報を要求納期に山積みし、部材割当可能リソース検索を行い、部材の引当日程を調整。部材の調達が間に合わない場合は、基準日(または確定期間終了日)から調達リードタイムを考慮して出荷可能な納期を算出します。このため、追加注文や数量増加といった特急注文が入った場合でも、常に最初に注文をいただいたお客さまの納期を確約しつつ、2番目、3番目以降のお客さまに対しても、迅速・正確な納期回答を実現できるのです。
またSCPLAN/PALは、SCPLANシリーズならではのBOP(*6)アーキテクチャーを採用しています。生産を工程のつながりで表現できるため、物流区間や作業・製造工程ごとに、リードタイムや順序性などを定義し、「外注」や「支給品」といった、日本の製造業に不可欠な要素を加味した現実的な計画が立案できるのも大きな特長です。
SCPLAN/PALは、部材調達日程だけでなく、生産能力も考慮した日程調整が可能です。生産能力の確保は、着手日を基準として、製造リードタイム内で連続に確保可能な個所に調整します。生産能力を確保する際には確定期間以降に調整を行うほか、確定計画については調整を行わず、元々の日程で生産能力を確保します。また、代替工程に割り付ける場合(ショップグループ使用)、生産能力を超えた負荷については、均等に配分した後、調整を行います。これにより後倒し日数を最短にすることが可能となります。