
A社システムのサーバ・コンソリデーション(統合)例
導入作業に際しては、日立のサービス・サポートも大きな力となった。iSiD IT コンサルティング1 部部長倉持保彦氏は「新しいものを入れる上ではいろいろと苦労もつきまといますが、日立はサーバ、ディスクを含めてすべての部分でサポートしてくれました。これは大きな強みだと思いますね」と語る。
使い勝手や性能に対する満足度も高い。「大型のサーバなので操作や運用性で少し違和感があるかと思いましたが、今までのサーバと変らない感覚で使えます」と語る梅澤氏。倉持氏も「C P U にしろメモリーにしろ、まだ余裕があるという感じです。基幹のERP パッケージなどを動かして見ても、今までのマシンより何倍も速い印象を受けました」と続ける。この言葉を裏付けるように、以前別のハードウェアでリハーサルを行ったシステムを試験的に走らせて見たところ、わずか半分程度の処理時間で済んだという。
superdome が搭載するHP‐ UX11i は、従来のHP‐ UX10.20 、HP‐ UX11.00 とバイナリレベルでの互換性を備えている。このため当初はOS のバージョンアップに伴う不具合なども予想していたが、実際には大きな問題になるような障害はほとんどなかった。
現在はA 社のシステムでは2 台のsuperdomeを導入し、「MC/ServiceGuard 」を用いた相互縮退HA 構成を採用。エンタープライズシステムに求められる万全の信頼性・可用性も実現している。
「パーティション機能を利用して1 台を8 セルに分割し、WorkLoadManager で負荷分散を行いながら複数のシステムを稼働させています」と説明する大金氏。目的と用途に応じてこうした柔軟な構成が取れるところも、superdome の大きなメリットだ。梅澤氏も「プロセッサを必要に応じて利用できるiCOD*のような仕組みを備えている点も気に入っていますね」と力強く語る。
*インスタントキャパシティオンデマンド:必要プロセッサと待機プロセッサを導入し、負荷増大時にコマンド操作で待機プロセッサを利用可能にする機能
次世代のビジネスを切り拓く強力なシステム基盤を実現
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今回の統合対象となったシステムには、自社開発されたシステムも数多く含まれている。superdome を採用したことで、今後はこうしたシステム開発の生産性も高まると期待されている。「従来は各開発プロジェクトが個別に環境を構築して開発を行っていました。しかし今後はsuperdome がインフラとなるため、必然的に標準化が進むことになります。これは効率的なシステム開発を行う上で、大きなメリットとなるでしょう」(大金氏)
各システム開発担当者が、個別にキャパシティプランニングなどを行っていたのではどうしてもムダが発生する。現実に余分なCPU やディスクを抱えているシステムも多かった。しかしsuperdome を導入したことで、システムコストを最適化することが可能になったのだ。
また今回のシステムはレンタルの形で導入されているが、これもコスト削減に威力を発揮。大金氏は「ハードウェアコストは従来機のリース料より安いぐらい」と満足げに語る。superdome では利用した分だけ課金される、いわゆるユーティリティ・プライシングも将来提供が予定されている。顧客に最適なコストでサービスを提供するために、こうした制度も活用していきたいとのことだ。
倉持氏は「superdome はHP‐ UX だけでなく、将来的にはWindows 2000 などにも対
応できる。この強力なシステム基盤を活かして、さらにシステムを発展させて行きたい」と抱負を語った。