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2009年6月3日
株式会社日立製作所
日立アプライアンス株式会社

冷蔵庫の不当表示に関する再発防止策
およびコンプライアンス強化策について

  株式会社日立製作所(執行役会長兼執行役社長:川村隆/以下、日立)ならびに日立アプライアンス株式会社(取締役社長:石津尚澄/以下、日立AP)では、2009年4月20日に、日立APが公正取引委員会より、「冷蔵庫 総合カタログ」およびウェブサイト、新聞広告、ポスターの表示内容に関して、不当景品類及び不当表示防止法(以下、「景品表示法」)に基づく「排除命令」を受けたこと、また、日立APが2009年2月10日に冷蔵庫9機種で受賞した「平成20年度省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞」(以下、「省エネ大賞」)の受賞を返上し、取消しとなったことにつきましても、お客様および関係の皆様に大変なご心配とご迷惑をおかけしたことを、あらためて深くお詫び申し上げます。

  日立および日立APでは、お客様をはじめ多くの方々の信頼を裏切る事態を招いたことを重く受け止め、深く反省するとともに、このようなことを二度と繰り返さないために、徹底的な社内調査による原因究明と再発防止に向けた包括的な取り組みを進めてきました。日立では「製品環境情報管理強化本部」を設置し、日立および日立グループ会社における類似事例の有無の調査と共通課題の抽出を行い、現在、再発防止に向けて取り組んでいます。また、日立APにおいても、「緊急対策本部」を設置し、原因究明の結果を踏まえ、再発防止に向けた社内管理システムを構築し、始動させるとともに、社外弁護士等専門家による社内教育の実施をはじめとするコンプライアンス強化に向けた社員の意識改革を強力に推進していきます。これらの日立および日立APにおける両社の取り組みについて、お知らせします。

1. 日立での取り組み

  日立では、適切な製品環境情報の管理を目的に2009年4月27日に「製品環境情報管理強化本部」(本部長:執行役副社長 八丁地隆)を設置し、日立および日立グループ会社における類似事例の有無の調査、日立グループに共通する課題の抽出、再発防止策およびコンプライアンス強化策を策定・推進しています。その内容は下記の通りです。

(1) 類似事例の有無の調査

今般「排除命令」の対象となった製品以外の日立および日立グループ会社の製品について、類似事例の有無を調査しました。現時点の調査内容と結果は下記の通りです。

  1. 調査対象 : 日立および日立グループ会社の製品
  2. 調査範囲 : カタログ、ウェブサイト、新聞広告、ポスターに掲載されている製品環境情報
  3. 調査結果 : 現時点で日立APが「排除命令」を受けたものと同様の事例は確認されていません。
    但し、一部の製品で、誤植、お客様に対して不親切な表示、誤解を招きかねない表示などが確認されました。これらについては、今回の反省をもとに、速やかに表現を改める対策を講じるとともに、再発防止に取り組んでいきます。

(2) 日立および日立グループ会社における共通課題の抽出

親会社として、本件の原因および問題点の分析を日立APとともに実施し、日立および日立グループ会社の共通課題を下記の通り抽出しました。

  1. 技術開発、製品設計、広告、表彰申請の各業務プロセスにおいて、製品環境情報の整合性を確認する仕組みはありましたが、これらを全体で網羅的に確認する仕組みがありませんでした。
  2. 広告宣伝物全般の表現については、全社基準等を定めていますが、その運用は個別の製品を担当する事業グループおよび日立グループ会社に任されており、その運用状況の適切さを定期的に見直し、また客観的に検証する仕組みがありませんでした。
  3. 環境に配慮した製品への社会的な関心が高まるなか、製品環境情報の訴求表現に対する社員の理解が十分ではありませんでした。

(3) 再発防止策およびコンプライアンス強化策の策定

上記の調査結果および抽出した共通課題を踏まえ、下記の再発防止策とコンプライアンス強化策を決定しました。これらの施策を日立および日立グループ全社で速やかに実行し、信頼の回復に努めてまいります。

<再発防止策>
  1. 日立の会社規則を改訂し、製品環境情報の取扱いに関する規定を明確化します。具体的には、「環境CSR対応製品環境情報規則」および「環境関連表彰応募申請規準」を新たに設け、各業務プロセスにおける製品環境情報取扱いの責務、環境関連表彰申請の責務を明確化し、全体を網羅的に確認します。さらに、日立グループ会社においても、これらの会社規則に準じた体制を整備していきます。
  2. 日立および日立グループ会社において、これらの再発防止策を周知徹底するとともに、製品環境情報管理に関する講座を、新たに社員教育に組み込みます。
<コンプライアンス強化策>
  1. 今後公開する、あるいは既に公開している製品環境情報の表現が適切であるかを指導し、定期的に確認するために、新たに、社外有識者が加わった「アドバイザリーグループ」を日立に設置します。また、これらの製品環境情報管理に関する運用が適正に実行されているかを定期的に監査します。
  2. 日立および日立グループ会社において、「和」「誠」「開拓者精神」の日立創業の精神に立ち返り、社員一人ひとりがそれぞれの立場で「お客様視点」の情報発信のあり方を考えるために、2008年度より全社で取り組んでいる「基盤強化08-09」運動の主要テーマである「『日立の心』の再確認」活動の一環として、企業倫理教育も含めた教育体系を整備し、教育を徹底していきます。

2. 日立APでの取り組み

  日立APでは、「排除命令」および「省エネ大賞」取り消し処分に対する改善施策を展開するため、2009年4月22日に「緊急対策本部」(本部長:取締役社長 石津尚澄)を設置し、原因の究明と、再発防止に向けた社内管理システムの構築やコンプライアンス強化に向けた社員の意識改革などを推進しています。その内容は下記の通りです。

(1) 今回の不当表示の原因究明

  1. 社員の意識の問題
    設計・開発部門は本来、環境性能を含めた、商品の全ての性能、機能を把握して「ものづくり」を進めるべきところ、技術の専門家として独善的に商品化を進め、一方、宣伝部門も、販売促進の視点を優先した情報発信を行うなど、会社全体として、社員の意識からお客様の視点が欠如していました。
  2. 社内チェック体制、ルールの不備
    設計・開発部門と事業企画・宣伝部門の間の十分な意思疎通を確保する仕組みが確立しておらず、また社外に提出する申請書や資料等についても、組織的・体系的チェック体制が不十分でした。

(2) 日立APの再発防止策およびコンプライアンス強化策の策定

<再発防止策>
  1. 新たに設計・開発部門、商品企画部門および宣伝部門担当者からなる「商品別ワーキングチーム」を本年5月に設置しました。これにより、環境性能やお客様志向の性能項目を加えた、新たな仕様書を作成し、この仕様書の記載内容に基づいた訴求・表記を徹底します。
  2. 各事業所に本年5月に「対外文書管理室」を、また本社に「文書・表示監査室」を設置しました。これらの部署において、商品に関する訴求資料や公共性が高い社外表彰への応募・申請書類などの表現をチェックします。また、これらの業務が適切に実施されているか、「文書・表示監査室」による監査を年1回以上実施します。
<コンプライアンス強化策>
  1. 本年5月に社内説明会を開催し、今回新たに導入した組織的・体系的チェック体制について周知徹底を図っているほか、景品表示法・公正競争規約の理解およびコンプライアンス意識徹底のため、6月以降、社外弁護士等専門家による社内教育を早急に実施します。
  2. 全社的な運動として「商品性向上運動」を展開し、お客様の視点からの商品開発および訴求を徹底します。また、社員から「文書・表示監査室」へ表示に関する意見等を広く吸い上げられる仕組み作りを行います。

3. 責任者の処分について

  今回の「排除命令」と「省エネ大賞」の取消し処分を重く受け止め、日立AP役員に対する処分を行いました。経営責任者である取締役社長 石津尚澄と、冷蔵庫を含む白物家電事業部門管掌の常務取締役 石井吉太郎について、減俸30%(2ヶ月間)、宣伝部門管掌取締役 川口光男について減俸10%(2ヶ月間)としました。
  また、日立においても、本件にかかわる処分として、コンシューマ事業責任者であるコンシューマ事業グループ長&CEO 渡邊修徳を厳重注意としました。

  日立APでは、今後、このようなことが起きないよう、再発防止を徹底していくとともに、日立では、日立グループ会社における再発防止とコンプライアンス体制の更なる強化に取り組み、お客様および関係する皆様からの信頼の回復に努めてまいります。

  本件に関するお問い合わせは、下記にて承ります。お手数をおかけいたしますが、宜しくお願い申し上げます。

お客様からのお問い合わせ先

お客様相談センター
電話0120-3121-11 (フリーコール)
時間9:00〜17:30(月〜土)
9:00〜17:00(日・祝日)

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以上

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