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社会

品質・製品安全

品質保証活動の考え方

考え方・方針

日立は、創業の精神である「和・誠・開拓者精神」のもと、「基本と正道」「損得より善悪」という価値観を大切にし、「品質、信頼性第一」を徹底しています。失敗を分析して徹底的に学ぶことを通して、技術を発展させる「落穂拾い」の精神に基づき、品質保証活動に取り組んでいます。
「日立グループ企業倫理・行動規範」において、製品・サービスの提供にあたってはお客さまのニーズや仕様を満たし、関連法令や基準を充足することはもとより、必要に応じて自主基準を設定し、品質と安全性を確保することを掲げています。会社規則集の品質保証規程においても品質保証の基本理念を示しており、従業員への周知を図っています。

日立グループ企業倫理・行動規範

品質ガバナンス体制

体制

日立は、品質ガバナンス統制を徹底するため、事業部門内の品質保証部門を設計部門、製造部門から独立させ、お客さまの安全と安心を第一に行動できる体制としてきました。この体制をさらに強化するため、品質保証部門を事業部門から独立させるとともに、本社の品質保証統括本部へのレポートラインを強化し、両者間で密な情報共有を図る仕組みを構築しました。加えて、本社の品質保証統括本部の権限を強化することでガバナンスをより一層強化しています。
日立グループで製品事故が発生した際は、管理元のビジネスユニット(BU)およびグループ会社の品質保証部門より、本社の品質保証統括本部に報告し、取締役会長・執行役社長兼CEOを含めた経営幹部にも週次で報告しています。また、重大事故発生時には、事故を把握してから速やかに、BUおよびグループ会社の品質保証部門より取締役会長・執行役社長兼CEOを含めた経営幹部に報告しています。この対応手順については半年ごとに見直し、必要に応じて改善しています。

品質ガバナンス体制図

図:品質ガバナンス体制図

グローバル品質保証体制

日立は、重点施策としてグローバル品質保証体制の強化に取り組んでいます。具体的には、品質保証活動の基本理念のグローバル展開、海外グループ会社からの事故報告、さらに国内と同様に事業部門から独立した品質保証レポートラインの確立、「落穂拾い」の実施などを推進しています。

品質保証活動

活動・実績

マテリアリティ

日立は、製品の企画・開発から設計・製造・試験・納入・保守サービスに至るすべてのプロセスにおいて、「組織・管理」「技術」「人財」の観点から品質保証強化活動を推進しています。「『未然防止』が品質保証の本分」という考えのもと、「事故再発防止」にとどまらない「事故未然防止」活動を行っています。

サービス・ソフト・セキュリティ品質強化活動

日立は、事業規模が拡大するソフト・サービス分野での品質強化を図るため、サービス・ソフト品質強化本部を設置し、品質強化活動や課題を共有するとともに、ソリューション部門がもつソフト開発力やノウハウをプロダクツ系部門に展開し、高度化・複雑化するソフトの信頼性強化を図っています。さらに製品のネットワーク接続、オープン化により増大するセキュリティリスクに対応するため、製品・サービスのセキュアな開発・保守プロセスの整備と適用を推進しています。

技術法令の遵守

日立は、製品にかかわる各国・地域の法規制および改正の動向、施行日などを社内に周知しています。また、各製品に関連する製品法令マップや、製品遵法マネジメントシステムによって法令遵守を図り、そのプロセスを継続的に改善しています。

製品・サービスの安全設計および安全性モニタリングの徹底

日立は、製品・サービス開発の際は、生命・身体・財産の安全を最優先で設計し、開発から生産、販売、保守に至るすべてのプロセスで安全性を確認しています。その際、設計(本質的安全設計)によるリスクの低減、保護手段(安全防護)によるリスクの低減、取扱説明書など使用上の情報によるリスクの低減の優先順位に基づき安全性を確保しています。また、関連するBUや研究所と連携した幅広い見地からのリスクアセスメントを実施しています。

品質マネジメントシステムに関する国際規格の認証取得

活動・実績

日立は、品質マネジメントシステムに関する外部の審査機関による認証を受け、第三者による評価を事業活動の改善に活かしています。 グローバルで製品分野ごとに求められる品質マネジメントシステム認証を受けており、下表はその一例です。

品質マネジメントシステム認証

分野 認証名称 認証取得拠点数
品質全般 ISO 9001 1,015拠点
鉄道 ISO/TS 22163 13拠点
医療機器 ISO 13485 20拠点

Note :2024年6月末時点の調査結果

製品の品質保証に関する外部監査

活動・実績

日立は、認証製品などを対象に、定期的に製品の安全性に関する外部監査を受けています。
認証を受けた製品にはマークが表示され、認証後も認証製品の定期的な外部監査を受けることで、品質維持の有効性が確認されています。

Sマーク:電気製品認証協議会が運営する第三者認証制度に基づき、第三者の認証を受けた電気製品に表示(外部監査の頻度:1回/年、監査対象:製品および工場の品質管理)

ULマーク:認証企業であるUL Solutionsが定めた安全基準に適合している製品に表示(外部監査の頻度:4回/年、監査対象:製品)

品質・信頼性教育の実施

活動・実績

日立は、製品サービスの安全性を含む品質や信頼性に関するさまざまな教育や研修を、対象者に応じて定期的に実施しています。全従業員向けには、常時受講可能な「日立の品質に対する理念」についてのeラーニングを提供しているほか、新入社員教育や、役職別、役員向けの研修でも品質保証をテーマに取り上げています。また、各種信頼性にかかわる基礎講座から専門向けの技術講座までを毎年開催しています。各BUでも、製造・品質保証・保全に関する技術の向上を図るなど、専門技術教育を行っています。

製品の安全性に関する事故発生時の対応

活動・実績

日立は、事故の発生時には、製品担当部署が中心となって迅速に対応にあたり、製品の技術上の原因のみならず、事故に至ったプロセス・組織・動機的原因、再発防止について徹底的に議論し、製品の安全性を確保しています。
重大な事故の場合は、速やかに経営層に状況を報告し、法令に基づいた所管官庁への報告、Webサイトなどを通じたお客さまへの情報開示を行うとともに、日立一体となって迅速かつ適切な措置を講じる体制を整えています。
製品に対し遡及して対策を講じる必要があると判断した場合には、新聞広告やWebサイトなどで告知し、修理や交換などを行っています。

事故発生時対応フロー

図:事故発生時対応フロー