CEOメッセージ

日立は社会イノベーション事業のグローバルリーダーをめざして、10年以上にわたるトランスフォーメーション・ジャーニーを続けています。
「社会イノベーション事業」は、日立がもつIT、OT(Operational Technology)、プロダクトを活用して顧客と共に社会課題を解決する事業です。顧客協創フレームワークLumadaにより、デジタル、グリーン、コネクティブの３つの技術潮流に沿った多様な事業ポートフォリオで、社会と産業のDXとGXを支援しています。
現在の2024中期経営計画では、オーガニック成長へと大きくかじを切り、Lumada事業を主軸に、グローバルに社会イノベーション事業を拡大させ、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現して人々の幸せを支えることをめざしています。日立はこれからも、地球を守り社会を維持することと、一人一人のウェルビーイングの実現を両立させるため、社会イノベーション事業を進化させ、サステナビリティ経営を推進します。

生成AIの登場でデジタル化の需要が急速に増加していますが、複雑化したグローバルな政情や、資源、エネルギー、労働力の供給不足などにより、経済は脆弱性を抱えながら安定成長への道筋を模索しています。生成AIがもたらす社会へのインパクト、気候変動や人口動態などの変化から見えてくる社会課題から新しい成長機会を見いだし、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを一層進める必要があると考えています。
多様化、深刻化、複雑化する社会課題を解決するには、Lumadaの顧客協創フレームワークを活用した課題解決力を強化していく必要があります。日立グループには、これまでの事業ポートフォリオ改革やM&Aなどを通して新たに迎えたグローバルで多様なバックグラウンドや専門性をもつ仲間たちがいます。これらの仲間たちは、世界中のお客さまと協創し、社会課題を解決するために欠くことができない人的資本です。
日立がもつ「デジタル」「グリーン」「コネクティブ」という、多様性のある事業も、複雑化する社会課題に対応したソリューション創出に大いに貢献しています。このような多様性を強みとして活かす上で重要になるのが、「One Hitachi」のマインドです。
2024年4月にはデジタルによる成長の加速とグローバルでの競争力強化を実現するために、多様なバックグラウンドを有するリーダーを配置し、新しい事業体制を始動させました。Chief Sustainability Officer兼CDEIOであるロレーナ・デッラジョヴァンナがCHROも担当し、サステナビリティ経営の深化をめざします。
サステナビリティ経営の深化には、対立する多様な意見を包摂し、統合された考えを生み出し、One Hitachiのチームワークが発揮されるように導く「インクルーシブリーダーシップ」が重要になります。このようなインクルーシブリーダーが増えることで、社会課題を一緒に解決するお客さまやパートナーなどのさまざまなステークホルダーとのチームワークが強化され、社会イノベーション事業のさらなる成長が見出せると考えています。
日立はこれからもサステナビリティ経営を深化させ、社会イノベーション事業の成長を加速させながら、企業価値向上のトランスフォーメーション・ジャーニーを続けてまいります。今後の日立にどうぞご期待ください。