- 2020年
- 研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部に配属
- 2020年〜
- 自己主権型アイデンティティの実現に関する研究開発。ディープフェイクの脅威や対策技術の研究開発
現在の仕事
セキュリティ技術の 弱点を見つけ、 排除に向けて研究する。
現在関わっている研究のテーマは主に二つあります。一つは「デジタルアイデンティティ・ブロックチェーン研究」です。スマートフォンやクラウドに個人の情報を保存していると、流出や消失の可能性がゼロではありません。そこで、この情報を自分の管理下に置こうというのが自己主権型アイデンティティです。偽造や改ざんが難しいブロックチェーンと、日立の独自技術である生体認証を組み合わせることで、アイデンティティを強固に管理する方法を研究しています。もう一つが「ディープフェイク研究」です。ディープフェイクとは生成AIで人の顔を合成する技術で、著名人になりすました動画が拡散されて話題となったこともあります。これがオンライン口座開設の本人確認にも悪用される危険性があるのではないかと検証を進めています。
仕事のやりがい
私の研究が 暮らしの安心に つながっている。
オンライン口座開設において、他人の運転免許証と合成された顔写真を使って、なりすますことができた実験結果を学会で発表したところ、全国紙の一面や地方紙に多数取り上げられ反響がありました。この経験から、私の研究が暮らしの安心につながっているという実感を得ることができました。ディープフェイク研究は、金融の事業部から依頼を受けて進めている研究です。スマートフォンのフラッシュによる顔の明度変化を検知したり、腕で顔を隠すなどのランダムアクションを取り入れたり、ディープフェイクの対策技術の検討を進めています。新しい研究分野なのでまだあまり手がつけられておらず、研究成果が目に見えて出しやすいというのがモチベーションになっています。研究は楽しいですし、成果を発表できたときは達成感があります。
今後のチャレンジ
最先端の研究に取り組み、 社会に貢献していく。
学生時代に専攻していた純粋数学は、いわば数学への興味を突き詰めていく学問です。好きなことを追究したい、知的好奇心を満たしたいという思いは、昔から私の行動の根底にあったのだと思います。一方で今すぐ世の中のためになることは少ないことから、企業に就職して直接的に社会のためになる研究がしたいと考えるようになりました。日立は、モビリティ、エネルギー、ヘルスケアといった多様な分野で最先端の研究をしており、ここでなら自分に合った分野を探すこともできるし、社会や時代の変化に合わせていろいろな研究ができると思いました。最先端の研究に取り組み、社会に貢献していくこと。それが私の目標です。
ある1日のスケジュール
07:00 | 起床 |
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07:45 | リモートで業務開始 |
07:45-9:00 | 資料作成 |
09:00-12:00 | 社内リモート会議 |
12:00 | 昼食 |
13:00-17:30 | 論文調査、資料作成 |
17:30 | 業務終了 |
17:30-24:00 | 夕食、映画鑑賞等 |
24:00 | 就寝 |
職場環境の特長
コロナ禍に入社したため、ずっとリモート業務なのですが、自宅に集中して作業できる環境がありますし、チームで頻繁にオンライン会議を行っているのでコミュニケーション面でも不自由はありません。また、研修制度も充実していて学びたい研修を選んで受講することができます。休みも取得しやすく、連休と合わせたり週の真ん中で取ったりしています。
フレックス勤務制度を活用し、朝早く仕事を始めて早めに仕事を終わらせるようにしています。早めに終業した日は映画を観に行くこともあります。休日は友人と買い物や食事を楽しんでいます。
就職活動について
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学生時代
純粋数学を研究していました。数学的知識を他分野に適用することを目的とした応用数学とは異なり、数学の概念そのものを研究の対象とする分野です。その中で代数多様体がどのような性質を有するのかを研究する「代数幾何学」を専攻していました。
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入社の決め手
企業に就職して社会のためになる研究がしたいと考えましたが、数学だけをやってきた私にはどのような仕事があるのか分かりません。そこで研究分野が幅広くできるだけ多くの選択肢がある企業で働きたいと説明会を回り、見つけたのが日立でした。
学生のみなさんへメッセージ
リクルーターをやっていると「大学の専攻は違いますが、大丈夫ですか」という質問を受けます。知識は働きながら得られるし、先輩から学ぶこともできます。教育制度も整っているので、心配しなくて大丈夫です。日立なら新しい分野にチャレンジできますし、興味のあるテーマに自主的に取り組むことができますよ。
MOVIE
- 「未来を変えるのは」編
- 「未来を変えるのは、私」編