日立ディスクアレイシステムにおけるSVP セキュリティホール
(MS16-051〜062,064〜067)対策について
2016年5月20日
(株)日立製作所 ITプロダクツ統括本部
1. 日立ディスクアレイシステムに対するセキュリティホール対策のお知らせ
Microsoft製品に対して、以下に示すセキュリティホールが公開されました。
[新規情報]
- MS16-051:Internet Explorer用の累積的なセキュリティ更新プログラム(3155533)
- MS16-052:Microsoft Edge用の累積的なセキュリティ更新プログラム(3155538)
- MS16-053:JScriptおよびVBScript用の累積的なセキュリティ更新プログラム(3156764)
- MS16-054:Microsoft Office用のセキュリティ更新プログラム(3155544)
- MS16-055:Microsoft Graphicsコンポーネント用のセキュリティ更新プログラム(3156754)
- MS16-056:Windows Journal用のセキュリティ更新プログラム(3156761)
- MS16-057:Windows Shell用のセキュリティ更新プログラム(3156987)
- MS16-058:Windows IIS用のセキュリティ更新プログラム(3141083)
- MS16-059:Windows Media Center用のセキュリティ更新プログラム(3150220)
- MS16-060:Windowsカーネル用のセキュリティ更新プログラム(3154846)
- MS16-061:Microsoft RPC用のセキュリティ更新プログラム(3155520)
- MS16-062:Windowsカーネルモードドライバー用のセキュリティ更新プログラム(3158222)
- MS16-064:Adobe Flash Playerのセキュリティ更新プログラム(3157993)
- MS16-065:.NET Framework用のセキュリティ更新プログラム(3156757)
- MS16-066:仮想保護モード用のセキュリティ更新プログラム(3155451)
- MS16-067:ボリュームマネージャードライバー用のセキュリティ更新プログラム(3155784)
日立ディスクアレイシステムのSVPにおける、上記(1)〜(16)の脆弱性の影響は下記の通りです。
- 本件は、Internet Explorerの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPは本件の対象となるInternet Explorerを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Microsoft Edgeの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPでは、本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、JScriptおよびVBScriptの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたWebサイトにアクセスする必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Microsoft Officeの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPはサブシステム管理専用装置であり、Microsoft Officeがインストールされることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Microsoft Graphicsコンポーネントの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたWebサイトにアクセスする必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Windows Journalの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたジャーナルファイルを開く必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Windows Shellの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPでは、本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Windows IISの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたアプリケーショを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Windows Media Centerの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPはサブシステム管理専用装置であり、Windows Media Centerがインストールされることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Windowsカーネルの脆弱性により、特権が昇格されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたアプリケーションを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Microsoft RPCの脆弱性により、特権が昇格されるというものです。SVPはサブシステム管理専用装置であり、リモートプロシージャコール(RPC)要求を受け付けません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Windowsカーネルモードドライバーの脆弱性により、特権が昇格されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたアプリケーションを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Adobe Flash Playerの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPでは、本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、.NET Frameworkの脆弱性により、情報漏えいが起こるというものです。SVPでは、本件の対象となるOSを使用しており、本脆弱性の影響を受けます。
- 本件は、仮想保護モードの脆弱性により、セキュリティ機能のバイパスが起こるというものです。SVPでは、本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、ボリュームマネージャードライバーの脆弱性により、情報漏えいが起こるというものです。SVPでは、本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
弊社ストレージ装置における、今回の脆弱性の影響を以下の表に示します。
キャプションを入れてください。
ストレージ装置 |
影響する脆弱性 |
Hitachi Virtual Storage Platform G1000 Hitachi Virtual Storage Platform VX7 |
MS16-065 |
Hitachi Unified Storage VM (HUS VM) |
MS16-065 |
Hitachi Virtual Storage Platform Hitachi Virtual Storage Platform VP9500 |
MS16-065 |
SVPは直接ストレージ機能には係わりませんので、万一攻撃者から攻撃された場合であってもストレージとしてのデータの内容およびRead/Write機能に支障はありません。また日立ディスクアレイシステムに蓄積されているデータを読み取られることもありません。
しかしながら万一SVPが攻撃された場合、装置の構成変更設定や保守作業に支障をきたす等の可能性があります。
そのため今般、対象となる製品に対しまして、予防処置をさせていただきます。
2. 今回のセキュリティホールの特徴
攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、SVPが応答しなくなる可能性があります。さらに、SVPに対してなりすましが行われる可能性があります。
3. 対象製品
- Hitachi Virtual Storage Platform G1000、Hitachi Virtual Storage Platform VX7
- Hitachi Unified Storage VM (HUS VM)
- Hitachi Virtual Storage Platform、Hitachi Virtual Storage Platform VP9500
- 注:
- Hitachi Virtual Storage Platform G100,G200,G400,G600,G800、Hitachi Virtual Storage Platform F400,F600,F800、Hitachi Unified Storage 100、Hitachi Adaptable Modular Storage、Hitachi Workgroup Modular Storage、Hitachi Simple Modular Storageは影響を受けません。
4. Storage Navigatorのご使用について
Storage Navigatorのご使用については、Storage Navigator機能に限ったご使用であれば特に問題ありません。
クライアントPCを他の用途でもご利用されている場合、ご利用内容によっては今回の脆弱性の影響を受ける可能性があります。
詳しくはメーカにお尋ねいただくか、以下のセキュリティサイトをご確認の上対応をお願い致します。
本セキュリティホールに関する情報