日立ディスクアレイシステムにおけるSVP セキュリティホール(MS16-023〜036)対策について
2016年3月28日
(株)日立製作所 ITプラットフォーム事業本部
1. 日立ディスクアレイシステムに対するセキュリティホール対策のお知らせ
Microsoft製品に対して、以下に示すセキュリティホールが公開されました。
[新規情報]
- MS16-023:Internet Explorer用の累積的なセキュリティ更新プログラム(3142015)
- MS16-024:Microsoft Edge用の累積的なセキュリティ更新プログラム(3142019)
- MS16-025:リモートでのコード実行に対処するWindowsライブラリの読み込み用のセキュリティ更新プログラム(3140709)
- MS16-026:リモートでのコード実行に対処するグラフィックフォント用のセキュリティ更新プログラム(3143148)
- MS16-027:リモートでのコード実行に対処するWindows Media用のセキュリティ更新プログラム(3143146)
- MS16-028:リモートでのコード実行に対処するMicrosoft Windows PDFライブラリ用のセキュリティ更新プログラム(3143081)
- MS16-029:リモートでのコード実行に対処するMicrosoft Office用のセキュリティ更新プログラム(3141806)
- MS16-030:リモートでのコード実行に対処するWindows OLE用のセキュリティ更新プログラム(3143136)
- MS16-031:特権の昇格に対処するMicrosoft Windows用のセキュリティ更新プログラム(3140410)
- MS16-032:特権の昇格に対処するセカンダリログオン用のセキュリティ更新プログラム(3143141)
- MS16-033:特権の昇格に対処するWindows USB大容量記憶域クラスドライバー用のセキュリティ更新プログラム(3143142)
- MS16-034:特権の昇格に対処するWindowsカーネル用のセキュリティ更新プログラム(3143145)
- MS16-035:セキュリティ機能のバイパスに対処する.NET Framework用のセキュリティ更新プログラム(3141780)
- MS16-036:Adobe Flash Playerのセキュリティ更新プログラム(3144756)
日立ディスクアレイシステムのSVPにおける、上記(1)〜(14)の脆弱性の影響は下記の通りです。
- 本件は、Internet Explorerの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPは本件の対象となるInternet Explorerを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Microsoft Edgeの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPでは、本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Windowsライブラリの読み込み用の脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたアプリケーションを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、グラフィックフォントの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたOpenTypeフォントが含まれるWebページにアクセス必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Windows Mediaの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPはサブシステム管理専用装置であり、Windows Mediaがインストールされることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Microsoft Windows PDFライブラリの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPでは、本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Microsoft Officeの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPはサブシステム管理専用装置であり、Microsoft Officeがインストールされることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Windows OLEの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたファイルまたはプログラムを開かせる必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Microsoft Windowsの脆弱性により、特権が昇格するというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたアプリケーションを実行させる必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、セカンダリログオンの脆弱性により、特権が昇格するというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)がWindowsセカンダリログオンサービスのメモリ管理を行う必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Windows USB大容量記憶域クラスドライバーの脆弱性により、特権が昇格するというものです。SVPでは、本件の対象となるOSを使用しており、本脆弱性の影響を受けます。
- 本件は、Windowsカーネルの脆弱性により、特権が昇格するというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたアプリケーションを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、.NET Frameworkの脆弱性により、キュリティ機能のバイパスが起こるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには、SVP使用者(保守員)が特別に細工されたXMLドキュメントを開く必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。
- 本件は、Adobe Flash Playerの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPでは、本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
弊社ストレージ装置における、今回の脆弱性の影響を以下の表に示します。
キャプションを入れてください。
ストレージ装置 |
影響する脆弱性 |
Hitachi Virtual Storage Platform G1000 Hitachi Virtual Storage Platform VX7 |
MS16-033 |
Hitachi Unified Storage VM (HUS VM) |
MS16-033 |
Hitachi Virtual Storage Platform Hitachi Virtual Storage Platform VP9500 |
MS16-033 |
SVPは直接ストレージ機能には係わりませんので、万一攻撃者から攻撃された場合であってもストレージとしてのデータの内容およびRead/Write機能に支障はありません。また日立ディスクアレイシステムに蓄積されているデータを読み取られることもありません。
しかしながら万一SVPが攻撃された場合、装置の構成変更設定や保守作業に支障をきたす等の可能性があります。
そのため今般、対象となる製品に対しまして、予防処置をさせていただきます。
2. 今回のセキュリティホールの特徴
攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、SVPが応答しなくなる可能性があります。さらに、SVPに対してなりすましが行われる可能性があります。
3. 対象製品
- Hitachi Virtual Storage Platform G1000、Hitachi Virtual Storage Platform VX7
- Hitachi Unified Storage VM (HUS VM)
- Hitachi Virtual Storage Platform、Hitachi Virtual Storage Platform VP9500
- 注:
- Hitachi Virtual Storage Platform G100,G200,G400,G600,G800、Hitachi Virtual Storage Platform F400,F600,F800、Hitachi Unified Storage 100、Hitachi Adaptable Modular Storage、Hitachi Workgroup Modular Storage、Hitachi Simple Modular Storageは影響を受けません。
4. Storage Navigatorのご使用について
Storage Navigatorのご使用については、Storage Navigator機能に限ったご使用であれば特に問題ありません。
クライアントPCを他の用途でもご利用されている場合、ご利用内容によっては今回の脆弱性の影響を受ける可能性があります。
詳しくはメーカにお尋ねいただくか、以下のセキュリティサイトをご確認の上対応をお願い致します。
本セキュリティホールに関する情報