2021年11月1日
株式会社 日立製作所
株式会社 日立製作所(以下、日立)は、このたび、公益社団法人発明協会が主催する令和3年度関東地方発明表彰において、「高性能スケールアウト型ストレージシステム(特許第6294569号)」が、神奈川県発明協会会長賞を受賞しました。
地方発明表彰は大正10年に創設され、全国を8地方(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分けて実施されており、優れた発明、考案または意匠を生み出した技術者・研究者を表彰するものです。
今回、日立が受賞した発明は、複数台接続されたストレージ装置(ノード)で構成するスケールアウト型ストレージシステムにおいて、ノード間でのデータ転送用の一時的なデータ格納領域(キャッシュ)を最適なノードに自動で確保することで、データ転送回数を削減しストレージシステムの性能向上に寄与します。
スケールアウト型ストレージシステムでは、データを要求するホストに接続されたノードと、要求されたデータが格納されたノードとの間で、データ転送が発生します。その際、データ転送用のキャッシュを確保するノードが転送の最短経路にない場合、データ転送回数の増加によりノード間を接続するスイッチの帯域を圧迫し、システム性能低下につながるといった課題がありました。また、データの入出力アクセスパターンなどの条件により、データ転送用のキャッシュを確保する最適なノードが異なるため、データ転送回数が増える可能性がありました。
これに対し本発明では、ホストへのデータ転送経路とデータの入出力アクセスパターンに応じて、キャッシュを確保する最適なノードを自動で選択するため、データ転送回数を最少化しシステム性能の低下を防止します。
なお、本発明は、日立のエンタープライズストレージである「Hitachi Virtual Storage Platform 5000シリーズ*1」に使用されており、高性能なストレージシステムの実現に寄与しています。
日立は、今後も、ITプラットフォーム分野に関する技術開発を通じて、科学技術および産業の発展に貢献していきます。
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