日立の最新プラットフォームとVMware製品でデスクトップ仮想化とDRシステムをワンストップ構築。
セキュリティ向上とBCP対応を実現。
多種多様な産業分野のすべり軸受を手掛ける世界で唯一の総合すべり軸受メーカーが、大同メタル工業株式会社。すべり軸受とは、回転するシャフトを支える部品の一種で、エンジンなどの機器の性能を左右する重要な部品です。同社では、セキュリティ向上、BCP対応を目的に、日立の最新プラットフォームにVMware製品を活用した仮想基盤を構築し、デスクトップ仮想化とディザスタリカバリを実現。データセンターからハードウェア、システム構築、保守サポートまで、日立がワンストップで提供しています。
BCP:Business Continuity Plan
DR:Disaster Recovery
大同メタル工業株式会社
経営・財務企画ユニット 情報センター
情報システムグループ
伊藤 昭人氏
大同メタル工業株式会社
経営・財務企画ユニット 情報センター
情報システムグループ
主任
嶺川 隆利氏
自動車、二輪車のエンジン用軸受から建設機械、船舶のディーゼルエンジン用軸受まで、多種多様な産業分野のすべり軸受を手掛ける大同メタル工業株式会社。自動車用エンジン軸受や、大型船舶分野では世界トップシェアを誇る軸受メーカーです。
同社では、情報を社外に持ち出させないセキュリティポリシーを徹底するため、国内約1,200台もの端末のシンクライアント化を検討。情報の持ち出しを防ぐとともに、サーバ上でデータを管理することで、誤ってデータを消しても復元可能な構成としました。
「クライアントまわりは苦労が絶えず、データが消えてしまって復元できなくなるなど、損失が発生しており、こうしたトラブルへの対応が必須でした。また、一部の生産システムは2014年でサポートが切れるWindows® XPでしか動かないものがあり、レガシーシステムの延命も喫緊の課題となっていました」と同社 経営・財務企画ユニット 情報センター 情報システムグループ 伊藤昭人氏は語ります。
そこで、こうした課題に対応できるよう、デスクトップ仮想化製品の導入を検討。検証環境を用意して比較検討した結果、メールをローカルに一時保存したいという同社の運用ニーズに合致したVMware Horizon Viewの採用を決定しました。
また、同社は部門ごとに製造する部品が異なるため、端末は独自仕様となっており、OSも統一されておらず自社開発のアプリケーションも多く、一筋縄ではデスクトップ仮想化を実現できないという課題がありました。そこでヴイエムウェア社のコンサルティングサービスを活用。「知識がなくてもスムーズにプロジェクトを進められたのは、ヴイエムウェアのコンサルティングが大きかった」と伊藤氏は高く評価します。
VMware Horizon Viewの基盤には、日立の最新プラットフォームが採用されました。「これまでサーバやストレージがクラッシュし、トラブルに見舞われた経験があり、ハードウェアの信頼性を重視しました」(伊藤氏)。
サーバには、拡張性に優れたBladeSymphony BS500を本番用23ブレード、検証用4ブレード導入し、予備1ブレードでN+1コールドスタンバイ構成を採用。ストレージには仮想デスクトップの書き込みスピードを考慮して高性能なHitachi Virtual Storage Platformを導入し、日立独自のストレージ仮想化機能であるHDP(Hitachi Dynamic Provisioning)機能を採用。これらは、日立のデータセンターに設置され、日立サポート360による遠隔監視サービスを利用しています。アンチウイルスソフトには、ウイルススキャン時にシステムに負荷がかからないエージェントレス型ソフトであるvShield Endpoint対応の「Trend Micro Deep SecurityTM」が採用されました。
同社 経営・財務企画ユニット 情報センター 情報システムグループ 主任 嶺川 隆利氏は「これまで日立さんのハードウェアは小規模な導入実績しかありませんでしたが、先行して選定していたデータセンターが日立さんに決まり、DR・デスクトップ仮想化のご提案も複数社コンペの結果、日立さんに決まりました。すべてをワンストップでサポートいただいており、総合力を高く評価しています」と選定理由を説明します。現在、600ユーザー分の仮想デスクトップ環境の構築が終了し、2013年5月よりパイロットユーザーを募って社内に順次展開していく予定です。
時を同じくして同社では、事業所にあるサーバ群を集約して仮想基盤を構築し、遠隔地にレプリケーションするディザスタリカバリシステムの構築を進めていました。陣頭指揮をとった嶺川氏は、「生産システムなど、すべてのシステムを仮想基盤に移行する予定です。RFPを作成して複数のベンダーの提案を受けましたが、最も将来性があったのが日立さんの提案でした」。
日立アドバンストサーバHA8000/RS210にVMware vSphereによる仮想基盤を構築し、ストレージにはHitachi Unified Storage 150を採用。事業所と日立のデータセンターに同様の環境を構築し、ストレージ間でデータを同期し、VMware vCenter Site Recovery Manager 5により短時間でのサイト切り替えを実現します。
「万が一データが喪失したり、サーバに障害が起きたときに、すぐに復旧することが可能です。また、仮想化された共通プールを利用することで、ライセンス費用なども抑えられます。今後はメインフレームもオープン化して集約し、さらなるコストメリットを追求していきたいと考えています」(嶺川氏)。
さらに嶺川氏は「将来的にはサーバをなくしたい」と同社の方向性を示します。「日立さんの提案にあったvCloud Datacenter Services*を活用し、データセンターとクラウドサービスの間でDRを行えば、事業所にサーバは置かなくて済みますし、将来性を高く評価しました」。また伊藤氏は「ネットワーク装置を効率的に運用できるVMwareのネットワーク仮想化は、次回のリプレースで検討していきたい」と語るなど、日立とVMwareの今後に期待を寄せてくださいました。
本店:愛知県名古屋市中区栄二丁目3番1号
名古屋広小路ビルヂング13階
設立:昭和14年11月
従業員数:(連結)3,937名(個別)1,116名
※2013年3月期、臨時従業員含まず
卓越した技術により主力製品の自動車用軸受をはじめ、多種多様な産業分野の総合すべり軸受メーカーとして世界に高く評価されています。日本のトライボロジーリーダーから世界のトライボロジーリーダーへ、真のグローバル企業を目指しています。