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Hitachi

7月20日から3日間、東京ビッグサイトにて開催されたプラントメンテナンスショー2022。日立Grブースでは「デジタルで現場はさらに進化する」をテーマに、IoTやAIなどの先端技術を活用したプラント運用に向けて、現場力をさらに高めるソリューションをご紹介しました。
今回その中から、「音・電流による設備の予兆診断」をご紹介します。

ブースの様子


こちらのブースでは、どのようなソリューションを紹介しているのでしょうか?
設備の故障予兆を把握するソリューションをご紹介しています。
音から予兆するタイプと、電流から予兆するタイプの2つを展示しており、両方とも事前に学習させたデータ(正常時の稼働音/電流波形)との違いを表す異常度から、故障につながる予兆を把握できるようにするソリューションとなります。

予兆を捉えられると、故障前に事前対策が可能となるので、安定稼働に大きく貢献できるソリューションですね。
そうなんですよ。
聴音などの人の感覚に頼って予兆を捉えているお客様が多いのですが、経験や勘のある熟練技能者でないと判断できないといった課題をよく聞きます。このソリューションでは、設備の異常度を可視化できるので、経験や勘に依存することなく定量的に判断できるようになります。
昨今、高齢化に伴う熟練技能者の減少が課題になっていますが、そのような課題の解決に貢献できますね。ちなみに“予兆検知”と聞くと、異常時の学習データが必要となり、導入が大変な印象がありますが、そのあたりいかがでしょうか?
このソリューションは、正常時の稼働音、または、正常時の電流波形のデータを学習させるだけで導入できます。また、データの収集においても、音については対象機器の近くにマイクセンサーを、電流については制御盤に電流センサーを後付けするだけで良いため、容易に導入いただけます。
音と電流による2タイプの予兆検知それぞれについて詳しく教えてください。まずは、音による予兆検知についてお願いします。
こちらのソリューションは、モーター・ポンプ・ファン等と言った回転体の稼働音をAIで解析し、異常度を算出します。
センサーは、バッテリー駆動の無線マイクセンサーとなっているため、電源線や通信線がない場所でも、工事不要で導入できる点が特長となります。本ソリューションは、音響解析のAI技術の高さやさまざまな環境に適用可能な点が評価され、2021年には「第29回 日本音響学会技術開発賞」を受賞しました。


マイクセンサーと回転しているモーター

音による異常度可視化デモ
(モーターに疑似的に異音を発生させたとき)

周りの環境音や、診断対象以外の設備の稼働音が大きい環境では、使用するのが厳しいでしょうか?
写真のようにマイクをパテで覆うことで、診断対象以外の音を軽減できます。また、軽減しきれない音については、それらの音も含めた状態で正常音を学習させますので、これまで使用いただいたお客様の中で周囲の音が悪影響を及ぼした事例はありません。

なるほど。続いて、電流による予兆検知について、教えて頂けますか?
こちらのソリューションは、モーターの電流波形をAIで解析し、異常度を算出します。モーターのある現場が、電子機器の設置が難しい過酷な環境や、防爆対応が必要な環境で、現場にセンサーを設置するのが難しいお客様もいらっしゃいます。しかし、電流であれば、現場へのセンサー設置ではなく、制御盤がある比較的良い環境でのセンサー設置により導入できる点が特長となっています。

電流による異常度可視化デモ

つまり、音と電流は利用環境に合わせて、使い分ければ良いのでしょうか?
利用環境に加えて、検知したい故障モードによって使い分けられます。電流ですと、対象とする故障モードは軸受異常やミスアライメントなど機械系の異常となります。音ですと、対象とする故障モードは音に変化が出るものであれば全てとなります。どちらのソリューションが適しているかは、お客様のご利用環境や用途に応じてご提案しますので、ご安心ください。
なるほど、利用環境や希望にあわせて柔軟に対応いただけるのは嬉しいですね。
本日は「異音検知システム」と「モーター電流予兆診断ソリューション」のご紹介、ありがとうございました。



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