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概要

年々労働人口が減少している日本において、金融機関をはじめとするさまざまな業種のコールセンターでは、オペレータの人数が限られている中でも問い合わせ客に質の高いサービスを提供し続けることが、運営上の喫緊の課題となっています。
課題を解決するには、問い合わせ量の予測に対し、適切にオペレータを人員配置する必要があります。しかし、単にオペレータの人数をそろえるだけでは不十分なケースが多く、実際はオペレータ1人1人のスキル、希望するシフト、有給休暇なども考慮したうえで人員配置を検討することが求められます。
シフト作成の担当者は、これらのさまざまな条件を考慮しながら膨大な時間と労力をかけて毎月勤務シフトを作成していますが、問い合わせ客の待ち時間が発生したりオペレータを過剰に配置してしまったりと調整が難しいのが現状です。
「勤務シフト最適化ソリューション」は、コールセンターを運営する企業の経営層、問い合わせ客、オペレータの要望をバランスよく考慮した最適な勤務シフトを、日立の計算技術を使って作成します。

勤務シフト最適化ソリューションの概要:[経営層の要望](・コストの削減、・効率向上。)[問い合わせ客の要望](・待ち時間の短縮、・対応の質向上。)[オペレータの要望](・労働関連法順守、・負担のない勤務形態、・個々の勤務希望。)→これらの要望をバランスよく考慮した最適な勤務シフトを作成。

勤務シフト最適化ソリューションとは、CMOSアニーリングを使って、シフト配置におけるさまざまな条件を組み合わせて最適解を計算するソリューションです。

ポイント

  • CMOSアニーリングによって、多種多様な観点を考慮した勤務シフトを高速で計算します。
    勤務シフト計算時の観点については、お客さまとの話し合いを経て決定し、計算に組み込んでいきます。
  • 細かな時間単位で、スキルや熟練度を考慮したタイムテーブルが作れます。
  • コールセンターだけでなく、大規模な事務部門における人員配置にも適用できます。

CMOSアニーリング

量子を使わず半導体上でイジングモデルの振る舞いを擬似的に再現した、日立が開発した技術。組合せ最適化問題を効率良く解くことができる。量子コンピュータに着想を得て開発した。

Complementary Metal Oxide Semiconductorの略

特長

特長@ 利益向上

  • 必要最小限の人員を割り当てられるため、人件費を抑えられます。
  • 隙間の時間をほかの業務に割り当てられるため、時間を有効活用できます。
  • 日ごとだけでなく、時間帯ごとのシフト作成が可能なため、人件費抑制、時間の有効活用の効果を最大化できます。

特長A 問い合わせ客の満足度向上

  • 問い合わせ客を待たせないよう十分な人数を充当できます。
  • 問い合わせ内容に応じて最適なスキルの担当者をあらかじめ割り当てておけるため、ほかのオペレータへの転送回数を削減できます。

特長B オペレータの満足度向上

  • 有給休暇の取得、オペレータ同士の相性、スキル、熟練度など、オペレータ1人1人の能力などを考慮できます。
  • 遅番の直後の早番など、負担のかかる勤務体制を抑止できます。

特長C 法令順守

  • 勤務日数の上限を超えないように考慮できます。
  • 長期間の連勤を抑止できます。

最適化イメージ

日別のシフト最適化イメージ(オペレータの状況を考慮した場合)

設定 画面イメージ   最適化 画面イメージ
[設定画面イメージ]@月単位のシフト(1日、2日…31日)で、各オペレータ(A、B、C、D、E、F)の有給休暇の希望日を設定(例:Cの希望日を2日と3日に、Fの希望日を5日と6日に設定)A日ごと、シフトの種類(早番、遅番)ごとに必要な人数を設定(例:1日早番4人、遅番2人、2日早番3人、遅番2人、…6日早番2人、遅番2人、…31日早番4人、遅番2人。)B人員(オペレータ)ごとに割り当て可能なシフトを調整(例:Aは早番〇、遅番×、希望なし。Bは早番×、遅番〇、希望なし。Cは早番〇、遅番〇、希望なし。Dは早番〇、遅番〇、希望は早番。Eは早番〇、遅番〇、希望は早番。Fは早番〇、遅番〇、希望は遅番。) 状況を考慮してCMOS計算 [最適化画面イメージ](「シフト例」1日:早番はA、C、D、E。遅番はB、F。過不足人数なし。2日:早番はA、D、E。遅番はB、F。Cは有給休暇。過不足人数なし。6日:早番はA、D。遅番はB、C。Eは休日。Fは有給休暇。過不足人数なし。)
1
月単位のシフトで、有給休暇の希望日を設定
2
日ごと、シフトの種類ごとに、必要な人数を設定
3
人員ごとに割り当て可能なシフトを調整

割り当て可能なシフトのみが割り当てられる
「遅番の翌日に早番」を禁止する設定が可能

時間別のシフト最適化イメージ

(凡例) 赤:過剰人員数、青:不足人員数
セルの色が薄いほど、割り当てた人員数が適正であることを示します。

ソリューション未適用時

[色の説明]過不足0:白、過剰1人から5人は段階的に赤色が濃くなります。過剰6人以上は濃い赤です。不足1人から5人は段階的に青色が濃くなります。不足6人以上は濃い青です。[ソリューション未適用時]1日:9:00〜9:30は過剰4人、9:30〜10:00は過剰2人、10:00〜10:30は過剰1人、10:30〜11:00は不足3人、11:00〜11:30は不足4人、11:30〜12:00は不足7人、12:00〜12:30は不足4人、12:30〜13:00は不足7人、13:00〜13:30は不足8人。2日:9:00〜9:30は過剰9人、9:30〜10:00は過剰10人、10:00〜10:30は過剰9人、10:30〜11:00は過剰4人、11:00〜11:30は過剰8人、11:30〜12:00は過剰3人、12:00〜12:30は過剰1人、12:30〜13:00は過不足0、13:00〜13:30は過不足0。…10日:9:00〜9:30は過剰2人、9:30〜10:00は過剰3人、10:00〜10:30は過剰3人、10:30〜11:00は過不足0、11:00〜11:30は不足4人、11:30〜12:00は不足4人、12:00〜12:30は不足1人、12:30〜13:00は不足2人、13:00〜13:30は不足2人。

ソリューション適用時(CMOS計算後)

[ソリューション適用時(CMOS計算後)]1日:9:00〜9:30は過剰2人、9:30〜10:00は過不足0、10:00〜10:30は過剰2人、10:30〜11:00は不足1人、11:00〜11:30は不足1人、11:30〜12:00は不足2人、12:00〜12:30は過不足0、12:30〜13:00は不足2人、13:00〜13:30は不足2人。2日:9:00〜9:30は過剰2人、9:30〜10:00は過剰2人、10:00〜10:30は過剰2人、10:30〜11:00は過剰1人、11:00〜11:30は過剰1人、11:30〜12:00は過不足0、12:00〜12:30は過不足0、12:30〜13:00は過不足0、13:00〜13:30は過剰1人。…10日:9:00〜9:30は過不足0、9:30〜10:00は過不足0、10:00〜10:30は過剰2人、10:30〜11:00は過不足0、11:00〜11:30は過不足0、11:30〜12:00は過不足0、12:00〜12:30は過剰1人、12:30〜13:00は過不足0、13:00〜13:30は過不足0。

時間ごとの人員配置を最適化

関連情報

ニュースリリース

2022年8月26日
2020年10月19日
2020年1月8日
2019年2月19日
2018年9月19日

記事/用語集

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