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新基幹システム「SOMPO-MIRAI」の商品管理システムに日立の商品管理ソリューション「InnoProduct」を採用

ニューノーマル(新常態)を見据えた新たなビジネス環境では、従来以上にタイムリーかつスピーディーな商品開発が急務です。損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)ならびにSOMPOシステムイノベーションズ株式会社(以下、SSI)は、新基幹システム「SOMPO-MIRAI」の中核となる商品管理システムに、日立が提供する「InnoProduct」を適用。商品開発の迅速化と効率化を実現しました。

DX推進の基盤となる「SOMPO-MIRAI」

[写真]損害保険ジャパン株式会社:西村 憲一氏、小國 仁士氏、内潟 香子氏、SOMPOシステムイノベーションズ株式会社:金田 昌泰氏、五十嵐 亮氏、関 元信氏

 損害保険事業を核に、お客さまの安心・安全・健康に資する幅広い事業領域にチャレンジしている損保ジャパン。同社は30年以上前に構築され、改修を重ねて複雑化・肥大化した基幹システムを刷新する「未来革新プロジェクト」を2015年4月に組成。2021年3月から保険会社では世界初※1の試みとなるオープン系技術を用いて一から作り直した新システム「SOMPO-MIRAI」を稼働させました。

 「SOMPO-MIRAIは今後のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の基盤となるシステムです。機動性・柔軟性・接続性を重視した設計技術を取り込み、スピード感をもった開発を行えるようにすることで、付加価値の高いコア業務領域の拡大、新たなビジネスの創出をめざしています」と、損保ジャパン ビジネスプロセス革新部 担当部長 西村 憲一氏は語ります。

 この未来革新プロジェクトの開始当初から、開発パートナーとして携わってきたのが日立です。損保ジャパンと日立は2015年10月、基幹システム刷新を専門に担うシステム開発会社 SSIを共同出資で設立。両社のパートナーシップを強化しながら未来革新プロジェクトを推進してきました。

 「SSIの設立にあたっては、プロジェクト着手に向けた開発力や技術力、マネジメント力を兼ね備えた要員の確保に加え、これまでの実績等を総合的に判断し、日立が最適なパートナーだと判断しました」と、損保ジャパン IT企画部 未来革新グループ 課長代理 小國 仁士氏は説明します。

 未来革新プロジェクトの大きな目標のひとつが、保険商品開発におけるシステム開発期間の削減でした。

 「従来、新商品の開発ではシステムごとに類似のパラメーターやロジックを開発することで開発規模が増大し、迅速な開発を妨げる一因となっていました。そこで、商品設計の自由度や開発・改定スピードを向上させる商品管理システムを導入し、保険商品のさまざまな属性情報やビジネスロジックを一元管理しようと考えました」と話すのは、SSI 商品ルールチーム リーダー 関 元信氏です。その商品管理システムの基盤に適用されたのが、日立が提供するBRMS※2基盤の商品管理ソリューション「InnoProduct」※3でした。

  • ※1 2021年3月時点。損害保険ジャパン調べ
  • ※2 Business Rule Management System
  • ※3 InnoRules社からLG日立が日本国内向け一次代理店として取り扱っている製品

迅速な商品開発を支援する「InnoProduct」

 InnoProductは商品情報をデータモデル化し、企業固有の業務規則なども含めて統合管理できるソリューションです。異なる種別の商品を一元管理することで、さまざまな既存商品の組み合わせやカスタマイズが行えるため、ユーザーニーズに応じた柔軟な商品開発と開発期間の短縮を実現します。

 「選定当時、日本国内の保険会社におけるInnoProductの導入実績は確認できなかったのですが、商品管理システムはユーザー部門で活用することを想定していたため、Excelを使うのと同じ感覚で商品情報やルールを実装できるユーザーフレンドリーなInnoProductなら、その利用に耐えうると考えました」と関氏は説明します。

 商品管理システムはSOMPO-MIRAIのコアとなるサブシステムのひとつとなるため、InnoProductの導入にあたっては、開発体制やサポート体制に高いレベルが求められました。そこで日立はInnoProductの開発元であるInnoRules社との緊密な協力体制を確立したうえで、SSIとともに実アプリケーションを用いた先行開発による実現性評価を実施しました。

 「先行開発では実現性評価以外に、開発ガイドの整備や開発生産性の評価などを行い、導入への課題をクリアにしていきました。また、日立はわれわれの製品への要望に対して、この実現のために粘り強く対応くださり、より使いやすく開発しやすいInnoProductを提供いただきました」と語るのは、SSI 商品ルールチーム リーダー 五十嵐 亮氏です。

 商品管理システムを活用すると、商品開発部門などが保険商品をGUIで構築することが可能となります。新規商品開発を行う際に既存商品の定義のコピー、ドラッグ&ドロップによる補償・給付・販売プランの組み立て、保険料の算式や引受のチェック基準の登録といったさまざまな内容をGUI上で柔軟に設計できるため、商品改定時のプログラム開発負荷が軽減され、開発スピードの向上が期待できます。

一体感を持ったプロジェクト運営を評価

 SOMPO-MIRAIシステムの商品管理システムを利用した保険商品として2021年4月「THEカラダの保険」がリリースされました。

 「従来は、傷害・所得・賠償に関する多様なお客さまニーズに応えるため複数の商品設計が必要でしたが、新商品『THEカラダの保険』では、これらの補償を1つの商品で提供できるようになりました。この『THEカラダの保険』が、当社で商品管理システムを利用して実装した最初の商品になります。今後、SOMPO-MIRAIに商品を追加する際には、『THEカラダの保険』を商品管理システムによって構築した手法を生かし、また共通利用できる商品情報を効率的に利用していくことを想定しています」と、損保ジャパンリテール商品業務部 未来革新グループ 課長 内潟 香子氏は評価します。

 一連の開発を支援した日立に対しSSI アプリ1グループリーダー 金田 昌泰氏は、「日立は開発要員の育成、サポート体制の構築など、われわれの期待に十分応えてくれました。コロナ禍(か)によるリモートワークでも開発生産性に影響を与えることなく、従来のスケジュールを維持して予定どおりにリリースできたのは日立の尽力によるものと心から感謝しています」と語ります。

 西村氏も、「本プロジェクトでは日立の協力の下ステアリングコミッティも設置し、経営層への対応も含め、常に一体感を持った運営を進めることができました。今回の第1期リリースでSOMPO-MIRAIのベースとなる基盤機能と保険種目共通機能を開発でき、傷害保険のサービス開始を果たすことができました。次のステップでは自動車保険や火災保険などの保険種目も稼働させ、さらなるお客さまサービスの品質向上をめざしていきたいと思います」と期待を込めます。

 日立は今後も、InnoProductをはじめとするさまざまなサービス、ソリューションにより、損保ジャパンのDXを継続的に支援していきます。

[お客さまプロフィール] 損害保険ジャパン株式会社

損害保険ジャパン株式会社ロゴ

[所在地]東京都新宿区西新宿1-26-1
[創業]1888年10月
[資本金]700億円
[従業員数]23,447名(2021年4月1日現在)
[事業内容]損害保険事業、他の保険会社の保険業に係る業務の代理または事務の代行、債務の保証など

[お客さまプロフィール] SOMPOシステムイノベーションズ株式会社

[所在地]東京都立川市曙町二丁目41番19号
[設立]2015年10月1日
[資本金]1億円
[従業員数]1,658名(2021年4月1日現在)
[事業内容]システム開発・保守

特記事項

  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
  • はいたっく2021年11-12月号掲載記事
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