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株式会社損害保険ジャパン

仮想デスクトップ環境

仮想デスクトップ環境でセキュリティを強化
営業担当者が社外でも業務を行えるワークスタイルを推進し、お客さま対応力を向上

【課題】
営業端末であるクライアントPCのセキュリティ強化を図りたかった
【解決】
クライアントPCの内部に情報を保持しないシンクライアントを導入
【効果】
セキュリティとBCPの強化、ワークスタイル改革を実現し、社員の外出先での機動力強化によるお客さま対応力の向上

「お客さま評価日本一/No.1」の戦略目標に向け、業界最高水準のサービス品質をめざし、事業を展開する株式会社損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)。同社は全国の営業担当者が利用する約15,000台のクライアントPC更改にあたり、日立のシンクライアントシステムを活用した仮想デスクトップ環境を導入しました。

個人情報の漏えいを防ぐセキュリティ強化

その背景を損保ジャパン IT企画部IT推進グループ 担当課長の野副 泰弘氏は、次のように振り返ります。

「保険業界ではお客さまの個人情報など極めて重要な情報を扱っています。このため、お客さまの安心を支え、信頼にお応えしていくべき会社であるため、万一の情報漏えい対策としてセキュリティ強化が何よりも重要な課題です。そこで次期システムでは、クライアントPCからの情報流出の心配がないハードディスクを持たないシンクライアントが最適ではないかと判断しました。また同時に、営業担当者が社外でも場所や時間にとらわれず、柔軟に業務が行えるワークスタイル改革も実現したいと考えていました」

仮想デスクトップ環境には、仮想PC方式、ブレードPC方式、ターミナルサービス方式など、さまざまな方式がありますが、損保ジャパンが選択したのは、1台のサーバリソースを複数ユーザーで共同利用するターミナルサービス方式でした。同社のシステム開発を担うNKSJシステムズ株式会社 基盤システム本部 主任システムズ・エンジニアの永江 景佑氏は、「センター側のシステムとして最も集約度が高く、今回の適用業務では費用対効果の面でも優れていました」と、その理由を説明します。同社は選定に先立つ実証検証で、ユーザーが利用するおもなアプリケーションが問題なく稼働することを確認しました。

シンクライアントシステムにおける日立の実績を評価

[写真]モバイル型シンクライアントの利用風景
モバイル型シンクライアントの利用風景

「選定ではサーバ側の機能だけでなく、クライアントPCの使いやすさも重視しました。その点、日立さんのモバイル型シンクライアントはコンパクトで薄く非常に軽い。これならユーザーが喜んで外に持ち出してくれるだろうと考えました」と笑顔で語る野副氏。永江氏も「シンクライアントシステムは、日立さん自身が国内最大級のユーザーである実績と信頼があります。実現性の高い提案では一歩抜き出ていました」と評価します。

日立は数多くの大規模デスクトップ仮想化環境の構築・運用ノウハウをベースに、東日本・西日本双方の損保ジャパンのデータセンターに「BladeSymphony」のブレードサーバ「BS320」400台のほか、仮想ファイルプラットフォーム「Hitachi Virtual File Platform」、「Hitachi Adaptable Modular Storage2500」を導入。仮想デスクトップ環境にはCitrix XenAppR、サーバ仮想化環境にはMicrosoftR WindowsServerR 2008 Hyper-VRを適用し、統合システム運用管理「JP1」でトータルに運用管理する環境を構築しました。全国約620か所の営業拠点で、見やすい13.3型ワイド液晶画面を備えたノート型の「FLORA Se210」が計15,000台配備され、2013年夏から全社での本格運用がスタートしました。

ワークスタイル改革とBCP強化も実現

[写真]野副 泰弘 氏、小泉 尚之 氏、永江 景佑 氏

新システムは、クライアントPC側に契約者情報などが残らない仕組みのため、情報漏えいリスクが大幅に低減。営業担当者は所定の承認手続きが不要で、かつ心理的な負担もなくモバイル型シンクライアントを外部に持ち出し、お客さま先や公共スペース、出張先のホテル、自宅などからもネットワーク経由で柔軟に業務が行えるようになりました。また「今回のシステムは事業継続性の強化という観点でも大きな効果を生み出しています」と語るのは、NKSJシステムズ株式会社 基盤システム本部 部長の小泉 尚之氏。「被災地区の営業拠点での業務継続が困難な場合には、被災していない周辺地区の営業拠点にて代替対応をしますが、今回、デスクトップ環境がデータセンターに集約されたことで、別の拠点で業務をスムーズに継続できるようになり、お客さまへの対応力が強化されました」と小泉氏は続けます。

今後は、日本興亜損害保険株式会社との合併※1による新会社のITインフラとして、営業店システムのPC約10,000台に本システムを導入するほか、損害調査用のPC約13,000台にも仮想アプリケーション環境を導入するなど、最大で約38,000ユーザーまで拡張される予定となっています。これからも日立は、損保ジャパンおよび新会社のセキュリティとBCP※2の強化、ワークスタイル改革の進展を支援し、お客さま価値創出に向け、適切なクライアント環境を実現していきます。

  • ※1 2014年9月に関係当局の認可などを前提に予定
  • ※2 Business Continuity Plan:業務継続計画

[お客さまプロフィール] 株式会社損害保険ジャパン

株式会社 損害保険ジャパンロゴ

[写真]株式会社 損害保険ジャパン

[所在地]東京都新宿区西新宿1-26-1
[創業]1888年10月
[従業員数]17,825名(2013年3月31日現在)
[事業概要]
損害保険事業、生命保険事業、海外保険事業、アセットマネジメント事業、フィービジネスなど、包括的なソリューションの提供

特記事項

  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
  • Citrix XenAppは、Citrix Systems, Inc.の米国およびその他の国における登録商標です。
  • Windows Server、Hyper-Vは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
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