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大同生命保険株式会社殿

新事務システムのご紹介〜お客さまサービス向上の実現〜

背景

日本経済は回復基調にあるとはいえ、長年の景気低迷による企業・家計での保険見直しなど、保険業界には、依然厳しい環境が続いています。このような状況のなかで、お客さまサービスの向上・事務処理コスト低減は、保険会社にとってますます重要な経営課題となっています。

このたび大同生命殿では、事務プロセスを抜本的に見直し、2004年4月に新事務システムを本番稼動させました。

概要

本システムは、新契約・保全・支払・収納などに関わる事務プロセスをイメージワークフロー化し、Web上で処理するシステムです。ワークフローやWebなどのサブシステムで構成され、「Hub & Spoke(*1)」でこれらサブシステム間や既存のホストオンラインシステムとの連携を実現しています。また、Webトランザクション処理には「Cosminexus」を、イメージデータも含めたワークフローには「WorkCoordinator」を採用し、各種機能を実現しています。

[イメージ]システム概要図
【図】システム概要図

特徴と効果

本システムの特徴と効果は次の通りです。

 1. お客さまサービスの向上

お客さま単位に申出受付の進捗状況や書類の受発信履歴、折衝情報などをすべて蓄積して管理し、全社で共有しています。これにより、お客さまからの問い合わせにも、迅速かつ正確に対応でき、またお客さまに一元的で均質なサービスを提供できるようになりました。

 2. ペーパレス事務の実現

お客さまから提出された請求書や、システムが出力する帳票をすべて電子化してワークフローで回付することにより、各事務担当者の円滑な連携を実現し、処理時間を大幅に短縮しました。

 3. 柔軟性に富むインフラ環境

Hub & Spokeの採用により、今回開発した各サブシステムや既存ホストオンラインシステムとのシームレスな連携を実現しました。また、将来のシステム拡張時にも、アダプタを追加するだけで、短期間・低コストでシステムを構築できます。

 4. 利用者に応じた認証

本システムでは、各利用者の役職権限や、分担業務ごとに、きめ細かい操作メニューを設定しています。これにより、操作性を高めるとともに、機密性の高い情報の保護を実現しています。

 5. システム開発生産性の向上

Web画面の生成には、Javaアプレット自動生成ツール「RammWare for JavaTM」を採用し、簡単な操作で画面を生成できる環境を整備し、開発生産性の向上に大きく貢献しました。

企画者・開発者へのインタビュー

[写真]山内 茂樹 氏
T & D情報システム(株)
新事務システム開発推進室
山内 茂樹 氏

[写真]南條 豊 氏
T & D情報システム(株)
新事務システム開発推進室
南條 豊 氏

大同生命は、「独立性」「先進性」「健全性」を経営上の重要なキーワードとして掲げ、事業を展開しております。私どもは、この経営理念にもとづき、お客さまサービスの向上と事務処理の効率化を図るため、新事務システムの構想を計画していました。2002年1月からの本格開発に先がけ、私どものシステム要件をすべて満たす提案をいただいた日立様をITパートナーに選び、開発に着手しました。

システムの開発にあたっては、本・支社で書類を回付していた従来の事務プロセスを抜本的に見直し、お客さまに高品質なサービスを迅速に提供できる環境を目指しました。そして、業務と業務をつなぐ事務処理プロセスを自動化し、たとえば新契約処理において申込から保険証券発送までの工程を約3日短縮するなど、事務処理の迅速化を実現しました。

また、主要な基幹業務の事務処理を対象に、同一のシステム基盤上で全面Web化したため、利用者に統一的な操作環境を提供できました。運用面においても、バージョンアップ時にアプリケーション配布の必要がないなど、運用コストの削減効果も期待できます。

さらに、イメージデータも含めたワークフローを導入しているため、きめ細かい進捗管理はもとより、処理担当者間の円滑な作業連携も実現できました。本システムが処理している業務データは1日あたりワークフロー処理で約14万件、オンライン処理で約15万件、イメージデータも約10万件におよびますが、性能・信頼性には満足しています。

システムの構築で問題になったのが、画面や帳票数の多さです。本システムは対象業務が非常に多く、お客さまや利用者の利便性・操作性を重視したため、約1,400画面、800帳票を設計する必要がありました。ここで威力を発揮したのが、プログラムとは独立したWebベースの画面・帳票作成ツールです。これを活用することにより開発工数の低減につながりました。

今回のような基幹業務のシステム構築で、より大きい効果を生み出すためには、システムの早期定着を図ることも重要な要素です。そのため、本番直前の約半年を社内教育にあて、全国の支社・営業所にはTV会議などを利用して徹底した教育を実施しました。現在も、イントラネットを通じて、全社に操作方法や注意点などを発信しています。

お客さまサービスの向上には終わりがないと認識していますので、今後も本システムのさらなるレベルアップを図っていきます。

  • * 本稿は、T & D情報システム 新事務システム開発推進室 山内部長、南條課長のインタビューを編集部でまとめたものです。

[お客さまプロフィール] 大同生命保険株式会社

(2004年3月末現在)

大同生命保険株式会社
会社名大同生命保険株式会社
本社大阪市西区江戸堀1-2-1
東京都中央区日本橋2-7-4
設立1947年7月14日
資本金750億円
売上高1兆1,900億円
従業員数8,387名
URL http://www.daido-life.co.jp/ (新規ウィンドウを表示)
T & D情報システム株式会社
会社名T & D情報システム株式会社
東京本部さいたま市浦和区針ヶ谷4-2-18
大阪本部大阪市西区江戸堀1-2-1
設立1999年7月15日
資本金3億円
従業員数560名
URL http://www.td-system.co.jp/ (新規ウィンドウを表示)
*1
Hub & Spoke:複数のシステムを、ハブを中心として接続し、連携させるシステムアーキテクチャです。