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大同生命保険相互会社殿

インターネットダイレクト保険販売システム

背景

大同生命殿では、「インターネットダイレクト保険販売システム」を構築し、2000年11月からサービスを開始しました。これは、インターネットを利用して、広くお客様にも保険商品提供の機会を拡大するためのものです。

取扱商品は、第三分野商品である「5年ごと利差配当付新医療保険」と「終身介護保障保険」の2商品です。また、保障内容により新医療保険では6種類、終身介護保障保険では5種類のコースがあります。

契約申込の流れ

お客様が、大同生命殿のホームページで自分のニーズにあう保険商品を選択し、性別、生年月日、保障内容、特約付加情報などを入力すると、保険料試算結果が画面上に表示されます。保険料試算結果を確認したお客様がこの保険に加入したい場合は、同じ画面上から即時に保険の申し込みを予約できます。保険の申込を予約すると、後日大同生命殿から、この申込予約にもとづいた申込書類一式がお客様に郵送されます。この申込書にお客様が署名・捺印し、告知書などを追記して返送すると、契約申込の手続きが完了します。

概要

本システムでは、既にホストコンピュータ上で稼動している 「エース・ナビ」 とWebサーバを連携して、保険の設計から申込書の作成までを実現しています。具体的には、エースナビが保険料を試算したり保険の商品情報などを管理し、Webサーバは画面などのインターフェースを制御しています。そのため、Webサーバが受け付けた情報をホストコンピュータで処理したり、ホストコンピュータの実行結果をWebサーバ上で処理できるよう、相互にデータを変換する必要があります。 これには、ホストコンピュータとWebサーバの間にゲートウェイサーバを設置し、新規に「エース・ナビ電文ラッピング機能」を開発して対応しました。また、ホームページを動的に作成するために、当社の製品「Web Page Generator」を採用しています。これにより、保険料試算や申込結果をお客様の画面に即時に反映しています。

[イメージ]システム概要図
【図】システム概要図

特徴と効果

本システムの特徴と効果は、次の通りです。

 1. お客様の利便性向上

お客様にとっては、時間や場所にとらわれずに、インターネットを利用して保険加入の検討ができ、特約を含めてニーズにあった保険を自分で設計できるため、利便性が向上します。また、お客様がホームページから入力した申込予約情報を、郵送する申込書にそのまま反映しており、お客様の負荷を極力軽減できるように配慮しました。

 2. 保守・運用体制の強化

本システムは、お客様に直結した24時間サービスを提供するものです。そのため、信頼性を重視し、あらゆる障害状況を想定し、機器を二重化するなど、サービスが停止しにくい構成にしました。また、日中・夜間をとわず、常に障害を監視しており、障害時にも迅速にサービスを復旧できる体制を確立しています。

3. 分散オブジェクト技術の適用

本システムには、柔軟性と拡張性に優れている分散オブジェクト技術を用いています。分散オブジェクト技術は、異なるシステム基盤をもつシステム同士の連携を容易に実現し、ソフトウェアを部品化して再利用することを可能にします。この技術の適用により、ホストコンピュータとWebサーバを容易に連携でき、新商品開発時や商品改定時にも大幅なシステム開発や変更はなく、比較的小規模の変更と追加で対応できます。また今後のサービス拡張時にも、他システムとの連携も容易に実現でき、スムーズにシステムを拡張できます。

企画者・開発者へのインタビュー

インターネットサービスの今後の展開

[写真]山住 明宏 氏
大同生命保険相互会社
システム部
山住 明宏 氏

[写真]下村 鉄也 氏
大同生命保険相互会社
システム部
下村 鉄也 氏

私ども大同生命は、太陽生命との全面提携やF1グループとの機能本位の提携をしました。この提携を活用し、高度化・多様化するお客様のニーズに応え、新しい時代に即した新たな金融サービスを積極的に提供していく方針です。一方、時間や場所にとらわれずにサービスを利用できるインターネットは、いまや社会インフラとして確立されつつあります。このような状況から、マーケットへの新たなチャネルのひとつとして、インターネットを活用することにしました。

そこで、2000年3月にインターネットサービスの具体的検討を開始し、開発に着手しました。サービスの提供にあたっては、開発負荷や今後の保守作業の負荷軽減に配慮し、現在営業現場で不可欠な営業支援ツールである「エース・ナビ」の基盤を活用してシステムを構築することにしました。このシステムの開発には、同システムの開発・保守でお世話になっている日立殿に協力をお願いしました。

今回は、エース・ナビとの連携、短期間での効率的な開発を目指したことから、既存システムとの連携が容易で、柔軟性と拡張性に優れた分散オブジェクト技術を採用しました。今回の日立殿との共同開発で得た分散オブジェクト技術をはじめとする新技術のノウハウは、今後のシステム開発に活かせると確信しています。また、一般のお客様が直接、条件を画面から入力して保険を設計するという本システムの特性上、画面デザインや色使いなどにも工夫をし、同年11月、無事本番を迎えることができました。

私ども大同生命は、お客様からゆるぎない信頼を得ていくことが何よりも重要であると考えています。今後とも積極的に新しいITの活用に取り組み、お客様の視点にたったきめ細かな顧客サービスを提供してまいります。

[お客さまプロフィール] 大同生命保険相互会社

(2000年3月末現在)

大同生命保険相互会社
会社名大同生命保険相互会社
本社〒550-0002 大阪府大阪市西区江戸堀1-2-1
代表者名宮戸 直輝
創業明治35年7月
総資産5兆7,335億円
保険料等収入1兆1,369億円 (1999年4月〜2000年3月)
募集代理店数13,135店
従業員数8,684人
事業内容生命保険業