ページの本文へ

Hitachi

『気候変動に具体的な対策を』
に対する取り組み

気候変動は、産業界全般において持続可能性にかかわる重要課題です。その影響は世界中すべての国の経済や人々の生活に大きな負荷を与えます。現状を放置すれば、未来に向けた成長を阻害するだけでなく、これまでに築かれた進歩をも崩壊しかねません。また、食糧や水の不足といった脅威が深刻化する可能性があります。

上下水道事業を省エネも実現しながらサポート

社会課題省エネ・環境負荷低減

国内の上下水道における電力消費量は各々全国電力消費量の約1%を占めています。

電力システムは需要に合わせて供給を行うという形態が採られてきましたが、東日本大震災に伴う電力需給のひっ迫を契機に、電力の需給バランスを意識したエネルギーの管理が求められるようになりました。こうした背景から、電力負荷平準化や再生可能エネルギーの吸収および供給などを実現することが期待されています。

また、下水処理場においては水処理施設の消費電力量のうち送風機が約半分を占めることから、送風機の消費電力低減が課題となっています。さらに、人口の減少などに伴い、下水処理事業に携わる職員の人材不足や料金収入の減少などにより、ICTを活用した効率的な維持管理のニーズが拡大しています。

解決方法水の安定供給と消費電力を両立させる運用計画

日立は、水道施設を活用したバーチャルパワープラント(VPP)技術の構築にあたり、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である令和2年度「需要家側エネルギーリソースを活用したVPP構築実証事業費補助金」に応募し採択されました。

本実証事業では大阪市水道局、高槻市水道部との複数の自治体と連携し、検証を進めていきます。これには日立が開発した独自の最適化アルゴリズムにより、配水池での一定水準の貯水量を確保しながら、電力のデマンドレスポンスを可能にする技術が使われています。今後も複数の自治体との連携や、タブレット端末を活用した運用計画のクラウドサービス化を検討。水の安定供給と電力調整の両立をめざしたVPPを実用化することで、電力料金の削減、さらには環境負荷の低減に貢献していきます。

解決方法ICTを活用した省エネ型下水処理制御

日立ではICTを活用した省エネ型下水処理制御システムにより、赤潮などの原因となる下水中の窒素(アンモニア性窒素)を除去する際、送風機により生物反応タンク内の微生物に空気(酸素)を供給し、アンモニアを硝化させます。従来は、過剰に送風する傾向があり、送風機の消費電力低減が課題でしたが、生物反応タンクの2カ所に設置したアンモニアセンサーのデータなどから、下水処理に使用される送風機の適切な風量をリアルタイムかつ高精度に予測・制御することができるようになりました。これにより、処理水の水質安定化と風量削減による消費電力の低減、さらには維持管理業務の軽減を実現します。

今後、本システムの拡販により、下水道事業における省エネルギー化と維持管理業務の効率化を推進し、お客さまの課題解決に貢献していきます。

ページの先頭へ