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『住み続けられるまちづくりを』
に対する取り組み

2030年には世界人口の約60%が都市に集中すると予測されています。今後の都市計画には、地価高騰や気候変動にも対応しながら、今まで以上に経済面や環境面、安全性や快適性への配慮が必要です。世界各地の都市空間をすべての人にとって安全で暮らしやすく、尚且つレジリエントなものにするため、効果的な取り組みが求められています。

先進的な下水処理技術で海洋環境を守る

社会課題沿岸地域の衛生環境の悪化や海洋環境の破壊

パプアニューギニアの首都ポートモレスビー市の沿岸部では、下水処理インフラが十分に整備されていません。そのため、生活排水や工場・事業場の排水は、必要な浄化処理がなされないまま海中に放流されています。その結果、沿岸地域の衛生環境の悪化、とりわけ海上生活者の健康被害や、サンゴ礁の白化などの海洋環境の破壊を引き起こしています。

解決方法美しい海を取り戻せ! パプアニューギニアの水インフラ事業

日立は、大日本土木株式会社とともに共同企業体を構成し、下水処理インフラ整備プロジェクトに着手しました。この事業では、日立が機械・電気設備の設計・機材納入を担当し、大日本土木が土木・建設工事および機械・電気据付工事を担当し、処理能力18,400m3/日の下水処理場・海中放流管、アクセス道路の建設、下水管の施設、ポンプ場の建設および改修を進めています。

本プロジェクトは、日本の優れた技術やノウハウを活用し、途上国での技術移転を通じて日本の「顔が見える援助」を促進する「本邦技術活用条件(STEP:Special Terms for Economic Partnership)」を適用した有償資金協力事業です。日本の技術を結集し、ポートモレスビー市の都市・生活衛生の改善と、サンゴ礁の生息に必要な水質の確保をめざし、美しい海の復活に取り組んでいます。

国内の水道事業では将来を見据えた効率化を実現

社会課題設備の老朽化、人口減による収入の減少

国内の上下水道事業においては、設備の老朽化に伴う更新費用の増加が見込まれています。その一方で、人口減少などの影響を受け、上下水道の料金収入が減収しているとともに、上下水道事業に関わる職員の減少も進んでいます。これらの課題に対し、民間事業者の創意工夫やノウハウの活用により、効率的で持続可能な上下水道事業の運営を可能にする官民連携への期待が高まっています。

解決方法函館市との取り組み

函館市の水道事業は、日本で2番目の近代水道として1889(明治22)年に創設されました。現在は約26万人(2018年3月現在)に給水するライフラインとして機能していますが、将来の水道事業環境の変化に対応した計画が求められる時期に来ていました。

その長期的な水の安全・安定供給および施設運用の効率化の実現をめざした、「赤川高区浄水場プラント設備更新整備等事業」について、日立は長年培ってきたOT、ITおよびプロダクトの実績とノウハウを生かし、2019年より20年間の運転・保全管理業務を一括受託しています。株式会社富岡電気、株式会社日立ハイテクフィールディングと協業し、設備の設計・製作・工事などの豊富な経験に裏付けられた高い技術力を結集して、創意工夫とイノベーション力を持つ民間事業者をパートナーとして函館市の水道事業の維持、発展に貢献していきます。

水源林の保全活動を通して水環境の未来を築く

社会課題多摩川上流域の民有林の荒廃

森林は、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化防止、木材の生産などの多面的機能を持つ大切な資源です。多摩川上流域の水道水源林は、1901(明治34)年から120年以上にわたり東京都水道局が管理し、水源の環境として良好な状況が維持されてきました。

しかし、水源林とほぼ同規模の面積を有する多摩川上流域の民有林は、長期にわたる林業不振の影響により手入れが行き届かない森林が増加しています。そのため、下草が生えず表土が流出し、本来の森林機能の低下が進んでいます。特に、小河内貯水池は土砂流出による影響が懸念されるなど、早急な対策が必要となっています。また、民有林の整備は多摩川の将来にわたる河川流量の安定に貢献します。こうした民有林の管理は都民や企業などの理解促進が重要でもあります。
(出典:東京都水道局ホームページ)

解決方法水源地保全の森林整備活動

日立は、安全で高品質な水を届けることを目的に、水源地を保全する森林整備活動(森づくり活動)に取り組んでいます。東京都水道局が公表した「東京水道〜企業の森」活動趣旨に賛同し、多摩川上流域の水道水源林内において山梨県甲州市の3.19haを担当し、植栽や間伐、枝打などの森林整備を行っています。

日立は、この森を「きのぽん水源の森」と名づけ、社員一丸となって森づくり活動を推進しています。参加者は本活動を通じて水源や森林などについて理解を深め、環境に対する意識も高まっています。

安全でおいしい水の安定供給のために、次世代へとつながる森林の保護・育成を通して、良好な水環境の保全に貢献していきます。

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