社会課題開発途上国における水資源を確保し、
同国のインフラ開発を促進
南アフリカ共和国では、大規模な干ばつなどの影響や都市部への人口集中などにより、深刻な水不足が問題となっています。また、しばしば計画停電が実施されているなど電力不足も発生しています。さらに、電気料金の高騰なども背景に、省エネルギー型の造水システムへのニーズが高まっています。
開発途上国では、生活に必要な社会インフラが未整備である地域が少なくありません。こうした現状は人々の生活水準向上、持続可能な産業発展につながる技術革新にとって大きな課題となっています。すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラ開発が求められています。
南アフリカ共和国では、大規模な干ばつなどの影響や都市部への人口集中などにより、深刻な水不足が問題となっています。また、しばしば計画停電が実施されているなど電力不足も発生しています。さらに、電気料金の高騰なども背景に、省エネルギー型の造水システムへのニーズが高まっています。
日立は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と協業し、南アフリカ共和国における水不足問題の解決に向け、NEDOが国内実証事業において確立した、省エネルギー型の海水淡水化・水再利用統合システムの実証運転を開始しました。
本実証事業では、省エネルギー型の海水淡水化・水再利用統合システムの実証運転を「RemixWater*1」をもとに、海水と排水から日量6,250トン*2の飲料水を生産します。これにより、従来の海水淡水化システム*3に比べ30%以上の省電力化*4と周辺海洋環境への負荷低減をめざします。将来的には、深刻な水不足に直面している南アフリカをはじめ、水不足が深刻な地域への本技術の普及を含めた水インフラ整備や産業発展への貢献につなげます。
国内の地域公共交通は、都市部では道路混雑やドライバー不足、地方部では輸送人員の減少に伴うサービスの縮小や移動そのものの縮小など、さまざまな問題が存在しています。このような地域の交通をめぐる環境は、今後の急激な人口減少の下でますます厳しいものとなることが予測されています。解決策としてコミュニティバスの運行などが進んでいるものの、単体のサービスにとどまっていることが課題です。
これに対して地域のニーズに合わせ、多様な交通サービスを組み合わせた面的な公共交通ネットワークの再構築が求められています。その実現のために、IoTやAIを活用したMaaS*1などの新たなモビリティサービスへの取り組みが期待されています。
(出典:国土交通省ホームページ)
日立は、2020年2月より茨城県日立地域においてMaaSの実証実験をスタートしました。本実証事業は、国土交通省の「新モビリティサービス推進事業」および経済産業省の「スマートモビリティチャレンジ」の採択を受けて行うものです。
本実証事業は、都市部のように交通手段が充実しておらず、自家用車への依存度が高い地方部においてMaaSの導入により公共交通の利便性を高め、地域における社会課題の解決をめざします。このサービスは株式会社ナビタイムジャパンの技術を活用し開発したアプリ「Hitachi City MaaS Project」を使い、住民のラストワンマイルの移動を担うデマンドサービスです。日立市では、これらによって人口減少社会における次世代の公共交通の実現に向けた取り組みを進めています。