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Hitachi

『安全な水とトイレを世界中に』
に対する取り組み

人の生存に欠かせない淡水資源は地理的に偏在しています。また、近年の急激な気候変動により将来的に水不足の進行が予想される地域は多く、アフリカ、中東を中心に、アジア、南米、北米など広範囲に及んでいます。世界の水不足を解決するためには、各地域の自然環境に応じて海水や下水処理水など、新たな水源を確保していく必要があります。

海水淡水化と省エネを両立させた技術を提供

社会課題安心・安全な水の安定供給

サウジアラビアは、国土の大部分が年間降水量100mm未満の乾燥地帯であり、水資源が不足しています。そのため、生活用水の多くは海水淡水化に依存しています。

その結果、淡水生産量は世界最大規模であると同時に、海水淡水化を行うための消費エネルギーが大きいことが課題となっています。また、多くの海水淡水化プラントは、老朽化に伴う更新時期を迎えています。

このような水問題を抱える一方で、サウジアラビアでは、石油依存から脱却し持続可能な発展をめざす国家成長戦略「サウジアラビア・ビジョン2030」に基づき、工業化が進展しています。加えて若年層を中心とした人口の増加が著しく、水需要は引き続き高まると予測されています。

解決方法省エネルギー型海水淡水化システムの提供

日立と東レ株式会社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)における「省エネルギー型海水淡水化システムの実規模での性能実証事業」を受託し、サウジアラビアの紅海沿岸に位置する都市ウムルジにおいて、サウジアラビア海水淡水化公社と連携して、省エネルギー型海水淡水化システムの実証設備の設計・建設・運転を行っています。本実証事業では、日立が開発した低圧多段高収率*1海水淡水化システムと、東レが開発した低圧海水淡水化RO*2膜を適用し、約20%の省エネルギー化*3をめざします。

早期実用化に向けた性能検証とビジネスモデルの検討を進め、サウジアラビアをはじめ中東地域の水問題解決を図っていきます。

実証事業期間は2018年4月から2023年3月の約5年間の予定です。

*1
収率=理論的に得られる海水供給量に対する実際に得られた生産水量の比率割合。
*2
Reverse Osmsis(逆浸透法)
*3
日立・東レ試算値。海水塩分濃度3.5%における100万m3/日規模の海水淡水化プラントと従来プラントを比較。
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